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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(58)

2025-03-14 | 基本定跡の研究

初手から76歩34歩26歩54歩48銀

先手は25歩を保留することもできます。後手は居飛車にはしにくい (角交換されて54歩を突いている形が不自由な) ので、予定通りに55歩68玉52飛78玉62玉68銀72玉46歩82玉47銀72銀

25歩と58金右を保留して含みが多いのですが、77銀~66銀という変化も考えています。ここで58金右は普通の手で、後手が66銀の筋に対応するならば64歩ですが、25歩33角36銀

ねらいは45銀ですね。44歩45歩の展開は、すでに評価値は+300を超えています。32金45銀35歩

かわすのが普通の受けでしょう。34銀44角45歩のところで分岐しますが

22角には (23銀不成同角24歩はひねりすぎなので) 24歩同歩同飛56歩

これには22角成同銀41角

先手は強く攻め込みます。42飛32角成同飛43銀成62飛53金

この図の評価値は+1262 、所司先生は控えめに後手不利としています。

戻って

71角のほうは56歩54飛と進んで

銀取りは受かりません。ここで55角34飛11角成33桂は解説の通り後手良しです。24歩 (24同歩は同飛23歩55歩24歩54歩で先手有利なので) 34飛23歩成42金47金

銀歩の交換で と金を作りました。(24と32飛を入れて47金以下の解説もあって、難解とされていますが先手有利です。) 先手の駒損かどうかは場合によります。ここでは22歩から駒を取り返す手があるので先手の駒得とみるべきなようで、53金22歩同銀同と27歩

後手の勝負手です。先手は堂々と応じるのが良く、27同飛38銀23飛成33飛

ここはどれでも良さそうですが、48金23飛同と28飛55角29飛成11角成

一応は互角にさばき合った図ですが、評価値は+716の先手有利です。先手の攻め駒はすぐに4枚になるのですが、後手は38銀を使うのにも苦労します。

この戦法に名前がないのですが、相掛りならば「鎖鎌銀」です。腰掛け銀、早繰り銀、のシリーズですが、あまり使われていません。鎖鎌銀と呼びましょう。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(57)

2025-03-13 | 基本定跡の研究

急戦が思わしくなければ先手は持久戦のほうを考えるのですが、ならば右銀を動かす前に66歩

角筋を止めて囲うのもあるでしょう。72玉67金53銀77角82玉88玉74歩78銀92香

先手は穴熊にするほうが主流だと思いますが、7筋に備えて左美濃が紹介されています。最初のころはこっちだったのでしょう。後手は穴熊に。36歩91玉37銀82銀46銀54銀

後手は44銀とする「銀対抗」もあるのですが、評価値は54銀のほうが優ります。(今の「超速」で、銀対抗から穴熊にするのが理にかなっているということでしょうか。)

38飛71金35歩同歩同飛

35同銀だと後手に45銀~56歩とさばく筋ができて難しくなります。所司先生の解説 (実戦例か) では64歩37桂44歩16歩38歩65歩

後手が38歩を打って攻めを催促したところ、先手は65歩を突いて決戦です。AIに聞くと、後手としては65同歩64歩39歩成55銀同銀63歩成66歩・・・のほうがましですが、先手良しです。65同銀が本筋とされていて、34歩22角24歩同歩55銀75歩

これで後手ペースとされているのですが、評価値は+414の先手有利です。23歩76歩86角31角33歩成

と金が大きいです。

戻って

後手の最善は64歩37桂の時に、44歩ではなくて44角

34飛33歩36飛

角筋を止めないほうが優ります。この図の評価値は+44の互角です。

先手の代案をAIに聞くと、

ここから86角71金37桂44歩

角は86で使い、16歩~35歩同歩26飛~35銀を考えます。96歩51飛95歩52金16歩41飛

45歩をねらわれたら56歩同歩同金

この図の評価値は+173、先手ペースです。でも決定版という感じでもないので、やはり先手も穴熊にするのでしょう。それはもう少し後で検討することにします。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(56)

2025-03-12 | 基本定跡の研究

後手は82玉と囲いを優先したのが危なかったので、65銀と出て

けん制しておくのが良いでしょう。77銀82玉96歩94歩37桂72金

美濃囲いだと52飛が動いたときに5筋が薄くなるので、金美濃を考慮しておくのが良いようです。この図の評価値は0付近の互角です。先手は攻めの形を作りにくいし、玉を固めるのも難しいです。作戦負けになるでしょう。

ならば66歩と

先に65銀を防いでおくのも一法なのですが、駒組を進めて (手順省略)

64の歩をねらったときに、後手としては63銀上のほうが飛を使いやすいので正着です。37桂52金左77桂15角27飛32飛

3筋をねらうのは、位取り中飛車としては常套手段です。16歩51角26飛35歩同歩同飛36歩34飛

所司先生は後手十分としていて、この図の評価値は-55です。あとで45歩として、同桂には44歩、同歩には62角29飛46歩同銀36飛というねらいがあります。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(55)

2025-03-11 | 基本定跡の研究

次の戦法は

46歩53銀47銀54銀

これはおとなしい形なので、先手にはたいした攻め筋がないと思ったら、82玉に24歩同歩56歩

いきなり攻めるとは思いませんでした。56同歩は33角成同桂24飛

この図の評価値は+345、先手有利です。

戻って

32金には55歩同銀37桂

44歩ならば25歩があって

25同歩同飛が十字飛車の銀桂取りですね。24歩22歩の形になれば十分でしょう。

ということで

72銀が本手とされていて、45桂44角24飛23歩

ここは強く34飛33歩53歩

42飛44飛同銀22歩同金31角

と攻め込みます。32飛に52歩成が利いて

31飛には42と です。後手は と金のほうを取るのですが、52同飛でも (52同金でも) 86角成

とするほうが分かりやすいです。この図の評価値は+605の先手有利。44角同歩53桂成の筋もあるので受けにくいです。

解説では

52同飛に54歩を採用しているのですが、32金53歩成の時に51飛

これが抜けていまして、評価値は0付近の互角です。42角成同金同と54飛43と45銀同歩49飛・・・

後手には対策が必要です。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(54)

2025-03-10 | 基本定跡の研究

「東大将棋中飛車道場 ゴキゲン中飛車本格急戦」では、これまでで旧型46銀の解説は終わりなのですが、後手が44銀と受ける

「銀対抗」の形が抜けています。46銀62銀77銀53銀上66銀54銀

後手が全力で受ければ先手は攻めにくいです。(早くに37桂とはねても42角とかわしておけば何もないですし、左銀を繰り出さないで袖飛車も評価値は上がりません。)

96歩94歩38飛64歩35歩

先手は袖飛車から攻めるのが最善のようですが、35同歩同銀同銀同飛44角34飛

後手は他の指し方もありますが、65歩77銀32飛同飛成同金

この図の評価値は+121、先手が悪いわけではありませんが、攻略したとは言えません。

途中の図で

先手は58金右が不急の手だということになって、今流行している「超速46銀戦法」に移るのでしょう。所司先生の本には別の戦法も書いてあるので、「超速」はもう少し先に検討します。

ここまで書き終えてから気が付きましたが

53銀には37桂があるようです。44銀ならば46歩82玉77銀72銀66銀

左銀を繰り出して駒組を進めます。後手が54銀型を作ろうとする直前に

45歩同銀55銀とすれば1歩取れます。この図の評価値は+240の先手良しというか作戦勝ちというか。

37桂には64銀が先手良しのようだけど、進めてみると終盤が難しくて・・・と調べ始めたのですが、最初の後手の駒組手順が間違っていることに (またしても) 気が付きました。

後手は53銀とする前に62銀とするのです。

これならば37桂には44歩で、先手失敗とは言えませんが、攻め筋は難しいです。37銀53銀左46銀44銀

これが正しい「銀対抗」の手順なのでした。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(53)

2025-03-09 | 基本定跡の研究

後手の工夫として、形を決めずに82玉

美濃囲いを優先するというのは考えられます。37銀に56歩

囲い優先というばかりでなく、軽くさばこうというのもねらいのようです。所司先生の解説では、66歩と止めて57歩成同銀44歩67金43銀46銀右72銀56銀64歩55歩

先手は中央の位を取り返す指し方です。でもAIの評価値は低く

ここまで進めて後手不満とされていますが、この図の評価値は+121、先手としては面白くはないでしょう。手得なのですが、それを生かした攻め方が見えません。6筋の歩を交換して持久戦でも悪くはないのですが。

AIに聞くと、

ここは所司先生は先手不利としているのですが、56同歩が正着です。56同飛に24歩 (後手から88角成は同玉24歩23角で先手有利なので) 同歩77銀

この図の評価値は+231、先手良しの範囲です。進行例としては、72銀66銀51飛35歩同歩34歩

22角24飛32金46銀

この図の評価値は+276と上がっていきます。

なので後手は56歩ではなく44歩

ちょっとゆっくり指すのもあります。昨日見たように35歩から攻めても先手が悪くはないのですが、AIに聞くと、77銀56歩同歩同飛66銀

左銀を繰り出す方がより良いようです。後手は5筋の歩を交換しないと、55歩をただ取りされるところでした。51飛35歩43銀34歩同銀55銀

先手は左銀を繰り出して攻めることができます。この図の評価値は+280の先手良し。43銀に34歩が利きます。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(52)

2025-03-08 | 基本定跡の研究

44歩型の続きで、先手の工夫です。

これまで見たように、単に46銀と出ると45歩同銀42角が難しいので、先に35歩と突き捨てます。45歩36銀35歩同銀54飛という手順でも合流しますが、35同歩46銀

45歩35銀54飛

これが後手の自慢の受けなのですが、24歩同歩46歩同歩48飛

先手は知らないと見えにくいですが、こんな攻め方をします。52金左46飛34歩44歩同銀

34銀35銀が飛銀両取りで後手有利、という所司先生の解説ですが、43銀不成46銀54銀成は互角です。それよりもAIに聞くと、44同銀同飛同飛同角41飛

この図の評価値は+392の先手有利です。横からの攻めには先手玉のほうが堅く、角が使いやすいです。43歩からの と金作りも有効でしょう。

戻って

ここは36歩の突き出しが有力な変化です。先手は26飛ではちょっと危険なので 、38飛45歩同銀56歩

33角成同桂56銀54銀

55歩の銀取りがあるのですが、すでにこの図の評価値は+814、はっきり先手有利なので、いろいろな指し方があります。解説の46歩55銀36飛・・・でもよいですし、単純に36飛55歩同銀同銀33飛成

これでも先手の駒得で有利です。64銀88角28角38竜19角成11角成

後手は歩切れが痛く、34歩からの と金作りが受かりません。攻め筋もとぼしいのです。評価値は+917、先手優勢になるだけです。

結局のところ、従来の定跡とは違う筋で先手有利になるのでした。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(51)

2025-03-07 | 基本定跡の研究

昨日の途中図です。

32金が本手とされていますが、56歩33桂55歩45桂同歩で先手良しになりました。他の手を考えてみましょう。すぐに33桂は24歩同歩同飛と応じて

この図の評価値は+347の先手有利です。解説の51飛34銀以下はひどすぎる (先手優勢) ので45桂が最善ですが、21飛成32銀25竜

瞬間は銀損ですが、桂を取り返して44桂があります。もちろん先手有利。

戻って

82玉も解説があり、56歩33桂に55歩とされていますが、ここでも24歩同歩同飛が正しいようです。

45桂21飛成32銀11竜

少し指し手が変わりますが、この図の評価値は+236の先手良しです。

後手の最善手をAIに聞くと、

51飛56歩33桂

今度は41金にひもが付いているので24歩同歩同飛では甘いです。55歩45桂同歩33角57銀

この図の評価値は+51の互角です。とりあえずは銀と桂歩の交換で、55角や55飛は無理です。先手は46銀~56桂と指すようですが、これからの将棋です。

先手番の対振り飛車としては面白くない結果なので、何か工夫が必要です。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(50)

2025-03-06 | 基本定跡の研究

後手の工夫で、53銀の代わりに44歩を突きます。

37銀43銀46銀45歩

先手は銀をひく手もあるのでしょうけど、45同銀42角46歩

後手としては1歩損したけれど33桂~45桂がねらいです。32金56歩33桂55歩45桂

所司先生の解説では47金が本手ですが、AIに聞くと、後手は64角ではなくて33角とするのが良い手です。

意味は56金47銀45金36銀不成

後手の角が64ならば、先手は44桂を打てる (と解説がある) ところですが。この図の評価値は-225の先手良しです。

ということで

56金ではだめなので58飛と受けるのですが、57桂成同飛38銀56金29銀成

この図の評価値は-45の互角です。29成銀を攻めに使われることはないですが、駒損になります。

もっと戻って

45同歩のほうが本手なのです。後手の64角に、解説の44桂ではなくて44歩同銀56桂

これは55角44桂88角成 (単に28角成よりも得) 同玉55角66角28角成52桂成同金53歩と進み

駒の損得はほぼなくなっています。後手の攻め駒のほうが多いのですが、後手玉が薄いので、この図の評価値は+195の先手良しです。後手が金取りをどう応じるかを見てから飛を打ち込みます。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(49)

2025-03-05 | 基本定跡の研究

後手は65銀に代えて82玉

玉を囲って待つのが次善手です。先手は仕掛けのチャンスで、24歩 (同角は56歩なので) 同歩35歩同歩同銀

すぐに動きます。32飛24銀44角33歩

22飛23銀不成 (銀成よりも優る) 27歩同飛26歩

この時に26同飛が好手で、同角22銀不成

解説は44角ですが、24飛などと飛を打たれた場合は、21銀不成同飛32歩成同金34飛

両取りで返して評価値は+401の先手有利です。

戻って

44角には23飛39飛21銀不成

銀は不成で使い続けます。65銀32銀不成76銀59金寄

少し怖いところですが何もないようです。32金ならば、ひねらずに同歩成同飛成24飛成として先手有利です。

52金左77歩65銀41銀不成62金寄32歩成

駒得なので安全に指して、この図の評価値は+447の先手有利です。

結局この形は先手が指しやすいようです。