20160123今日の一手
11月29日の名南将棋大会からIさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありませんが、先手だけ馬を作っているので少し得です。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は63馬1枚。
後手の攻め駒は55銀1枚。
総合すれば互角かやや後手が指せる局面です。
大局観として
後手がやや指せるというのは、玉が堅いことと64角と84飛はすぐに攻め駒になりそうなので3枚の攻め駒になるということからです。
ここで先手も攻め合いにして駒を渡すと後手の攻撃力が増すので危険です。後手玉が堅いのであまり有効な攻めがないのです。
ということは馬を作ったのですし、受けに回ってしまうのが正しいでしょう。後手の攻め駒を増やさないように、かつ馬を使える展開を目指します。
× 実戦は25歩でした。攻めるならここからですが
25同歩同桂56銀64馬
勢いで駒を取り合いましたが馬が消えてはうまくはないです。64同飛56歩76歩68銀86歩同歩87歩
後手からだけ好調な攻めが続きます。87同金66歩同歩38角
駒損はしていないのですが、馬を作られ後手有利の局面が続きます。順当に押し切られました。後手は25桂を取って攻め駒がふやせるのも大きなことで、つまりは桂馬を渡す25歩は疑問手だということです。
途中の64馬は指しすぎですが、56同歩としたら
46角88玉25桂と補充。
25同銀24歩16銀64桂
68桂76歩同桂同桂同銀64桂
桂馬を使う攻めが厳しいのです。頑張って75銀とかわすと76桂77玉57角成
76玉74歩
75銀が移動すると66金で詰んでしまいます。これは一変化ですが、4枚目の攻め駒を渡してはいけません。
△ 桂馬を渡さないように35歩のほうがましです。
56銀同歩46角88玉
76歩同銀86歩同歩同飛87銀打
これくらいなら戦えます。
× 45歩も攻める手ですが
45同歩の時45同桂では
あとで桂馬を渡すことになるのでまずいというのは25歩と同じです。45桂ではない手を指せますが、1歩渡しているのはマイナスです。
× 46角が嫌だからと49飛は
56銀同歩58金
58金では27金というのも嫌な筋です。47飛57金同飛46角
これも困ります。
× 結局は受けるほうがいいのですが、64馬は同銀で
銀は引かせても7筋に手が付いていますし、後手から38角で馬を作られる手もあります。
○ 受けるなら75歩が自然です。
56銀同歩86歩同歩46角
88玉76歩同銀86飛87銀打
前の35歩より1歩得で、後手の持ち歩が少ないので受けるならこちらのほうがいいでしょう。
82飛に74歩86歩98銀でどうか。
後手が歩切れなので87金と打ち込まれるのはまだ怖くないです。73歩成が実現すれば先手がよくなります。
74歩で普通は86歩なのですが52金96馬25歩
これが嫌な筋で、84桂を狙われます。(前の35歩なら36馬と引けるので84桂はないのですが。)
△ 同じようでも55金と取ると
55同角75歩46角88玉55角
歩の位置が違うので55角があります。これは案外うるさくて、77桂なら86歩同歩同飛87銀打76飛
後手玉が堅いので強攻されます。76同銀86金には56飛くらいか。
76金同飛(55飛には86歩)54銀と角にひもを付けて
96馬でも85銀
馬はどこに逃げても85銀から76歩の筋があります。受けにくい上に一つ間違えれば敗勢になりますね。55角に98玉は25歩から桂馬を手に入れて86歩同歩94桂の筋があり、77銀と打っても64桂の筋はあります。うまく受けてやっと互角なので55角と指せないように後手から金を取らせる方が正しいようです。
先手のMさんは攻め将棋なので、受けても面倒だと攻め合いの25歩を選ぶのはよくわかります。でも攻めるのが狙いなら馬を作らないですぐに25歩と行くほうがいいでしょう。方針が分裂してしまいました。
相手の攻め駒のそばに馬を作ったのなら攻めをけん制できるのですから、動いて来たら相手をして受けるべきです。
受けるなら堂々と75同歩が一番有力で、35歩も候補になります。後手からは76歩同銀75歩という筋もある(同銀同角73馬があるので大きな手ではないが、実戦で64馬としたのはこの筋が嫌に見えたためか)ので、75同歩が自然な手に見えます。74歩と突きだすのが楽しみです。
11月29日の名南将棋大会からIさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありませんが、先手だけ馬を作っているので少し得です。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は63馬1枚。
後手の攻め駒は55銀1枚。
総合すれば互角かやや後手が指せる局面です。
大局観として
後手がやや指せるというのは、玉が堅いことと64角と84飛はすぐに攻め駒になりそうなので3枚の攻め駒になるということからです。
ここで先手も攻め合いにして駒を渡すと後手の攻撃力が増すので危険です。後手玉が堅いのであまり有効な攻めがないのです。
ということは馬を作ったのですし、受けに回ってしまうのが正しいでしょう。後手の攻め駒を増やさないように、かつ馬を使える展開を目指します。
× 実戦は25歩でした。攻めるならここからですが
25同歩同桂56銀64馬
勢いで駒を取り合いましたが馬が消えてはうまくはないです。64同飛56歩76歩68銀86歩同歩87歩
後手からだけ好調な攻めが続きます。87同金66歩同歩38角
駒損はしていないのですが、馬を作られ後手有利の局面が続きます。順当に押し切られました。後手は25桂を取って攻め駒がふやせるのも大きなことで、つまりは桂馬を渡す25歩は疑問手だということです。
途中の64馬は指しすぎですが、56同歩としたら
46角88玉25桂と補充。
25同銀24歩16銀64桂
68桂76歩同桂同桂同銀64桂
桂馬を使う攻めが厳しいのです。頑張って75銀とかわすと76桂77玉57角成
76玉74歩
75銀が移動すると66金で詰んでしまいます。これは一変化ですが、4枚目の攻め駒を渡してはいけません。
△ 桂馬を渡さないように35歩のほうがましです。
56銀同歩46角88玉
76歩同銀86歩同歩同飛87銀打
これくらいなら戦えます。
× 45歩も攻める手ですが
45同歩の時45同桂では
あとで桂馬を渡すことになるのでまずいというのは25歩と同じです。45桂ではない手を指せますが、1歩渡しているのはマイナスです。
× 46角が嫌だからと49飛は
56銀同歩58金
58金では27金というのも嫌な筋です。47飛57金同飛46角
これも困ります。
× 結局は受けるほうがいいのですが、64馬は同銀で
銀は引かせても7筋に手が付いていますし、後手から38角で馬を作られる手もあります。
○ 受けるなら75歩が自然です。
56銀同歩86歩同歩46角
88玉76歩同銀86飛87銀打
前の35歩より1歩得で、後手の持ち歩が少ないので受けるならこちらのほうがいいでしょう。
82飛に74歩86歩98銀でどうか。
後手が歩切れなので87金と打ち込まれるのはまだ怖くないです。73歩成が実現すれば先手がよくなります。
74歩で普通は86歩なのですが52金96馬25歩
これが嫌な筋で、84桂を狙われます。(前の35歩なら36馬と引けるので84桂はないのですが。)
△ 同じようでも55金と取ると
55同角75歩46角88玉55角
歩の位置が違うので55角があります。これは案外うるさくて、77桂なら86歩同歩同飛87銀打76飛
後手玉が堅いので強攻されます。76同銀86金には56飛くらいか。
76金同飛(55飛には86歩)54銀と角にひもを付けて
96馬でも85銀
馬はどこに逃げても85銀から76歩の筋があります。受けにくい上に一つ間違えれば敗勢になりますね。55角に98玉は25歩から桂馬を手に入れて86歩同歩94桂の筋があり、77銀と打っても64桂の筋はあります。うまく受けてやっと互角なので55角と指せないように後手から金を取らせる方が正しいようです。
先手のMさんは攻め将棋なので、受けても面倒だと攻め合いの25歩を選ぶのはよくわかります。でも攻めるのが狙いなら馬を作らないですぐに25歩と行くほうがいいでしょう。方針が分裂してしまいました。
相手の攻め駒のそばに馬を作ったのなら攻めをけん制できるのですから、動いて来たら相手をして受けるべきです。
受けるなら堂々と75同歩が一番有力で、35歩も候補になります。後手からは76歩同銀75歩という筋もある(同銀同角73馬があるので大きな手ではないが、実戦で64馬としたのはこの筋が嫌に見えたためか)ので、75同歩が自然な手に見えます。74歩と突きだすのが楽しみです。
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