「火星」つながりで「火星のタイム・スリップ」に続き本書を手に取りました。
ブラウンは星新一の影響で小学生時代から読んでおり、ブラウンの名作SF長編として有名な本書は中学2年のときに入手していました。(奥付見たら昭和58年7月第9刷でした)
ただ「発狂した宇宙」と異なり、当時の私には読むのがつらく高校生になって初めて読了したような記憶があります。
また過去「発狂した宇宙」は何度も読み返していましたが、本作は「まぁ面白いかなぁ」という程度で読み返すほどではありませんでした…。
本作1955年発刊、残念ながら’12ローカス誌オールタイムベストではランクインしていません…。
アメリカではブラウンそれほど人気ないんでしょうかねぇ?
(日本でも最近ランクインしませんが...)
内容(裏表紙記載)
カリフォニア州の砂漠の中の一軒家で、SF小説の原稿に苦吟していた小説家ルーク・デヴァルウは、世にも不思議な体験をした。奇妙な緑色の小人が彼を訪ねてきたのである。「やぁマック」と小人はなれなれしく彼に話しかけてきた。「ここは地球だろ?」驚いて口もきけない彼に、小人はおりから夜空にのぼっていた月を指した。「月が一つしかないもんな。ぼくんとこには二つある」太陽系内で月を二つもっている惑星といえば、ただ一つに限られてしまう。するとこの小人は・・・・・・火星人なのだ!痛烈な風刺と軽妙なユーモアをもって描く奇才ブラウンの古典的名作ついに登場!
今回読み返して思いましたが、いやはやブラウンはすごい….。
「奇才」という言葉はこの人のためにあるんじゃないかと改めて感じました。
なんともシニカルかつ乾いてすべてのフィクションに対して喧嘩を売っているような内容...途中で「すげぇ」と感嘆してしまいました。
(物凄く抽象的表現ですいませんが、私の表現力ではうまくすごさを表現できない)
個人的には途中で主人公が西部劇ものを書きだす辺りの「西部劇など...」の辺りから、こりゃメタフィクションなんだなぁと感じてツボにはまりだしました。
主人公が得た「異常」と周りの人間の異常な「正常」を巡るドタバタ....。
なにが「正常」でなにが「異常」なのかの基準を徹底的にチャカしています。
あとがきでもなんとも人を喰ったことを書いています。
読んだ直後というのもあるのですが「火星のタイム・スリップ」はディックの本作に対する挑戦状だったんじゃないか?とも感じました。
(まったく根拠のない推論です...。)
本作が地球に実態のない火星人が大挙して現れて大騒ぎになる展開なのに対して、「火星のタイム・スリップ」では「現実」の地球人が火星に大挙して現れ、火星人は微妙な状況になっていく。
両作とも最後に「現実」がどこにあるのかわからなくなるところも似ている。
「精神病」が大きな位置を占めているのも。
関係あるような気がするのですが...、、どうでしょう?
なお私的には「火星人ゴーホーム」の方が上と感じました。
ディックの方が圧倒的に頑張って小説にしている感じはありますが、「現実感の喪失」を一生懸命、ときには薬物の力すら借りて書いているんじゃないか?という力の入れようなのに対して、ブラウンはなんとも軽妙かつ簡単に面白おかしく書いて同様の効果を上げています。
(“生の素材を混ぜ合わせて塩胡椒をパラッ”という感じ)
「発狂した宇宙」と異なり「SF」の枠にはまりきらない作品だと思いますが名作です。
(どちらかといえば私は「発狂した宇宙」の方が好きですが)
これまた絶版なのが非常に残念です。
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ブラウンは星新一の影響で小学生時代から読んでおり、ブラウンの名作SF長編として有名な本書は中学2年のときに入手していました。(奥付見たら昭和58年7月第9刷でした)
ただ「発狂した宇宙」と異なり、当時の私には読むのがつらく高校生になって初めて読了したような記憶があります。
また過去「発狂した宇宙」は何度も読み返していましたが、本作は「まぁ面白いかなぁ」という程度で読み返すほどではありませんでした…。
本作1955年発刊、残念ながら’12ローカス誌オールタイムベストではランクインしていません…。
アメリカではブラウンそれほど人気ないんでしょうかねぇ?
(日本でも最近ランクインしませんが...)
内容(裏表紙記載)
カリフォニア州の砂漠の中の一軒家で、SF小説の原稿に苦吟していた小説家ルーク・デヴァルウは、世にも不思議な体験をした。奇妙な緑色の小人が彼を訪ねてきたのである。「やぁマック」と小人はなれなれしく彼に話しかけてきた。「ここは地球だろ?」驚いて口もきけない彼に、小人はおりから夜空にのぼっていた月を指した。「月が一つしかないもんな。ぼくんとこには二つある」太陽系内で月を二つもっている惑星といえば、ただ一つに限られてしまう。するとこの小人は・・・・・・火星人なのだ!痛烈な風刺と軽妙なユーモアをもって描く奇才ブラウンの古典的名作ついに登場!
今回読み返して思いましたが、いやはやブラウンはすごい….。
「奇才」という言葉はこの人のためにあるんじゃないかと改めて感じました。
なんともシニカルかつ乾いてすべてのフィクションに対して喧嘩を売っているような内容...途中で「すげぇ」と感嘆してしまいました。
(物凄く抽象的表現ですいませんが、私の表現力ではうまくすごさを表現できない)
個人的には途中で主人公が西部劇ものを書きだす辺りの「西部劇など...」の辺りから、こりゃメタフィクションなんだなぁと感じてツボにはまりだしました。
主人公が得た「異常」と周りの人間の異常な「正常」を巡るドタバタ....。
なにが「正常」でなにが「異常」なのかの基準を徹底的にチャカしています。
あとがきでもなんとも人を喰ったことを書いています。
読んだ直後というのもあるのですが「火星のタイム・スリップ」はディックの本作に対する挑戦状だったんじゃないか?とも感じました。
(まったく根拠のない推論です...。)
本作が地球に実態のない火星人が大挙して現れて大騒ぎになる展開なのに対して、「火星のタイム・スリップ」では「現実」の地球人が火星に大挙して現れ、火星人は微妙な状況になっていく。
両作とも最後に「現実」がどこにあるのかわからなくなるところも似ている。
「精神病」が大きな位置を占めているのも。
関係あるような気がするのですが...、、どうでしょう?
なお私的には「火星人ゴーホーム」の方が上と感じました。
ディックの方が圧倒的に頑張って小説にしている感じはありますが、「現実感の喪失」を一生懸命、ときには薬物の力すら借りて書いているんじゃないか?という力の入れようなのに対して、ブラウンはなんとも軽妙かつ簡単に面白おかしく書いて同様の効果を上げています。
(“生の素材を混ぜ合わせて塩胡椒をパラッ”という感じ)
「発狂した宇宙」と異なり「SF」の枠にはまりきらない作品だと思いますが名作です。
(どちらかといえば私は「発狂した宇宙」の方が好きですが)
これまた絶版なのが非常に残念です。
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書評コミュニティサイト「本が好き!」を運営しております、池田と申します。
今回書評を拝読し、ぜひ本が好き!にも書評を投稿していただきたいと思いコメントいたしました。
本が好き!では、書評をサイトに投稿していただくと本がもらえる、献本サービスを行なっております。
献本は審査を通過した方のみ申し込み可能となりますが、
今回は会員登録後ご連絡いただければ、すぐに献本申し込みできるようにしたいと思います。
書評家さんの交流も盛んで、本について語れるサイトとなっております。
自身の書評サイトと併用されている方も多いです。
よろしければ一度サイトをご覧いただけますと幸いです。
不明な点などありましたらお気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
はじめまして。コメントありがとうございます。
サイト拝見しました。
なかなか盛んですねぇ。
拝見して検討させていただきます。
ご覧いただき、有り難うございます。
有り難うございます。ぜひご検討ください。
気になる点などありましたらお気軽に info@
honzuki.jp までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。