思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

フランスのハックル(coq de pêche corréziens)

2019-03-16 13:25:54 | ハックル/Hackles

フランスのLimousin鶏の血統でドライフライのハックル用に特別に飼育された鶏coq de pêche (釣り用雄鶏)のハックルを扱っているフランスの釣具店を見つけ、郵便事情が芳しくないチュニジアではなく日本の住所に送付してもらいましたが、それを数日前入手致しました。
実物を見ずに注文し、また、coq de pêcheの品質等も分からないままだったもので、不安はありましたが、実物を手にとって見て納得致しました。
ハックルの機能面、透明感に溢れた色の面、どちらから見ても素晴らしいハックルです。
今回入手したのは、gris cendré ruillé (英直訳 grey ash rust→honey dun)、gris clair (英直訳 grey clear→honey)、gris cendré fumé (英直訳 grey ash smoked→rusty dun)、gris fumé (grey smoked→dark rusty dun)の4種類。フックサイズ12/14番用です。仏語で鉤はhameçon。従い、表記はH12/14となります。
これは、ARDENTPECHE (www.ardentflyfishing.com)という釣具店より入手したものです。現時点では残念ながら、H12/14のハックルは私の注文もあったためか品切れが多くなっておりますが、関心がある方はお店の連絡先を記録しておいても良いかと思います。
以下、実物のハックルをご覧下さい。

これはgris cendré ruillé。ハックルの軸がグレイ色、バーブの先端は黄金色

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。

同じハックルを同じ並び順で白い背景に並べます。

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。
非常に透明感に溢れたハックルである事が見て取れると思います。

白と黒の背景で見ると透明感と色が良くお分かりになると思います。

次は、gris clairのハックル。ハックルの軸が薄いグレイになっていて、light honey dunと分類出来るものも含め、honeyのハックル。

これは向かって左側5つのハックル。

これは向かって右側5つのハックル。

白い背景で同じハックルを並べて見ます。

左側5つのハックル。

右側5つのハックル。

白黒の背景で見ると、消え入る透明感とハニーの色がお分かりになると思います。
欧州でも、商業メディアが伝えるのは、Whiting等の米国ジェネティックばかりです。しかし、それに負けず、本物を求める釣り人のために透明感に溢れた素晴らしいハックルを育てている人達がいるフランスの深さを見る思いです。日本の釣り雑誌にこういう情報が載る日がいつか来るのでしょうか?正直なところ、日本のメディアの毛針釣り人士は米国の事しか知らない人達ばかりの様な印象ですので、期待薄とは思っておりますが。。。


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5 コメント

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素晴らしい知見をありがとうございます (Kebari and Fly)
2019-03-17 20:15:11
今、正にタイイングハックルグループと話をしていたところでした。彼の地でのフェニックスなりYokohamaと呼称される鶏についても混乱が生じています。英国のO.E,Gにしても過去の流れを知らない方がほとんどとなり、こちらで説明する本質が理解できない方が多くなりました。時代錯誤かもしれませんが偏った情報が多くなりすぎています。
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追記です (Kebari and Fly)
2019-03-17 20:27:46
フェニックスについても、これはドイツ固有種の鶏であって日本は関係ないとか尾長鳥は別種であって現在のジェネティックハックルとは血筋が違うとかと理解されています。軍鶏についてもこれは日本の闘鶏であってゲームバードとは違うとかとされ、隔世の感が有りすぎます。
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ハックルグループ (budsek)
2019-03-17 21:19:52
Kebari and Fly様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
タイイングハックルグループという方々については存じませんが、国会図書館にある田口晋吉の畜産各論(明治33年:1900年)260ページの尾長鶏の説明に1878年ドイツに初めて輸出されたとあり、独語WikipediaのPhönix (Huhn)のGeschichte(歴史)の正に最初に1878年日本から輸入された尾の長い鶏が先祖、とハッキリ記載されており、双方の一致よりこれが史実ではないかと考えております。
英国の鶏品種分類では、大きくSoft Feather (Heavy) 、Soft Feather (Light)、True Bantam、Asian Hard Feather、Hard Feather、Rare Soft Feather (Heavy)、Rare Soft Feather (Light)、Rare Hard Feather、Rare Long Crowersと9種に分類され、軍鶏はAsian Hard Feather、OEGやIndian GameはHard Featherに分類されておりますため確かに狭義のGame と軍鶏はOEGを発展させた英国流では別の分類になっております。一方、軍鶏が闘鶏用に飼育され相手を威嚇するため逆だてるネックハックルを硬く色艶のある方向に進化させたのは正にOEGと同一ですので、軍鶏の事を分かっている人は英国流分類に囚われず軍鶏もGameと断言して構わないと思います。
少なくともドライフライに使用出来る機能を持つハックルを産出するのはOEGや軍鶏が属するHard Featherの鶏のみですが、特にブルーの色を出すためにSoft FeatherのBlue Andalusia鶏と掛け合わせる等しており、これはHarry Darbeeの記事でも述べた事ですが、現在ドライフライのハックル用として飼育される鶏は基本全て色々な鶏の混血種だと理解しております。但し、混血の中でもハックルとしての理想を追いかけると従いHard Feather系の血が圧倒的に濃くなり、それがOEGなのか軍鶏なのか、Indian Gameなのか、どのようなHard Feather系の鶏の影響が濃くなるかの違いではなかろうかと勝手に認識する次第であります。
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感謝申し上げます (Kebari and Fly)
2019-03-19 06:53:51
素晴らしいcoq de pêche のご紹介の記事で失礼致しました。又、手前勝手なコメントへの親切なご対応をいただきありがとうございます。米国でも小規模では有りますがハックルの生産を試みられている方が出て参りました。直接にお会い出来ない方々ばかりですが「有りの儘に伝える」個人的なブログならではの有難さを痛感しています。
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今後とも秘密の鍵をお願い致します。 (budsek)
2019-03-20 05:10:35
Kebari and Fly様
コメントを頂き大変ありがとうございました。米国の新しい動き等、とても興味があります。純粋商業ベースで無い釣り人の目線でのハックルつくりが行われているならばまた是非情報を発信頂けましたら大変幸いです。
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