次は33角戦法です。
25歩に22飛とするので、
安用寺孝功先生の「向い飛車その狙いと対策」では角オープン向い飛車という名前です。島朗先生「島ノート」では鬼殺し向かい飛車と呼んでいました。さて33角成同桂65角が成立するかどうかが最初の問題です。
45桂48銀55角
香取りを受けにくいので後手良しに見えるのですが、98香99角成78銀
42飛83角成98馬56馬84香
安用寺先生は後手十分だと書かれていて、定説でした。でもこの図の評価値は+213の先手ペース。もう少し進めてみましょう。45馬87香成同銀同馬39銀
88香のねらいがあるので、88歩63馬82飛83歩
62飛66香63飛同香不成
後手の歩切れが痛く、駒得は消えます。だから先手ペースではあるようです。
戻って
先手が乱戦を好まなければ、角を交換してから玉を囲うのが無難です。33角成同桂68玉42銀48銀62玉78玉72玉の時に77角
これは2010年2月放送の将棋の時間の講座で、先崎先生が解説されていた先手の対策です。後手が44歩を突かせないようにして、先手は36歩~37銀~46銀~35歩と攻めるというもの。後手が44角を打てば66歩と止めて
先手は居飛車穴熊にしてから、やはり37銀~46銀~35歩の攻めを見る。なので33角戦法はすたれた、という解説でした。
AIに聞いてみると
この角打は評価値を下げます。54歩36歩62銀37銀53銀右46銀44銀
後手は右銀を繰り出して対抗すれば大丈夫。評価値は0近辺の互角です。先手は角を手放した意味が無いようです。
ということで、33角戦法に対する定説が2つとも覆されてしまいました。