Hardyのグラスファイバー竿で有名所はJET等だと思いますが、グラファイト竿が出てきている時にも製造されていたFibalite Perfectionの中の10'3"の竿を前回ロンドン訪問時入手しました。Fred Buller Drifter 11'を入手以来、竹竿以外では二本目の竿。
James Leighton Hardy氏著"The House the Hardy Brothers built"によれば、Fibalite Perfectionは1980年にカタログ入りしておりますが、後述の通り私の竿は1979年製のものです。全部で7'2"から10'6"の長さに至る11タイプがありますが、その内10タイプはPerfection伝統の2ピース竿。唯一の例外が私が入手した10'3"の3ピース竿。
上は全体像。
グラス竿の口径の大きく太いブランクが竹竿やグラファイト竿と比べると異様に思えます。更にフェルールのキャップが竹竿と異なり竿尻側に着くのも異様。
トップリングはプラスチックライン用に竹竿に取り付けられたものと同様。Fred Buller Drifter 11'のようにFujiのセラミックガイドとは異なります。
竿の銘は#6 Fibalit Perfection
と続きます。60年代から竹竿で見られ70年代に続く大柄で踊るような字体とは多少違うように見えます。パラコナの銘入れとは別の担当の方がいたのでしょうか。
長さはキリのいい10'6"ではなく10'3"。竿のデザインからそうなったのでしょう。
シリアルナンバーはL/Q。これは1979年11月製造と読み取れます。1979年のカタログには載らず、1980年のカタログから掲載されたので、The Houseの記述になったのでしょうか。。。
リールシートはFred Buller Drifterに相似した樹脂製。尚、竿の重さは5oz。これは竹竿であればDeLuxe 8'と同じくらいの重さです。10'台の竹竿、Gold Medalは7oz台の重さですので、それに比べればかなりの軽量。
この竿のアクションですが、伝統的な英国竿のアクションとでもいうべきもので、竹竿で言えばPerfectionやGold Medalと似たようなもの。グラファイト竿の硬さはなくさすがグラスファイバーという感じ。
先日、短い夏休みを取り再度携帯が通じない山中のEtrachsee湖畔の宿に宿泊。命の洗濯をして参りました。その際本竿を持参し実釣で試しました。
10'を超える竿なので、ボートからの釣りに使います。
使ったラインがプラスチックの#5だったので竿にはちょっと軽すぎたのですが、投げる感覚はHardyのPalakonaの伝統の延長線上にあるもの。
ゆったりと竿に力を伝えてやればラインがきちんと飛んでいき、着水した毛鉤をイワナが襲うといういつもの釣りを楽しめました。