ノバク・ジョコビッチの生涯グランドスラムはならなかった。
先日、パリのローラン・ギャロスで行われたテニスのフレンチ・オープン決勝は、スペインのラファエル・ナダルがセルビアのジョコビッチを3-6・7-5・6-2・6-4のスコアで破って5年連続9回目の優勝を果たした。
ナダルの化け物めいたクレーでの強さは、もはや語られ尽くした感がある。少し前に、COWCOWが「あたりまえ体操」でブレイクしたときには、
らふぁえるなだるが、ろーらんぎゃろすで~
ゆうしょう
あたりまえたいそう♪
と、テニス仲間の友人と忘年会で歌ったものだ。もはや「足を前に出すと歩ける」以上に、当たり前すぎる結果であろう。
一方、今年こそはグランドスラム達成を狙ったジョコビッチ側からすると、応援するファンたちはきっと、このようなため息をついたことか。
「嗚呼、やっぱりグランドスラマーへの壁は、お約束通りフレンチになるのか」。
テニスに詳しくない人にここに説明すると、テニスには「グランドスラム」と呼ばれる大会が存在する。
開催順にオーストラリアン・オープン、フレンチ・オープン、ウィンブルドン、USオープンの4つ。日本では「四大大会」とも呼称される。
テニス界ではこの4つのすべてに優勝することをコントラクト・ブリッジにならい「グランドスラム」と呼び、それはそれは名誉な記録なのである。
男子では現役選手ならラファエル・ナダルとロジャー・フェデラー。少し前にアンドレ・アガシが達成している。
その前となると、1969年のロッド・レーバーまでさかのぼらなければならない。そのことを見ても、この「四大大会総ナメ」がいかに偉大かつ、難事であるかわかるであろう。
ちなみに、これに「オリンピックの金メダル」を加えると「ゴールデンスラム」と呼ばれ、こちらはナダルとアガシが成し遂げた。
そんなテニス選手としての頂点である「グランドスラマー」の称号に、ジョコビッチはオーストラリア、ウィンブルドン、USの3つのトロフィーはすでに手にして王手をかけていたわけだが、最後に残ったフレンチ・オープンではナダルの前に、2度決勝で苦杯をなめている。
もしナダルがあと数年、今の「クレー・キング」ぶりをキープできるとしたら、公平に見てジョコビッチのグランドスラム達成は相当難しいものとなるだろう。
だが、これをジョコビッチだけの不運と考えてはいけない。テニス界では、多くのチャンピオンが「生涯グランドスラム」に王手をかけながら、あとひとつが取れずに涙を呑んできた歴史がある。
そして、その「最後の一つ」が、このフレンチ・オープンであることが、なんと多いことか。
(続く【→こちら】)
先日、パリのローラン・ギャロスで行われたテニスのフレンチ・オープン決勝は、スペインのラファエル・ナダルがセルビアのジョコビッチを3-6・7-5・6-2・6-4のスコアで破って5年連続9回目の優勝を果たした。
ナダルの化け物めいたクレーでの強さは、もはや語られ尽くした感がある。少し前に、COWCOWが「あたりまえ体操」でブレイクしたときには、
らふぁえるなだるが、ろーらんぎゃろすで~
ゆうしょう
あたりまえたいそう♪
と、テニス仲間の友人と忘年会で歌ったものだ。もはや「足を前に出すと歩ける」以上に、当たり前すぎる結果であろう。
一方、今年こそはグランドスラム達成を狙ったジョコビッチ側からすると、応援するファンたちはきっと、このようなため息をついたことか。
「嗚呼、やっぱりグランドスラマーへの壁は、お約束通りフレンチになるのか」。
テニスに詳しくない人にここに説明すると、テニスには「グランドスラム」と呼ばれる大会が存在する。
開催順にオーストラリアン・オープン、フレンチ・オープン、ウィンブルドン、USオープンの4つ。日本では「四大大会」とも呼称される。
テニス界ではこの4つのすべてに優勝することをコントラクト・ブリッジにならい「グランドスラム」と呼び、それはそれは名誉な記録なのである。
男子では現役選手ならラファエル・ナダルとロジャー・フェデラー。少し前にアンドレ・アガシが達成している。
その前となると、1969年のロッド・レーバーまでさかのぼらなければならない。そのことを見ても、この「四大大会総ナメ」がいかに偉大かつ、難事であるかわかるであろう。
ちなみに、これに「オリンピックの金メダル」を加えると「ゴールデンスラム」と呼ばれ、こちらはナダルとアガシが成し遂げた。
そんなテニス選手としての頂点である「グランドスラマー」の称号に、ジョコビッチはオーストラリア、ウィンブルドン、USの3つのトロフィーはすでに手にして王手をかけていたわけだが、最後に残ったフレンチ・オープンではナダルの前に、2度決勝で苦杯をなめている。
もしナダルがあと数年、今の「クレー・キング」ぶりをキープできるとしたら、公平に見てジョコビッチのグランドスラム達成は相当難しいものとなるだろう。
だが、これをジョコビッチだけの不運と考えてはいけない。テニス界では、多くのチャンピオンが「生涯グランドスラム」に王手をかけながら、あとひとつが取れずに涙を呑んできた歴史がある。
そして、その「最後の一つ」が、このフレンチ・オープンであることが、なんと多いことか。
(続く【→こちら】)