語学は好きだけど、英語にあまり興味の持てない私は、
「英語って飽きたなー。もっと他の言語ならおもしろそうなんだけどねー」
なんて、ブツブツ言っていた時期があった。
正直、日本で生きているかぎり英語って別にいらないんだけど(日本人が英語のできない最大の理由)、趣味が旅行ときては多少は語彙なども増やした方が便利ではある。
そこであるときに、ふと思いついたのがこれだ。
「じゃあ、ちょっと変わり種の英語をやればいんじゃね?」
これぞ逆転の発想。コロンブスの卵。
英語にそそられないなら、そこにちょっと「味変」を加えれば好奇心も刺激されるのでは。
候補に挙がるのは、まずはイギリス英語。
ミスヲタであり、20代のころシェイクスピアにハマった身にも、これはアリであろう。
「cookie」ではなく「biscuit」。
「water」も「ワーダー」ではなくちゃんと「ウォーター」と発音し、2階のことを「first floor」などと言ってみて、紳士の国アピールでマウントを取る。
オーストラリア英語もいい。
オージーはいいヤツが多いし、テニスファンなのでオーストラリアン・オープンにもなじみがある。
「グッダイ」「マイト」などとフレンドリーななまりで好感度アップをねらうのもいい。
口をモゴモゴさせて「メルボルンっ子」を演出するなんて高等戦術もアリではないか。
とかなんとかいう変化球のひとつに「インド英語」もあるわけだ。
インドと言えば帝国主義イギリスの最重要植民地だったところ。
特に近現代、イギリス外交の基本は徹底して「インド防衛」にあるといっていいほど深い関係だった。
その影響でインドは英語が公用語のひとつだし(正確には準公用語。インドには20以上、各種公用語がある)、ふつうに英語を話す人は多い。
そしてその英語というのが、独特のアクセントやなまりがあって「ヒングリッシュ」(ヒンディー語英語)なんて呼ばれたりするユニークなもの。
「r」が巻き舌になるというお約束から、こもったようなモゴモゴした発音とか日本人的には新鮮で、これでいいなら英語も楽しそうだ。
なんて新たな発見にテンションも上がったが、ネットもない当時はインド英語を学ぼうにも本も教材もなかった。
それであきらめたんだけど、これって今なら全然イケるよなー。
とか考えてアレコレ検索したら、今では有名な「だいじろー」さんの動画が見つかって、それを見ていたら「各国の英語」解説があるんだけど、これがメチャおもしろい。
だいじろーさんによると、
「ヒングリッシュ」
「シングリッシュ」(シンガポール英語)
「タイ英語」
「フランス英語」
「スペイン英語」
「イタリア英語」
とかいろいろあって、どれ見ても楽しい。あとドイツとペルーのハーフであるエノさんの「ドイツ英語」とか。
うーん、これには蒙が開かれる思いであった。
われわれは一口に「英語」と言うけど、それは世界に広がればこんなに色んな形をとるわけだ。
となれば、逆の逆にどこまでも「自己流」を貫き通して「ジャパングリッシュ」を極めるという手もある。
それはそれで、アリなのかもしれない。
とか言いながら今は英語よりも、せっかくスペイン語をやってるんだから、その流れで同じロマンス語圏のポルトガル語とかイタリア語をやった方が、一挙両得感があってもいいかもとか考えたり。
あと、元ドイツ語学習者としてはスイスの公用語であるロマンシュ語とかにも手を出してみたいなーとか。
英語どころか妙に気が多いというか、なるほどやたらと異性をとっかえひっかえする「浮気性」の人って、こんな感じなのかとか思ったり思わなかったり。