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Blackbirdのクイルは19世紀の毛鉤のレシピにはウィングの材料として出てくるものですが、既に長い間入手が不可能となっているものです。有名な毛鉤で言えば、Greenwell's Gloryのオリジナル材料として考案者のWilliam Greenwell氏が1900年6月1日に書いたと"A Dictionary of Trout Flies"に紹介されている中に:
Wing: Inside of a blackbird's wing.
Body: Yellow silk.
Hackle: Coch-y-bondhu.
Hook: 14.
とあります。他にもIron Blue Dun等、春先に現れる黒・青っぽい色のダンのウィングのイミテーションとして使われております。
そのBlackbirdのコンプリートスキンが上となります。
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羽の内側のクイルの色はこの通り。Blackbirdの代用としてはStarlingのクイルを青黒く染めたものが良く使われ、それはそれで良いものと私は思いますが、代用品よりも本物はちょっと明るい感じがします。
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背中側から見たBlackbirdです。
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クイルの色はより濃い黒色に見えます。
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それも、一つ一つのクイルを見てみると、裏側の色も反映してなのか、透明感のある黒に変わります。ウェットフライのウィングにするとこの色のクイルを二枚重ねますのでより黒色のウィングになり、ドライフライの場合はクイルの裏側に色が表に出ますのでより黒からグラデーションの付いたダン色になります。
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代わってこちらはStarlingのコンプリートスキン。このStarlingは伝統的な毛鉤を巻くのに欠かせない材料ですが、以前お伝えした通り、ロンドンの老舗Farlow'sの若手の店員でさえ「Starlingって何?」という様に、21世紀に入ってから特に使われなくなっております。
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羽の面はこの様な感じですが、
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裏からクイルを見ると、ダン色の薄い柔らかなクイルとなっていて、カゲロウの亜成虫(ダン)のウィングを表現するのに最適の材料と思います。これに気づいた先人の感性には脱帽するしかありません。
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このStarlingのクイルはダック等他にウィング材として日本等で使われるクイルに比べ本当に薄くリアルなカゲロウのウィングを表現出来るのですが、BlackbirdのクイルはStarlingのものより更に透明感に溢れております。
次の春までのシーズンオフ期間に来春に使える毛鉤をBlackbirdのクイルを使って幾つか作って見ましょうか。
ブラックバード、マテリアルとしては非常に希少なイメージですが、鳥自体はヨーロッパに多く生息しているのですね。
私にとってはブラックバード、クロウタドリといえば、ファーブル昆虫記か何かに、食べた記述があったのが印象に残っています。
詰め物をして、とても美味しそうに感じました。
スターリングはクイルしか持っておらず、全身は初めて見ましたが、こんな模様があるのですね。
コメントを頂き大変ありがとうございました。Blackbird自体は欧州ではどこにでもいる鳥で絶滅危惧等はないのですが、英国では1981年のWildlife and Countryside Actでその捕獲が制限されているとのことでその後はマテリアルとしては出てこなくなった様です。昔、サワダでBlackbird SubstituteとしてStarlingのクイルを青黒く染めたものが日本でも入手出来ました。今はその代用品も入手不可能で春先の羽の黒いカゲロウのダンを製作出来ない事は残念です。
Starlingのコンプリートスキンは将来に備えて幾つか未だ持っておりますが、クイル以外に色々なフェザーもありウェットフライのハックルとかに使えます。Stewartが一番勧めるBlack SpiderのハックルもStarlingのものです。
日本でも以前StarlingのコンプリートスキンをCanalさんが扱われておりましたが(私はそれを一つ持っております)、今はどうなっているのでしょう。