名南将棋大会ブログ 名古屋

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20180430今日の一手(その685);竜取りで受ける

2018-04-30 | 今日の一手

20180430今日の一手

2月18日の名南将棋大会から、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と角歩の交換で馬とVS竜と を作り合っています。先手の駒得ですが、終盤なので重視しません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は31飛34馬44角持ち駒銀で4枚。
後手の攻め駒は49竜65桂と持ち駒銀桂桂で5枚。

総合すればやや先手もちですが、上回っているのは終盤での駒得だけです。

☆ 大局観として

駒得だから長期戦をねらって良し、にはなりません。後手の攻め駒が豊富です。
寄せ合いで勝ちにいく、あるいは一度受けておいてから寄せ合いで勝ちにいく、のどちらかです。

寄せ合いなら寄せのセオリーでしたね。
厳しい攻めから考える
小さな駒から使う
の2つで考えていきます。


いきなり53角成では早すぎます。72銀も狙いにくいので、52金か51金を狙うことになります。
△か× 小さな駒から、で43と

から考えるのが普通でしょう。後手は桂馬が多いので77桂打が有力です。これには59金引

と受けるのでしょう。77同桂同桂成同角65桂でもまだ後手の攻め駒が4枚あるので後手を引くだけです。また59金寄では69銀があるので指しにくいです。
38竜に68金直89桂成同玉77銀79銀86桂

86同歩に87桂、どんどん攻められてかなり受けにくそうです。

38竜の時に68銀と打つ方が手堅いですが

69桂成同金57金52と58銀

まだ後手玉には詰めろになるような手がありません。金を手に入れたので千日手で受けられるかどうかなのですが、それも怪しいところで後手の勝ち筋のようです。


× 実戦は42歩で

これも小さな駒から使っているのですが、金を取るために42歩~41歩成~51と で3手かかります。先ほどの43と は次に52と と取れましたから2手ですみます。後手玉に迫る(詰めろをかける)という意味では、次の52と が厳しいのですが4手先ですから寄せ合い負けでしょう。
さて42歩に77桂打以下、43と の時と同じように進んだらこの図です。

次に金を取ることができませんし、受けきりも難しいので43と よりも劣っていると思われます。41歩成~51と~52と が間に合わないでしょう。

実戦では後手Mさんが77銀

と打ち込みました。44角の利きをうっかりしたのでしょう。77同桂同桂成同角65桂55角64桂44桂57桂打

後手が手駒を使い切ったので59金寄で優勢なのですが、59銀と使ってしまい、69桂成同玉57金

これで受け無しになってしまいました。


○ もっと急がねばなりません。52馬

が一番速そうです。52同金41竜61銀打

までは必然でしょう。ここでつい53角成同金49竜とやってしまうと57桂打

後手玉に手がついていないので、角を捨てて竜を抜いても勝てません。

ここでは59金打

がっちり埋めておくものでしょう。19竜に42と(43と同金同竜では甘い)62金51銀

と寄せていって先手優勢です。ただし後手玉の上部脱出が予想されるので逆転されないように気をつけねばなりませんが。


○ 一度受けるなら駒を打つ方が良く(先ほどの59金打もそういう手です)66銀

あるいは68銀と打っておきます。57桂打ち同銀同桂不成同金65桂58金引57銀59金引38竜58桂

後手の攻め駒が多いので受けきりにはならないのですが、58銀成同金左57桂成49銀

竜取りを交えつつ受けていきます。この図になるなら58成桂38銀59成桂43と

竜を取ると後手の攻め駒が多くても小駒だけなので速度が鈍ります。44角の利きもあるから寄せ合いに出て先手有利ではないかというところです。
後手からの変化も多いでしょうからはっきりした結論ではないのですが、一度銀を打って受けてから遅い攻めでも間に合わせる、という流れです。


○ 35馬も受けの手で

77桂打59金引38竜68金直89桂成同玉77銀79銀86桂

という何度か出た手順で攻められた時に、68金に馬の利きがあります。86同歩87桂88銀

と銀をかわすことができるので受けきれるかどうか、というところです。
これも後手からの変化が多いでしょうが、馬が守りに利いているという効果はあるはずです。


△ 59金寄だと竜取りですが薄い受けです。

19竜の時に寄せ合いに出て、52馬同金41飛成61銀打42と62金51銀57香

というのは、最初に52馬から入って、59金打ではなく59金寄としたら同じ図です。ここからしばらく受けに回ることになり、かなり苦労しそうです。


△ 59金引も竜取りで

38竜48歩57桂打79金39竜68金右

これは先に受けている効果がありそうです。後手の攻めが途切れたら43と を狙います。


☆ まとめ

寄せ合いにするなら、後手の攻め駒が多い=攻撃力が高いので急がねばなりません。小さな駒でゆっくり攻めるのでは間に合わないのです。角を渡すことになりますが、おそらく52馬同金41竜には61銀打なので銀を使ってもらえます。どうせ後手の攻め駒が豊富なのですから、銀が角に替わってもあまり違わないでしょう。
と金で2手かけて金を取るよりも、馬で1手で金を取るほうが速いのでした。(反動はあるでしょうが。)

受けきりにはできないですが、受けるならば先に受けるほうが手堅い駒を打つ方が手堅い、という原則があります。
銀を打っておくのが最有力ですが、馬を受けに使うのもあるでしょう。竜取りで先手を取って受けるというのは受けのテクニックですが、そのあとの形が思わしくありません。52馬から金を手に入れて59金打、というのが間に合いました。





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