名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20180305今日の一手(その657);4枚の攻め

2018-03-05 | 今日の一手

20180305今日の一手

1月6日の名南将棋大会から、MさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手(というよりはここ数手)を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩があるので損得なしと見ておきます。
玉の堅さは上からの攻めならば先手玉のほうが堅い(というか深い)です。後手は2,3筋が薄いのです。
先手の攻め駒は28飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。72飛も働かせることはできるでしょう。

総合すれば先手が少し指しやすいです。

☆ 大局観として

先手が強く攻めて有利になりかけたのをちょっと失敗したというくらいの流れです。

ここで33銀成同桂44歩52銀24歩同歩というのが問題図ですが、64歩同歩63角

から馬を作れば十分でした。

問題図では攻め駒が3枚、でも44に拠点があるので攻めの筋が多く、まあまあ手が続きそうだ、というくらいの局面です。
①ここから3枚でうまく攻める順があるかどうか、は難しいです。できれば攻め駒を増やしたいのです。
②後手からは77銀あるいは77角があり、まあまあ厳しい攻めです。それを受けておくべきかどうか。
③他には72飛を攻めるB面攻撃もあるかもしれません。

有利になるのは①で4枚目の攻め駒をつくり、攻め切ることです。
それがだめなら受ける手はどうか、受けきれなければ72飛を攻めようか、という①②③の順で考えるところでしょう。


△ 実戦は24同飛と走りました。

(実戦では23銀と受けたのですが)23歩には飛車を逃げることに(43銀としても手が戻る)なります。28飛77銀

単純ですが受け方は悩ましく、68銀打78銀成同玉

というのが最善のようです。これで形勢互角。

実戦は23銀と受けて

28飛24歩48飛

これならうまくやった感じがするのですが、45歩同桂同桂同飛53桂

49飛65桂43銀21玉42銀成同金

攻め駒は増えて切れなくなったけれど、後手からの77歩成や77銀も厳しくなっています。この先の進行がわからないのですが、早く終わったので後手の77歩成を食らって受からなくなったのでしょう。後手Tさんの勝ちでした。一度受けておけばまだ長いです。


△ 25歩と合わせたらどうか。

ぬるい感じではありますが、後手の2筋を守る駒が玉しかないので応じざるを得ません。25同桂同桂同歩同飛24歩同飛23歩

先ほどとは桂馬を交換しているので先手の攻め駒が4枚あります。だから43銀と打ちこんで、43同銀同歩成同金21角

21同玉23飛成22銀43竜(33桂がいないので金を取れた)32銀

22に銀を打つのは、ここで33桂を食らわない用心です。これならちょっと駒損でも先手が十分です。

後手は22に銀合ではなく角合にして

この図なら、竜を追って77銀とか99角成とか厳しい狙いがあります。ということは先手が失敗。残念です。


△ 23歩はどうか。

後手も放置はしにくいです。23同玉に46角

が狙いの手で詰めろ。32玉91角成77銀

この時に歩切れで73歩と打てないから難しそうです。やはり68銀打でしょうか。香を取ったのは大きいけれど、歩切れが不安です。


△ 単に46角ならどうか。

銀をもらえば詰めろになります。これなら有利に見えるのですが、86歩同歩77歩成同金87歩

歩だけで攻められて68玉88歩成91角成

というのは と金を作られていても持ち歩があるのでまあまあ指せそうです。


△ 73歩と打って

73同桂は83角からもたれておけばよいでしょう。73同飛に46角

飛車を逃げて91角成というのは23歩同玉46角と似たような図です。後手は45歩と催促して73角成同桂

を選ぶことができ、65桂を見て後手が悪くないのかもしれません。


× 83銀は飛車を攻める手で

73飛82銀不成75飛81銀成77銀

はっきり悪いわけでもないですが、68銀打の受けが無くなっていて、桂馬を取っただけでは威張れません。


○ 35歩と突いてみると

後手はうまい受け方がないです。よって77銀で攻め合いで、34歩78銀成同玉77歩成同桂76歩

痛いですがまだ先手玉に詰めろはかかりません(3手すき以上)。33歩成同金45桂打

(桂馬を打つのは59玉まで追われて37角の王手飛車を避ける意味)これが詰めろです。23金と逃げても33銀と打ちこんで詰みます。42金には33桂成同金34歩

34同金には43銀同銀同歩成同玉61角

があるので寄り筋です。
後手の33桂と後手の持ち駒の銀を入手して攻め駒が一気に増える変化でした。


△ 43銀と打ち込んでみると

43同銀に61角

銀を取り返す前に角を打つのは42飛を避けるためです。71飛43歩成同金同角成同玉44歩53玉24飛

強引に突破しましたが、後手玉が広いので寄せ合いが計算しにくいです。形勢不明ですが、どちらかが良いはず。

後手は43銀を同金だと

43同歩成同銀44歩同銀61角

42飛34角成23銀43歩

で飛馬の取り合いなら先手玉への脅威がないので先手よしです。


○ 64歩と突いてみると

43に傷があるので64同歩しかないでしょう。43銀同銀同歩成同金63角

82飛(ほかの逃げ方もあるか)44歩同金24飛23歩41角成同玉23飛成22銀

角を切って竜を作る別の攻め方です。後手の金を44に吊り上げることができるのが魅力的です。42歩同飛28竜52玉

後手陣の形がかなり悪いのですが、最善の粘りでどう攻めるか。気が利かないけれど23歩31銀22銀でしょうか。後手の飛が7筋からずれているので、ゆっくり攻めることができます。


△ 待機策は77を強化する68金右、これに73角

と後手もけん制です。24飛23歩27飛38銀17飛47銀成

25桂57成銀33桂成同金57飛19角成

後手玉への脅威が減って難しくしている感じがします。

ならば73角に46角と合わせて

46同角同銀77銀同桂同歩成同金直76歩78金引77角

難しそうですが46銀が役に立っていないのが気になります。


△ 67金右も受けの手で

73角46角同角同銀77銀

の時に受けやすくなっているような気がする、というくらいの差です。


× 66銀打

持ち駒を打つのは手厚い受けです。後手も速い手がなく、35歩くらいですが25歩

と合わせるのがなんとか間に合っています。25同歩同桂27歩

先手が銀を手持ちにしていないので、後手も受けやすいです。33桂成同金48飛45歩同飛34銀

として互角に近いですが、後手は と金を作って入玉する楽しみがあります。


☆ まとめ

攻め駒3枚で攻め続けるというのは難しくて、24同飛、43銀はあまりうまくいきません。
64歩同歩としてから43銀で清算して63角、というのが唯一うまくいくのだと思います。

攻め駒4枚にするなら37桂を使いたくて、25歩と合わせるのはなかなかでしたが少し足らず。
35歩~34歩と桂馬を取って45桂(取ったほうを打つことになりましたが)が厳しい手でした。後手が寄せ合いで銀を渡せばあっという間に勝ちになります。

82飛をけん制しながら攻めるというのが①と③の中間みたいな23歩~46角、73歩~46角、単に46角の3通りです。持ち歩1枚なので効果は今一つでしたが。

単純なB面攻撃③は83銀ですが、空振りになるとかなり怖いです。

受けるなら68金右か67金右ですが、形勢は互角です。

やはり4枚の攻めというのは強力なのです。4枚になれば角を切って(捨てて)攻めることも可能です。攻め駒が3枚しかなければ、切れないように工夫しなければいけません。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第183回名南将棋大会(弐)速報 | トップ | 大山将棋研究(814);大野流... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の一手」カテゴリの最新記事