この前、国会中継を見ていたら、立憲民主も、日本維新も、国民民主も、「N分N乗」の実施の大合唱でした。私は、何のことかわからなかったのですが、今日の東京新聞・本音のコラム欄は、税理士の三木義一氏、「今さらN分N乗?」と題して、書いていますので、紹介します。
「今さらN分N乗?」
三木義一
「ご隠居、N分N乗って何です?」
「ああ、あれは所得税を計算する際、日本のように個人毎の計算ではなく、家族単位で計算する仕組みじゃ。夫が方稼ぎで800万円の所得があり、夫婦と子ども3人の家族の場合、家族数Nは4になる(第1子、第2子はそれぞれ0・5人分とする「)。800万円を4人で稼いだとするから、1人200万円だ。この低い所得の税額をN=4倍するわけじゃ。結果、超過累進税率の影響で800万円の税額と比べるとすごく安くなる。他方、家族4人が働き、200万円ずつ稼いでいる家庭の負担は変わらないことになる」
「てえことは、方稼ぎで、所得の多い家庭が恩恵を多く受ける?」
「そうじゃ。少子化を脱したフランスの古い制度で、国会で盛り上がおるようだが、何でいまさらと言いたくなるの」
「おや、ご隠居は反対なのですか?」
「この方式よりは、子供1人当たりの税額控除をする方がいいし、さらに直接手当支給する方がより庶民に有利で、効果的なんだ。政府が自らの『愚か者』さに気づいて手当を厚く支給しようとしているときに、富裕層に減税効果の大きい仕組みを入れて、財源を減らそうとするのか、わけがわからん」
「てえと、少子化対策としては?」
「笑止千万じゃの」
(青学大名誉教授)
「今さらN分N乗?」
三木義一
「ご隠居、N分N乗って何です?」
「ああ、あれは所得税を計算する際、日本のように個人毎の計算ではなく、家族単位で計算する仕組みじゃ。夫が方稼ぎで800万円の所得があり、夫婦と子ども3人の家族の場合、家族数Nは4になる(第1子、第2子はそれぞれ0・5人分とする「)。800万円を4人で稼いだとするから、1人200万円だ。この低い所得の税額をN=4倍するわけじゃ。結果、超過累進税率の影響で800万円の税額と比べるとすごく安くなる。他方、家族4人が働き、200万円ずつ稼いでいる家庭の負担は変わらないことになる」
「てえことは、方稼ぎで、所得の多い家庭が恩恵を多く受ける?」
「そうじゃ。少子化を脱したフランスの古い制度で、国会で盛り上がおるようだが、何でいまさらと言いたくなるの」
「おや、ご隠居は反対なのですか?」
「この方式よりは、子供1人当たりの税額控除をする方がいいし、さらに直接手当支給する方がより庶民に有利で、効果的なんだ。政府が自らの『愚か者』さに気づいて手当を厚く支給しようとしているときに、富裕層に減税効果の大きい仕組みを入れて、財源を減らそうとするのか、わけがわからん」
「てえと、少子化対策としては?」
「笑止千万じゃの」
(青学大名誉教授)