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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋研究(18)

2015-12-29 | 大山将棋研究
昭和56年2月、米長先生と第30期王将戦第3局です。

大山先生の四間飛車に中央位取り。74歩が早いのは玉頭位取りを拒否したのでしょう。

66歩と突くなら56に出るのは左銀でも右銀でも同じです。73桂で65歩交換を拒否しました。でも狙うのですが。

左桂を跳ねれば桂馬も交換することに。

大山先生も単純には交換させず、銀を繰り出します。こう指せば激戦になりそうです。

桂馬を捨てるのがなるほどの手筋。形を乱します。不成なのはすぐに王手になるからです。

後手は飛車も使います。

一回銀を埋めて守ります。

桂馬の打ちあい。

駒をはがします。

途中で一手守りの手。後で思えば、金を打ったほうがよかったでしょう。はがし合いですから。

またはがし合い。

飛車を抑えましたが、金を一枚捨てて

これで金銀2枚で角を手に入れた計算です。後手の65歩の位が生きました。

王手飛車がかかりました。

先手玉を追い返してから

飛車を取ります。米長先生には山のように持ち駒があっても、裸の王様では粘れません。

これで終わり。


激しい戦いでした。ちょっとした事のようですが、68金と守ったところが薄かったのではないかと思います。打たないといけないでしょう。
この将棋は厚みの争いに分類されます。手駒よりも盤上の駒のほうが価値が高いのです。だからはがし合いますし、合間には駒を埋めます。面白い将棋でした。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.22 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:米長九段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二銀(71)
13 5六歩(57)
14 7一玉(62)
15 6八銀(79)
16 7四歩(73)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 5五歩(56)
20 5二金(41)
21 5七銀(68)
22 4三銀(32)
23 5六銀(57)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 7三桂(81)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 6五歩(66)
30 6三金(52)
31 7七桂(89)
32 6五桂(73)
33 同 桂(77)
34 5四歩(53)
35 同 歩(55)
36 同 銀(43)
37 5七銀(48)
38 5五歩打
39 5三桂(65)
40 同 金(63)
41 5五銀(56)
42 同 銀(54)
43 同 角(88)
44 5二飛(42)
45 8八角(55)
46 6五歩(64)
47 6七金(58)
48 6四銀打
49 5六桂打
50 5五桂打
51 6八金(67)
52 4七桂成(55)
53 5四歩打
54 同 金(53)
55 4三銀打
56 5七成桂(47)
57 同 金(68)
58 5三飛(52)
59 5四銀成(43)
60 同 飛(53)
61 6八金(69)
62 6六銀打
63 6四桂(56)
64 5七銀成(66)
65 5五銀打
66 6七金打
67 同 金(68)
68 同 成銀(57)
69 同 玉(78)
70 6六銀打
71 同 角(88)
72 同 歩(65)
73 同 玉(67)
74 3九角打
75 4八歩打
76 5五飛(54)
77 同 玉(66)
78 5四歩打
79 同 玉(55)
80 5三歩打
81 同 玉(54)
82 4二金打
83 5四玉(53)
84 6三銀打
85 6五玉(54)
86 6四銀(63)
87 同 玉(65)
88 2八角成(39)
89 6五桂打
90 6三飛打
91 7四玉(64)
92 2九馬(28)
93 6四歩打
94 7三飛(63)
95 投了
まで94手で後手の勝ち