角道を止める向い飛車の最後は
先手が56歩も保留して玉を囲う形です。25歩33角を決めているから、後手のうそ矢倉に対応しやすいけれど、雁木の可能性はあります。ねらいとしては
早く居飛車穴熊に囲おうというもの。後手は32金として
急戦の構え。ここからの攻防ですが、79金24歩同歩同飛25歩22飛36歩14歩46歩
ここから3通りに岐れます。13桂37桂35歩47銀
安用寺先生は先手有利だとされるのですが、評価値は+160の先手ペースというくらい。後手の最善は26歩同飛15角27飛25桂
25同飛37角成22飛成同金45歩
これで評価値は+148、最後の45歩を知らないと銀を逃げそうなので評価値は下がります。
戻って
45歩とするのは、24歩77角成同銀
44角66角同角同歩44角
23歩成同金31角26歩22角成同金と進んで
37銀で互角とされているのですが (評価値は+248の先手良し) 、45歩か41飛を選べば先手有利、評価値は+450くらいあります。
戻って
後手の最善手は44角ではありません。46歩として55角33角同角成同桂23歩成
23同金31角26歩
ここでまた2つに岐れて、53角成52銀26馬64角
37桂25歩27馬24金
この図の評価値は0近辺の互角です。
もう一つは
22角成同金41飛32金88銀
27角同飛同歩成11飛成26飛
この図の評価値も0近辺の互角です。
どれも難しいから、先手の対策が不十分だと結論を出しても良いのですが、
もう一つ54銀もあります。24歩65銀58金76銀
本に書いてある86角52金68金寄24飛同飛同角というのは先手が悪いのですが、55角と逃げておけば評価値は+137の先手ペースです。
また、54銀に24歩ではなくて、86角42金59金
というのも評価値は+127の先手ペースです。
だから安用寺先生は居飛車穴熊が危険だという結論ですが、その理由としては後手がもっと早く
98香を見て32金99玉24歩同歩同飛
25歩22飛36歩45歩
美濃囲いにする前に戦うほうがわかりやすいです。先手はすでにまとめにくい図に見えますが、88角同角成同銀33桂に77角と手放して、21飛59金右
とすれば収まります。この図の評価値は+25の互角です。先手の得は失われているのですから、居飛車穴熊は有効ではありません。後手の向い飛車は先手の居飛車穴熊には強いとわかります。