名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20200922

2020-09-22 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

どれが一番得でしょうか。

A 33同と  B 24と  C 24飛

 

第2問

 

駒損は消えたのでゆっくりで良いです。

A 84桂  B 49香  C 48金

 

第3問

 

中段玉で粘られています。でもうまい手順がありました。

A 66銀  B 73成桂  C 83竜

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大山将棋研究(1731);相居飛車力戦(木村義雄)

2020-09-22 | 大山将棋研究

今日の棋譜20200922

昭和27年6月、木村義雄先生と第11期名人戦第3局です。

大山先生の先手で矢倉です。

26歩に32金というのは、3手で四手角をねらう作戦ですが、これがうまくいかないというのは何局か見ました。25歩33角79角とされて、42角~33銀が間に合いません。

ということで大山先生が2筋の歩を切ることになり

木村先生は右銀を44へ。銀を中央に並べる戦型になりそうです。

5筋の歩を交換しようとしたら、大山先生も66銀左で

大山先生のほうが銀2枚を並べました。8筋の歩の交換は角で受けます。

木村先生は5筋の位取りを避けて54歩、どこかで55銀とぶつける筋もありそうです。

金を63に上がるのは後手玉が薄くなるのですが、中央の厚みがある方が良さそうです。

4筋の位は取られたくはないですが、22角の利きが通りました。

右桂を使い

6筋を盛り上がります。

左銀を53に上がると、さらに後手玉が薄くなるのですが、中央の厚みを主張しています。

その厚みを生かすために銀をぶつけました。

55同銀同角に大山先生は47銀、46角同銀のほうが攻めやすいということでしょう。

木村先生は22角と引いて中住まいへ。玉は薄いけれど後手は銀を手持ちにしているという主張があります。このあたりのやり取りは選択肢が多く、どれが正解かはわかりにくいところですが、多分この玉移動は左翼が薄いので正解でしょう。

少し駒組の後、大山先生が動きました。35歩から

35同歩に44歩。木村先生はは角筋が止まるけれど44同歩が正しい気がします。

44同銀でしたが45銀、ぶつけられて激しくなりました。45同銀はつぶされそう、55銀と出るものかと思いましたが

62玉も悪くはなさそうです。銀をすり込まれてどうするか。近年のゴキゲン中飛車の手筋でいえば、24歩同飛33銀あるいは33銀打です。強気ならば36歩同飛35銀打ちですが、いっぺんに終わってしまうかも。

24銀はおとなしい受けで、33歩をどれで取るか。33同銀右同銀成同銀が自然だと思うのですが

33同金同銀成同角とは指しにくい手を選びましたね。

金を打たれるのが見えています。

55銀打57角42角、これならば43金や44金や35金が怖くないです。後手が有利になったか。

大山先生は15歩同歩79玉、動くと悪そうなので手を渡しました。

64角に47金と離れるのがつらく、後手有利でしょう。木村先生はいろいろ良さそうな手が見えますが

31飛も気持ちよさそうです。43金ならば46歩を打てます。36歩の突き出しも厳しそう。大山先生は金取りに構わず24歩ですが

と金は出来ても追いつかないでしょう。36歩が嫌で、同金56銀では自信なし(36同飛同飛同金は59飛が痛い)。

25歩同桂14銀というのも味が良く見えます。

でも33桂成同桂同と は計算外だったか。筋は33同と ではなくて24とですが、25歩34と26歩44と49飛と進むよりも、25歩34と26歩44と ならば桂を取り返されています。

それでも25歩はあったのですが、33同飛22飛成とされてみると悩ましいです。こんなことならば33同銀21飛成を選んでおくものかも。駒得が大きければ良いのですが、まだ金得とはいえ、後手玉は飛に弱すぎました。

32金11竜23飛というのは飛をさばこうというわけですが、32金が無駄です。先の変化で25歩から飛の取り合いならば49飛が王手金取りでしたからずいぶん損をしています。

飛は成り込みましたが、香2枚と金の交換で駒損です。

92竜72桂に大山先生の49香というのが手堅いです。

守っておいて、合駒に打たせた72桂を取りに行けばよいだけです。

木村先生は53玉から65桂でまだまだと言いたいのですが

73成桂で32金は取られましたし

角を取ったら65桂を打たれて、もう粘れないでしょう。

64玉73桂成に47竜(金を取った)、これは入玉をみた粘りです。まだまだやりますね。

大山先生は63金を取って65角

47竜を取って、一度玉を逃げておきます。次は49香が厳しく

56桂には59香

37角に56香同銀同角で投了でした。取れば詰まされますし、入玉も困難です。

 

大山先生の攻めがまずく(攻めはうまくない)、木村先生がずいぶんよく見えたのですが、連続緩手ということになるのでしょう、飛を成り込まれた後は逆転するすべがありませんでした。

勝ったと思う将棋を負けると堪えるのですよね。この時47歳、明治生まれの棋士の引退が早かったことを考えれば、そろそろ潮時だと思い始めたかもしれません。王将戦で升田先生に指し込まれた後ですし。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/06/16
手合割:平手  
先手:大山九段
後手:木村義雄名人
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 7八銀(79)  
   4 3四歩(33)  
   5 7七銀(78)  
   6 5四歩(53)  
   7 5六歩(57)  
   8 6二銀(71)  
   9 2六歩(27)  
  10 3二金(41)  
  11 2五歩(26)  
  12 4二銀(31)  
  13 2四歩(25)  
  14 同 歩(23)  
  15 同 飛(28)  
  16 5三銀(62)  
  17 2八飛(24)  
  18 2三歩打    
  19 4八銀(39)  
  20 4四銀(53)  
  21 5七銀(48)  
  22 5五歩(54)  
  23 6六銀(77)  
  24 5六歩(55)  
  25 同 銀(57)  
  26 8五歩(84)  
  27 7七角(88)  
  28 4一玉(51)  
  29 4六歩(47)  
  30 5四歩打    
  31 7八金(69)  
  32 5二金(61)  
  33 6九玉(59)  
  34 6四歩(63)  
  35 5八金(49)  
  36 6三金(52)  
  37 4五歩(46)  
  38 5三銀(44)  
  39 3六歩(37)  
  40 7四歩(73)  
  41 6八角(77)  
  42 7三桂(81)  
  43 3七桂(29)  
  44 6五歩(64)  
  45 7七銀(66)  
  46 6四銀(53)  
  47 4六角(68)  
  48 5三銀(42)  
  49 2六飛(28)  
  50 5五銀(64)  
  51 同 銀(56)  
  52 同 角(22)  
  53 4七銀打    
  54 2二角(55)  
  55 1六歩(17)  
  56 1四歩(13)  
  57 9六歩(97)  
  58 9四歩(93)  
  59 1八香(19)  
  60 5二玉(41)  
  61 5六銀(47)  
  62 8一飛(82)  
  63 3五歩(36)  
  64 同 歩(34)  
  65 4四歩(45)  
  66 同 銀(53)  
  67 4五銀(56)  
  68 6二玉(52)  
  69 3四銀(45)  
  70 2四銀打    
  71 3三歩打    
  72 同 金(32)  
  73 同 銀成(34)
  74 同 角(22)  
  75 2五歩打    
  76 1三銀(24)  
  77 3四金打    
  78 5五銀打    
  79 5七角(46)  
  80 4二角(33)  
  81 1五歩(16)  
  82 同 歩(14)  
  83 7九玉(69)  
  84 6四角(42)  
  85 4七金(58)  
  86 3一飛(81)  
  87 2四歩(25)  
  88 3四飛(31)  
  89 2三歩成(24)
  90 2五歩打    
  91 同 桂(37)  
  92 1四銀(13)  
  93 3三桂成(25)
  94 同 桂(21)  
  95 同 と(23)  
  96 同 飛(34)  
  97 2二飛成(26)
  98 3二金打    
  99 1一龍(22)  
 100 2三飛(33)  
 101 9一龍(11)  
 102 2七飛成(23)
 103 9二龍(91)  
 104 7二桂打    
 105 4九香打    
 106 6六歩(65)  
 107 8四桂打    
 108 5三玉(62)  
 109 7二桂成(84)
 110 6五桂(73)  
 111 7三成桂(72)
 112 同 角(64)  
 113 3二龍(92)  
 114 5七桂成(65)
 115 6五桂打    
 116 6四玉(53)  
 117 7三桂成(65)
 118 4七龍(27)  
 119 6三成桂(73)
 120 6五玉(64)  
 121 6六歩(67)  
 122 5六玉(65)  
 123 6五角打    
 124 4六玉(56)  
 125 4七香(49)  
 126 同 成桂(57)
 127 8八玉(79)  
 128 5六桂打    
 129 5九香打    
 130 3七角打    
 131 5六香(59)  
 132 同 銀(55)  
 133 同 角(65)  
 134 投了        
まで133手で先手の勝ち

 

 

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