名南将棋大会ブログ 名古屋

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20190306今日の一手(その840);千日手打開の受け

2019-03-06 | 今日の一手

20190306今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、JさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金と角銀の交換で竜馬VS竜の作り合いです。かなり先手の駒得ですが、終盤なので割り引いて評価します。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は42竜と持ち駒角銀香で4枚、55桂も加えて良いかもしれません。
後手の攻め駒は19竜66金で2枚。

何手で詰めろかを数えると、後手玉は64香~62香成が詰むかどうか。ちょっと駒が足りなさそうで、ならば3手かかるので4手すきです。
先手玉は57金~68金同玉66歩で詰めろ。現状は3手すきです。
単純な寄せ合いでは後手が有利です。


総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手の劣っているところは玉の堅さだけです。しっかり受けてしまえば優勢になります。形勢が良いので千日手模様は打開したいです。
寄せ合いに行っても攻撃力で優るので勝てそうにも思えます。先に何手で詰めろかを数えて、後手有利ではあるのですが、工夫はできるでしょう。


○か× 実戦は66同銀でもちろん同歩まで進みます。

拠点の歩が進んでちょっと受けにくくなりました。64香の攻め合いで67銀

これは67同金同歩成同玉だと63歩

歩を打てるようになったので粘ろうというわけで、これはちょっとややこしい図です。

ということで88玉と逃げて68銀不成62香成と進みました。

問題図よりも先手に金の持ち駒が増えているので、72成香からばらしていけば駒が足りるようです。後手玉は詰めろ。寄せ合いの速度が逆転しています。それを読み切ったのならばこの順が正解です。実戦ではこの図までしか進行がわからないのですが、79竜97玉で頓死したか、79竜98玉88金97玉89竜で先手玉に詰めろをかけられて後手玉を詰ましきれずに、先手Hさんが負けでした。

さて話はそれほど簡単ではありません。67銀を打つ前に52金寄とされたら

61香成同銀は入るのですが、飛車を渡すと詰まされてしまいます。22竜と逃げて67銀

67同金同歩成同玉89竜64金72香57玉

まで見えないと勝ちだとは言えないでしょう。確かに先手優勢ではありますが、この寄せ合いは危険なところがあります。


△ 単に64香で寄せ合いだと

57金同金52金寄

やはり飛車は渡せません。61香成同銀22竜66銀

58金だと55銀同歩66桂が厄介です。64銀(詰めろ)72香46角

攻防の角を打てば先手有利ではありますが、見えないと怪しいです。

あるいは66銀ではなく59竜

この時の受けも間違えてはいけません。金2枚あるので68金(88銀に69金打)で受かりそうですが。


△ 攻めても後手の応手によっては受けることになるので、受けるほうを考えます。先に受けるほうが手堅い原則です。58銀と引くと

57金同銀66銀

47にあった銀が手持ちになったようなものです。攻撃力は上がりましたが、攻め駒は豊富なので影響は無いようです。47銀も一応はあるほうが良いのだと思います。ここから58銀と打てば千日手ですが、元の形勢が良いので不満です。


△ 46銀直

とするのも同じようなものですが、67の地点が薄くなるので76金~66歩とされるかも。構わないと言えば構わないのですが。


△ 駒を打つ方が手堅い原則もあり、58銀打

のほうが堅いです。ただし金銀の打ち替えで千日手かも。



○ ちょっと不安ですが67歩を打てば

6筋を攻められることはなくなります。57金同金59竜

この時の受けさえ見えていれば良いです。69に何か打って57金を取らせる、69銀57竜58金

竜を捕獲しても二枚換えなのですが、元が大きな駒得なので後手に大駒が消えると受けやすくなります。

68金と打つ方が普通の受け方ですが88銀

69香89銀不成同玉77桂88玉69桂成58金寄

ちょっと違和感のある受け方で何とかなりますが、竜を捕獲する受け方のほうが簡明です。


○ 69香を打つと

6筋に壁を作り、66の地点も受けていることになります。57金同金66銀

この時に66同香と取れますね。66同歩68歩

ならば大丈夫でしょう。65桂は同馬と取れます。攻撃力は下がった(64香がなくなった)ので、79金や88銀などもっと固めてから攻めることを考えます。

48銀と絡まれたら

67金37銀成58銀48成銀68金46歩57金打

とにかく面倒を見てしまいます。


○ 46角は攻防で

竜取りですし、後で攻めに使えるかもしれません。もちろん守りの効果もあります。竜を逃げずに57金とされた時には19角68金同玉66歩57玉

小駒だけになれば上に逃げてしまう(入玉をみせる)のがわかりやすい受けです。

57金に同金

と応じて、66銀19角57銀成に64香

金銀を取らせている間に寄せに入るのもあります。やはり52金寄は厄介ですが、61香成同銀22竜47成銀63桂成

19角を使う寄せが決まれば気持ちよく勝てます。


☆ まとめ

寄せ合いで勝つのは結構難しかったです。これは先手玉が薄くて渡せない駒がある(飛を渡せない)ためです。
そのほかの要素で上回っているのですから、受けるほうが易しいでしょう。ただ千日手を避けるには工夫が必要です。
66(と67)の地点を小駒で受けるのが良く、少し危険な67歩、攻撃力が下がるけれど安全な感じの69香、を勧めます。
手が見えれば攻防の46角が良い手です。攻めるほうがなくても、竜取りの強い受けです。竜が逃げたらさらに駒を打って受ければよいです。
金駒で受けると千日手含みですが、小駒や大駒を使えば打開できました。








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