後手番大山先生の手を考えます。
第1問
柔軟な指し方です。
A 85銀 B 65銀 C 64歩
第2問
45銀や桂をねらわれています。
A 44銀 B 34銀 C 34角
第3問
これで後手優勢になります。
A 64同玉 B 94角 C 56銀
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
柔軟な指し方です。
A 85銀 B 65銀 C 64歩
第2問
45銀や桂をねらわれています。
A 44銀 B 34銀 C 34角
第3問
これで後手優勢になります。
A 64同玉 B 94角 C 56銀
今日の棋譜20200923 その3
昭和27年8月、松田茂行先生と読売全八段戦です。千日手が二回あって前局の翌日に指し直し、やはり当日指し直しにはなっていません。
3回とも松田先生の先手です。毎回振り駒なのか、全部先後が固定なのか。これならば千日手を回避しなくてもよいと思ってしまいます。
今度は相掛りになりました。
互いに引き飛車です。
松田先生は腰掛銀のようでしたが、大山先生は棒銀です。アマチュア向けの原始棒銀はあったのでしょうが、プロではかなり珍しいでしょう。
松田先生は22角成同銀88銀とすれば穏やかですが
45歩~26飛、横利きで受けようとします。大山先生が84銀ではなくて74銀というのが現代的です。後に宮坂先生が指していたのが流行して、今でも残っていますが、この頃からあったのですね。
さて85銀には22角成同銀77桂と受けるのでしょう。74銀ではなくて84銀ならば、95銀22角成同銀88銀となったのでしょう。
大山先生が銀を65に出たというのがアイデアです。これにも松田先生は角を交換して77桂ですが
54に銀を引かれて、45歩を守り切れません。仕方なくて75歩を突き
86歩~85歩~86飛という順をねらいました。この時期にひねり飛車があったかどうかですが(大山先生の兄弟子角田先生が愛用しているのであったのかも)、ひねり飛車のような感覚です。
対して大山先生は45歩を取れるので84歩を打って我慢します。
やはり松田先生は飛をひねりますが
45歩を取られてしまうので玉を右には囲いにくいです。
7筋の歩を切り、2歩持っているので1歩損もひどくはないのですが28玉までもっていって、46歩や②7歩を打てば歩切れになってしまいます。
右桂を跳ねたので、玉を右に囲う意思はないようです。中住まいにするのかと思ったのですが
居玉のままで35歩同歩26飛と飛を戻ります。72歩同飛61角82飛25角成では馬ができても面白くないのでしょうか。
74歩には45歩を打って
45同歩に56銀と攻めます。大山先生は34角ですか。45歩を守るのですが、働いているようないないような。代わりに34銀では薄い感じですし、72歩同飛61角の筋を避けているので、案外に良い守りかもしれません。松田先生は46歩同歩同飛43歩も今一つなので
36歩でしたが24銀
44角33金35角。35同銀同歩61角45銀(か45桂)は結構指せそうです。
大山先生は51玉(は妥当)から62玉と逃げだしましたが、これは22に隙があり
22歩13桂21歩成、と金を作られて損をしました。
61角11と35銀で二枚換えということになり
35同歩24歩67香、6筋をねらわれました。形勢不明になっていると思います。
25桂に65歩
65同歩に45桂、桂の跳ね違えは、中央に跳ね違えて有利ということが多いです。
44金に64歩を打たれて
64同金には65香、65銀、どれが良いかわかりません。本譜は65桂で、53桂左成などがありますから45銀か金が必然で
45銀に53桂成、桂2枚捨てて
64金を取られましたが、94角の返しはぴったりです。後手有利に戻ったか。
松田先生は63金54銀を入れて67歩と守ります。
46桂(これも厳しい)に65銀打
43玉45銀同金34銀、攻めとしては好調ですが
金を取っても後手玉は詰み筋がないです。38桂成くらいでも悪いですし
58銀48玉47歩、39玉は48角が痛いです。
47同金に39角(38角でも受けにくい)
39同玉47銀成まで。
大山先生の棒銀がかなり珍しく、1歩取って作戦勝ちになりました。追いつかれたところがあるのですが、玉が動き出すと大山ペースです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/08/02
手合割:平手
先手:松田茂行8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 2四歩(25)
6 同 歩(23)
7 同 飛(28)
8 2三歩打
9 2八飛(24)
10 8五歩(84)
11 7八金(69)
12 8六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 8七歩打
16 8二飛(86)
17 7六歩(77)
18 3四歩(33)
19 4八銀(39)
20 7二銀(71)
21 4六歩(47)
22 8三銀(72)
23 4五歩(46)
24 7四銀(83)
25 2六飛(28)
26 6五銀(74)
27 2二角成(88)
28 同 銀(31)
29 7七桂(89)
30 5四銀(65)
31 7五歩(76)
32 3三銀(22)
33 8六歩(87)
34 8四歩打
35 3八金(49)
36 4二玉(51)
37 7六飛(26)
38 7二金(61)
39 4七銀(48)
40 4五銀(54)
41 7四歩(75)
42 同 歩(73)
43 同 飛(76)
44 7三歩打
45 7六飛(74)
46 4四歩(43)
47 3六歩(37)
48 5四銀(45)
49 6八銀(79)
50 6四歩(63)
51 3七桂(29)
52 1四歩(13)
53 1六歩(17)
54 6三金(72)
55 3五歩(36)
56 同 歩(34)
57 2六飛(76)
58 7四歩(73)
59 4五歩打
60 同 歩(44)
61 5六銀(47)
62 3四角打
63 3六歩打
64 2四銀(33)
65 4四角打
66 3三金(32)
67 3五角(44)
68 5一玉(42)
69 6六歩(67)
70 6二玉(51)
71 2二歩打
72 1三桂(21)
73 2一歩成(22)
74 6一角(34)
75 1一と(21)
76 3五銀(24)
77 同 歩(36)
78 2四歩(23)
79 6七香打
80 2五桂(13)
81 6五歩(66)
82 同 歩(64)
83 4五桂(37)
84 4四金(33)
85 6四歩打
86 同 金(63)
87 6五桂(77)
88 4五銀(54)
89 5三桂成(65)
90 同 玉(62)
91 6四香(67)
92 9四角(61)
93 6三金打
94 5四玉(53)
95 6七歩打
96 4六桂打
97 6五銀打
98 4三玉(54)
99 4五銀(56)
100 同 金(44)
101 3四銀打
102 3二玉(43)
103 4五銀(34)
104 5八銀打
105 4八玉(59)
106 4七歩打
107 同 金(38)
108 3九角打
109 同 玉(48)
110 4七銀成(58)
111 投了
まで110手で後手の勝ち
今日の棋譜20200923 その2
昭和27年8月、松田茂行先生と読売全八段戦です。時系列では間に3局入るのですが、(おそらく)千日手指し直しなので先に並べます。1か月以上間が空いて、大山先生は名人+九段になっています。
指し直しでも松田先生の先手で、角換わりです。
これも相腰掛銀になり
互いに端を詰めたというのは珍しいです。攻めやすくて受けにくくなっています。
ここで後手が73桂とする先後同型は、45歩同歩35歩と攻めていけば升田定跡の類似形です。少し先手が攻めやすいか。
互いに入城して、73桂と跳ねる先後同型は木村定跡の類似形で、攻め筋は少し変わりますが先手十分でしょう。
後手が73桂を跳ねないというのが肝要です。43金右と待ちます。先手も合わせて67金右は珍しいですが
42金引に68金引、43金直67金直42金引68金引を繰り返して
千日手です。先手の打開策としては、48飛~45歩同歩同銀同銀同桂44銀53桂成同銀44歩という筋ですが、平成になってから見つけられた攻め筋です。他には(69角がない形で)26角を考えるかもしれませんが、後手から65歩同歩73桂と先攻されるのも嫌なところでしょう。他には穴熊にして待つものかもしれませんがごく最近の考え方です。当時を思えば仕掛けられなくて千日手は仕方ないところか。
でも2局続けて千日手になってしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/08/01
手合割:平手
先手:松田茂行8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 7八金(69)
14 3三銀(22)
15 4八銀(39)
16 6二銀(71)
17 4六歩(47)
18 6四歩(63)
19 4七銀(48)
20 5二金(61)
21 6八玉(59)
22 4二玉(51)
23 3六歩(37)
24 7四歩(73)
25 5八金(49)
26 6三銀(62)
27 3七桂(29)
28 5四銀(63)
29 7九玉(68)
30 9四歩(93)
31 1六歩(17)
32 9五歩(94)
33 1五歩(16)
34 4四歩(43)
35 5六銀(47)
36 3一玉(42)
37 6六歩(67)
38 2二玉(31)
39 8八玉(79)
40 4三金(52)
41 6七金(58)
42 4二金(43)
43 6八金(67)
44 4三金(42)
45 6七金(68)
46 4二金(43)
47 6八金(67)
48 4三金(42)
49 6七金(68)
50 4二金(43)
51 6八金(67)
52 4三金(42)
53 6七金(68)
54 千日手
まで53手で千日手
今日の棋譜20200923
昭和27年6月、松田茂行先生と名人九段オール八段戦です。(読売全八段戦と同じ棋戦だと思います。)
松田先生の先手で角換わりです。
互いに腰掛銀に進むのですが
大山先生の62飛がちょっと変わった手です。ここからでも前前局のように61飛~41飛の待機作戦にもできます。
今回は腰掛銀にしました。松田先生の45歩は、後手の65歩の攻めに46角を打とうというのでしょう。84角75歩同歩65歩という攻防になりそう。
22玉でも46角を打ちました。
大山先生も84角を打ちます。
67金右42金右までは自然です。角の打ち合いは46角のほうが働きが良いのですが、25歩を突いているために、25桂からの打開が利かないのでどうしたものか。55銀63銀も手が無いですし、24歩同銀同角同歩72銀~83銀成という筋はあっても、24歩は同歩と取られて少し困るか。ならば26飛~35歩同歩同角65歩とか。まあ先手が少し無理な感じですから
68金寄52金78金52金右78金・・・を繰り返して千日手でした。
後手の待機作戦で先手が打開できないという将棋が出てきました。何年後かはわかりませんが、それでこの時代の角換わりブームは終わります。26歩で止める工夫により、ブームが復活するのは昭和の終り頃です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/06/24
手合割:平手
先手:松田茂行8段
後手:大山九段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7六歩(77)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 7八金(69)
14 3三銀(22)
15 4八銀(39)
16 6二銀(71)
17 4六歩(47)
18 6四歩(63)
19 3六歩(37)
20 6三銀(62)
21 4七銀(48)
22 7四歩(73)
23 6八玉(59)
24 4二玉(51)
25 1六歩(17)
26 9四歩(93)
27 9六歩(97)
28 1四歩(13)
29 5八金(49)
30 7三桂(81)
31 3七桂(29)
32 5二金(61)
33 5六銀(47)
34 3一玉(42)
35 6六歩(67)
36 6二飛(82)
37 7九玉(68)
38 5四銀(63)
39 4五歩(46)
40 2二玉(31)
41 4六角打
42 6一飛(62)
43 8八玉(79)
44 8四角打
45 6七金(58)
46 4二金(52)
47 6八金(78)
48 5二金(42)
49 7八金(68)
50 4二金(52)
51 6八金(78)
52 5二金(42)
53 7八金(68)
54 4二金(52)
55 6八金(78)
56 5二金(42)
57 7八金(68)
58 千日手
まで57手で千日手