ボンクラ学生のための、楽できる(かもしれない)第二外国語選択講座 

2018年02月27日 | 海外旅行

 第二外国語は、なに取ったらええんですか」。



 あるとき、そんな相談してきたのは後輩ノダくんであった。

 何年か前のことだが、めでたく大学に合格したノダ君が、やれうれしや、これからは遊びまくりの4年間だ。

 ……という前に、まずしなければならないのが、第二外国語の選択。

 フランス語ドイツ語などなじみのない言語を選ぶというのは、よくわからないところも多い。

 そこで、頼れる先輩である私に相談してきたというわけだが、この選択はまったく正しい

 というのも私は学生時代、文学部に学んでいた。

 でもって、ドイツ文学科ドイツ文学専攻。

 当然のごとく、専門的にドイツ語をビシバシ習っていたのだ。

 そんな私は、いわば第二外国語そのものが専攻といっていいわけで、その道の玄人。よくぞ聞いてくれました、といったところであろう。

 そこで今回から数回にわたって、春から新入生になる若者諸君、中でも外資系で働きたいとか、キャリアアップになどではなく、



 「なるたけラクチンに人生をわたっていきたい」



 というボンクラ学生たちに向けた、第二外国語選択術を語っていきたい。

 なんせもう10年以上前の経験談で、現在の大学のシステムに合っているかはわからないが、言語の難解さなど自体は普遍なので、多少は参考になるのではないか。

 ではまず、具体的にどの言語がどうという前に、大前提として知っておいてほしいことはコレ、



 「外国語学習というのは、なかなかに大変な作業である」



 みなさまも学校の英語の授業や、受験勉強で身にしみていると思うが、外国語を学ぶというのはしんどいことも多い。

 なので、私のような

 

 「そもそも自らの意志で、外国語を学びたい」

 

 もしくは

 

 「外国語が必須の学科しか受からなかった」

 

 という人以外には、とにかく「単位取りやすさ」を優先していただきたいのだ。

 というと、



 「そんなん、あたりまえやん。だれが好き好んで、卒業の足かせになるような授業選ぶねん」



 といった返事が返ってきそうだが、それがそうでもない。

 学生には、とくに

 

 「大学ではしっかりと学びたい」

 

 と気合をいれているまじめな子や、第一志望の学校に見事合格して、マックスに浮かれまくっている子などは、ついテンションが上がって、



 「これを機に、外国語がしゃべれるようになりたい!」

 「ぬるま湯に甘んじず、きびしい先生のもとで本当教養を身につけたい!」



 なんて、無駄なチャレンジ精神に燃えるものが、後を絶たないのだ。

 いわゆる「四月病」というやつだが、ゴールデンウィーク明けにはその熱も冷めるし、さらには日本の大学の授業のつまらなさや、教授のやる気のなさなどに失望し、



 「ノリと勢いで履修しまくった、単位を取るのにめんどくさい授業ばかり」



 という借金が残ることに。

 こうなると五月病まっしぐらで、そのときの返済負担を少しでも減らすためにも、第二外国語のハードルは下げておくことをおススメするのだ。

 正直、高性能の自動翻訳機が出る時代になったら、語学もいらなくなるかもしれないしね。

 というと、学校の先生やマジメな学生の中には、



 「そんなばかりしてどうするの? だから日本の大学生はバカばっかりって言われるんだよ!」



 なんてお怒りになるかもしれないが、私は別に楽をして「遊べ」と言っているわけではない

 ただ、先も言ったが、ハッキリ言って日本の大学の授業は役に立たないものが多い。

 だから、そんなものはできるだけ、鼻息プーの楽勝で取れるものを選んでおいた方が心身に負担が少ない。

 これは断言できるけど、本当に「勉強したい」と思ったら大学なんて頼ったらダメ

 必要なのは「充実した図書館」と、今ならネット環境。

 「頭が良くて尊敬できる友達」がいると、なおベスト。あとはやる気次第です。

 で、その「やる気」が日本の大学には決定的に欠けている(少なくとも私の時代はそうだった)のだ。

 だから、「勉強するために大学に行く」は、ナンセンスとは言わないが、実戦的ではない。

 どうしても出たい授業なんか「もぐり」で受ければいいし、外国語だって、どうせテキストをダラダラ読むだけのことも多いから、そんなもんに時間と労力つかうより、スマホでNHK語学番組でも聴いたほうが、なんぼか役に立つ。

 そう、勉強は大事だけど、その労力は「学ぶ」ことに費やすべきで、「単位を取る」ことに浪費すべきではない。

 そのためにも、講義などできるだけ出ず、自前でやるほうがいいのだ。

 実際、海外旅行先で出会った外国語をしゃべれる人で、「大学の授業でマスターした」なんて人に外大生以外に会ったことないし、某超一流大学を出て英語圏で仕事をしている知人に、どういう勉強が役に立ったか訊くと、



 「なんのかの言っても、NHKのラジオ英会話かな」



 そういうもんである。

 以上、まず私がいいたかったことといえば、


 外国語学習はけっこう大変だし、加えて大学の授業はつまらないし、役に立つことも少ないから、単位の取りやすいものを選んで、勉強したい人は、節約した時間と余力で、自分でやりましょう。


 ということ。

 「第二外国語はしろ」というのは、それでサボれということではなく、



 「単位修得のための勉強」



 という本末転倒を避けてほしいからだ。

 それは結局、語学へのアレルギーや苦手意識を増幅させるだけで、労多くして益が少ない。

 学びたければ図書館へ。ゆめゆめ大学なんかに幻想をもって「四月病」にかからぬよう、お気をつけなされよ。

 まずそれが、この講座のキホンのキ。

 では次回は、もうちょっと具体的に、フランス語のお話へ進みたい。


 (続く→こちら



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