13日、NHKは中期経営計画(案)を発表した。NHKはこの計画の策定に当たって広く意見を募集した。募集期間は20年8月5日から9月3日までの1か月弱。集まった意見は1819件で、うち個人(一般の視聴者)からの意見は1774件に達した(個人以外は民放など放送事業者が大半)。
NHKは寄せられた意見を類似するいくつかのグループに分けて開示すると同時に、その意見に対するNHKの考えも併記した。「N国」党が主張しているスクランブル化の意見も載せたから、一見公平に意見を扱ったかのように見える。が、NHKにとっては最も厳しかったであろう、私の意見はまったく無視された。
後で全文を掲載するが、私の意見(提案)は、意見募集の翌日、20年8月6日に意見募集のフォームからメール送信している。私の意見は「N国」党、立花氏の主張とは違うが、NHKが提訴した訴訟で、立花氏側が私の主張を裁判で弁論に使えば、間違いなくNHKは敗訴する。
●NHKの抜本的改革にはほど遠い、ごまかしだらけの中期経営計画
とりあえず、NHKの中期3年計画の概要は報道によれば、こういう内容のようだ。
「NHKは13日、2021~23年度の中期経営計画を発表し、受信料を23年度に値下げすることを明らかにした。原資は支出削減や新放送センター建設計画の抜本的見直しなどで捻出し、事業規模の約1割に当たる700億円を確保する。
またコスト削減のため、放送波の整理も行う。BS1、BSプレミアムのうち1波を削減。ラジオについても2波あるAMを1波に整理する。
この日同局で行われた定例会見で、前田晃伸会長は『NHKを本気でかえるという強い覚悟を示した』と経営計画についてアピールした」
視聴料については23年度から「雀の涙」ほど下げるようだが、計画で何度も強調された「新しいNHKらしさ」については具体的なことは何も触れられていない。民放以上にエンターテイメント路線に傾斜してきたNHKの放送内容をどう見直すのか、さっぱりわからない。前田会長は「本気で」NHKをどう変えるつもりなのか?
NHKの悲願は「公平を期すため」受信料の義務化を国会で認めさせることにあり、そのため「権力を監視する」という重要なジャーナリストの使命を投げ捨て、ひたすら権力におもねって、極力、政治問題を避けてエンターテイメント路線を突っ走ってきたのだが、その涙ぐましい「努力」も報われず、受信料の義務化はいまだに実現できていない。
言うまでもないことだが、NHKの放送を受信出来る装置を設置したものはNHKと受信契約を結ぶ義務がある(放送法64条)。が、受信料の支払い義務については法律が定めておらず、NHKの内部規定があるだけ。受信契約は私も立花氏も法律に従って結んでいるが、受信料は私は支払っていない。立花氏も同様のようだ。ただ、支払い拒否の論理は、私と立花氏とは大いに違う。NHKに「スクランブル放送化」(例えばスカパーやWOWOWのように視聴料を払わなければ視聴できないようにすること)を要求している立花氏と違って、私は受信料の義務化を認めたうえで憲法違反の行為に加担するわけにはいかないという立場だ。
実際、私のところにはほぼ毎月「受信料払い込みのお願い」文書が送付され、不思議なことにその都度払い込み用紙に記載されている金額が異なる。で、時々NHKの「ふれあいセンター」(受信料部門)に電話して責任者に代わってもらい、「受信料支払い拒否」の論理を展開すると「わかりました。勉強になりました。ありがとうございました」と、お礼まで言われる。「私を提訴してくれないか」と挑発しても「提訴は致しません」と、つれない。
集金人の中には「提訴されたら」と私を挑発する人もいるが(最近は集金人も来ない)、私は受信料を支払っていないので被害者ではないから、私の方から訴訟費用を払ってまで裁判を起こすつもりはない。
ただ私はNHKが公共放送かどうかは別にして、公共放送には国民である以上、受信料は支払うべきだと考えている。ただ、いちおう百歩どころか千歩譲ってもNHKが公共的放送局とは考えにくいということだけでなく、NHKの内規である受信料制度が憲法14条が定める「法の下での平等」に違反しているから、私が受信料を支払えば、私自身が憲法違反行為に加担することになるため、支払いたくても支払うわけにはいかないという論理である。
ただし、選挙権や納税義務、電車やバスなどの公共交通の乗車料が、個人単位でなく世帯単位になり、憲法14条の「平等の原則」が世帯単位を基準とするように憲法解釈が変更されれば、私はNHKに受信料を支払うつもりだ。
●憲法違反のNHK受信料制度――支払うべきか、支払わざるべきか
ここまで書けば、NHKが私の意見書を無視せざるをえなかった理由が読者の皆さんにも、おおよそ見当がつくと思う。念のために、私が「NHKに対する提案書」を提出したのは、NHKが意見募集を始めた翌日である。意見書が殺到して目を通せなかった意見書も中にはあったかも、などという言い訳は通用しない。ここまでコケにされても、NHKは私を提訴できないか。
なお、この私の「NHKに対する提案」は、13日の昼間、朝日新聞の「お客様オフィス」にFAXし社会部に渡すよう依頼した。また今日14日には首相官邸を通じて総務省に伝えるようメールする。
では、私が昨年8月6日、広島に原爆が投下された日にNHKにメールした「NHKに対する提案書」の全文を公開する。
① 経営委員会についてー―経営委員会はNHKの最高意思決定機関であり、公正で公平な意思決定ができるように、公選制にすべきである。現在のように政府によって経営委員が任命される制度では公共放送としての、権力との適正な距離を保つことができなくなる。現に、かんぽ生保の不正販売についての番組に経営委員会が不当に関与し、公共放送としての信頼性を著しく損なったこともある。
② 番組編成について――NHKは公共放送であり、民間放送局には放送できないような公共性の高いコンテンツに絞るべきである。かなり前(数十年前)は娯楽が少なく、民間放送局も自前でドラマなどを制作できなかった時代には、NHKが自前でドラマ制作して放送することも合理性があったが、今はそんな必要はない。「民間ができることは民間に」が公共放送の原則であるべきだ。NHK3人娘(馬渕晴子・富士真奈美・小林千登勢)をNHK職員として育成しなければならなかった時代ではない。どうしてもエンターテイメント・コンテンツを外せないというならNHKを半官半民にして、娯楽番組は民間放送局と同様CMで制作費を賄うか、あるいは課金制のコンテンツにすべき。
③ 受信料制度について――かつてはテレビは一家に1台だった時代があり、いまの受信料制度はその時代に適正だった制度をいまだに続けている。いまはNHKの放送を受信できる設備も多様化しており、またテレビ自体も一家に1台から一人1台の時代に移っている。放送法64条はNHKの放送を受信できる「受信設備を設置したものは、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」となっており、この規定によれば「世帯単位の契約」は無効である。現代では一人数台の受信設備を持っている人もいる時代であり、世帯単位の受信契約でなく個人単位の視聴契約にすべきである。また現在の受信料制度は憲法14条の定めによる「法の下での平等」に抵触する可能性も高い。「法の下での平等」が「世帯単位」で行使されているのは事実上NHKの受信料制度だけであり、受信料未払で裁判になった場合、「一人暮らしの単身世帯と5人家族でテレビも5台ある世帯の受信料が同一なのは憲法違反である」と、憲法14条の解釈が争点になったら、おそらくNHKは敗訴する。
そこで放送法64条の一部を「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した世帯に属し、協会の放送を視聴できるものは、協会とその放送の視聴についての契約をしなければならない。ただし、満1歳未満の幼児および著しく聴覚障害がある者で協会が定めた基準に該当する者は、その限りではない。また未成年者については世帯主が代理で契約することを妨げるものではない。協会と視聴契約をしたものは協会に視聴料を支払わなければならない。ただし、未成年者については世帯主が代わって支払うことができる」と改定することを求める。なお、この改訂によって事業所向けの受信料制度は廃止する。視聴の二重契約になるからである。
また、生活保護世帯に属するものや障碍者に対する受信料(新しくは視聴料)免除制度は廃止することも求める。この制度は本来社会福祉に属する性質のもので、国なり各自治体が行うべきことである。彼らが負担すべき視聴料を一般の視聴者に自動的に負担させることは違憲の可能性がある。
【追記】 15日未明、NHK前田会長あてにFAXしましたので、貼り付けます。
NHK 前田晃伸 会長 殿
小林紀興(のりおき)
明日16日午前9時、前田会長は、13日に発表された「NHK中期経営計画(案)」について、『新しいNHKへの改革~皆さんの声に答えます~』という番組のなかでご説明されるようですが、昨年8月5日から9月3日までの1か月弱、視聴者などから改革についての意見を募集されました。私は意見募集開始の翌8月6日に意見フォームから、前々から疑問に思っていたことを3点に絞って意見を申し上げました。
が、今回発表された「中期計画」には私の意見はまったく反映されていませんでした。前田会長はご多忙ですから、寄せられた1819件の意見(うち個人の意見は1774件)のすべてに目を通されることは不可能だったと思いますが、最重要と自負していた私の意見には目を通されなかったように思います。おそらく前田会長が目を通された意見は、前もって前田会長の腰巾着の職員が、「この意見を会長にお見せすると大変なことになる」と、独断で私の意見を排除したものと思います。
あらかじめ申し上げておきますが、私は衛星受信契約をしておりますが、受信料支払いは拒否しております。以前は1~2年くらいのペースで来訪された集金人の方に脅かされたり、すかされたりして、面倒くさく、その都度1~か月分の受信料はお支払いましたが、最近は集金人の方もお見えになりません。
もちろん公平を期すためと思われますが、毎月「受信料支払い」の封書が届いております。何度か、「ふれあいセンター」(受信料担当)に電話し、責任者(スーパーバイザー)の方に、私が受信料を支払わない(支払えない)理由について申し上げ、「ぜひ私を告訴していただきたい」とお願いしてきましたが、中には「大変勉強になりました。ありがとうございます」とお礼まで言われたこともあり、また告訴については「いたしません」と拒絶されました。私を告訴するとNHKの体制が根幹から崩壊しかねないと危惧されたのかもしれません。
13日、新聞報道により、その日「中期経営計画(案)」が発表されることを知り、計画案もある程度わかりましたが、基本的にはBSやラジオ放送の1波化と受信料値下げという、すでに予想されていた範囲を出るものではありませんでした。で、前田会長が発表される前にお知らせしておいた方がいいと思い、「ふれあいセンター」(放送担当)の責任者(スーパーバイザー)に電話をして、NHKの受信料制度は憲法違反の疑いがあることをお伝えしました。
私は毎日ではありませんが、時々ブログを書いています。日本学術会議会員の任命権問題でも、菅総理の「任命権」にお墨付きを与えた内閣法制局の職員に「間違い」を認めさせたこともあり、そのこともブログで書きました。NHK改革への私の意見を無視されたため、経緯も含めて14日未明にブログを書き、また「ふれあいセンター」(番組担当)の責任者(スーパーバイザー)に電話をし、私を告訴するよう申し入れました。
実は私は受信料支払いを拒否していながら、受信料支払いを義務化すべきだと考えている人間です。しかし、受信料支払いを義務化するためには、その前に憲法違反の疑いが濃厚な現行受信料制度を合憲状態に変える必要がある、と考えています。
私が自身料支払いを拒否しているのは、受信料を支払えば憲法違反行為に私が加担することを意味するという信念を持っているからです。
というわけで、私が14日未明にアップしたブログ記事もFAX致しますので、16日の放送では「視聴者から重大な意見が寄せられたため、いったん発表した中期経営計画(案)を見直す必要が生じました」と、白紙撤回を宣言されることを求めます。聡明な前田会長ですから、私のブログ記事に目を通されれば、私の考えをご理解いただけるものと信じています。
2021年1月15日
NHKは寄せられた意見を類似するいくつかのグループに分けて開示すると同時に、その意見に対するNHKの考えも併記した。「N国」党が主張しているスクランブル化の意見も載せたから、一見公平に意見を扱ったかのように見える。が、NHKにとっては最も厳しかったであろう、私の意見はまったく無視された。
後で全文を掲載するが、私の意見(提案)は、意見募集の翌日、20年8月6日に意見募集のフォームからメール送信している。私の意見は「N国」党、立花氏の主張とは違うが、NHKが提訴した訴訟で、立花氏側が私の主張を裁判で弁論に使えば、間違いなくNHKは敗訴する。
●NHKの抜本的改革にはほど遠い、ごまかしだらけの中期経営計画
とりあえず、NHKの中期3年計画の概要は報道によれば、こういう内容のようだ。
「NHKは13日、2021~23年度の中期経営計画を発表し、受信料を23年度に値下げすることを明らかにした。原資は支出削減や新放送センター建設計画の抜本的見直しなどで捻出し、事業規模の約1割に当たる700億円を確保する。
またコスト削減のため、放送波の整理も行う。BS1、BSプレミアムのうち1波を削減。ラジオについても2波あるAMを1波に整理する。
この日同局で行われた定例会見で、前田晃伸会長は『NHKを本気でかえるという強い覚悟を示した』と経営計画についてアピールした」
視聴料については23年度から「雀の涙」ほど下げるようだが、計画で何度も強調された「新しいNHKらしさ」については具体的なことは何も触れられていない。民放以上にエンターテイメント路線に傾斜してきたNHKの放送内容をどう見直すのか、さっぱりわからない。前田会長は「本気で」NHKをどう変えるつもりなのか?
NHKの悲願は「公平を期すため」受信料の義務化を国会で認めさせることにあり、そのため「権力を監視する」という重要なジャーナリストの使命を投げ捨て、ひたすら権力におもねって、極力、政治問題を避けてエンターテイメント路線を突っ走ってきたのだが、その涙ぐましい「努力」も報われず、受信料の義務化はいまだに実現できていない。
言うまでもないことだが、NHKの放送を受信出来る装置を設置したものはNHKと受信契約を結ぶ義務がある(放送法64条)。が、受信料の支払い義務については法律が定めておらず、NHKの内部規定があるだけ。受信契約は私も立花氏も法律に従って結んでいるが、受信料は私は支払っていない。立花氏も同様のようだ。ただ、支払い拒否の論理は、私と立花氏とは大いに違う。NHKに「スクランブル放送化」(例えばスカパーやWOWOWのように視聴料を払わなければ視聴できないようにすること)を要求している立花氏と違って、私は受信料の義務化を認めたうえで憲法違反の行為に加担するわけにはいかないという立場だ。
実際、私のところにはほぼ毎月「受信料払い込みのお願い」文書が送付され、不思議なことにその都度払い込み用紙に記載されている金額が異なる。で、時々NHKの「ふれあいセンター」(受信料部門)に電話して責任者に代わってもらい、「受信料支払い拒否」の論理を展開すると「わかりました。勉強になりました。ありがとうございました」と、お礼まで言われる。「私を提訴してくれないか」と挑発しても「提訴は致しません」と、つれない。
集金人の中には「提訴されたら」と私を挑発する人もいるが(最近は集金人も来ない)、私は受信料を支払っていないので被害者ではないから、私の方から訴訟費用を払ってまで裁判を起こすつもりはない。
ただ私はNHKが公共放送かどうかは別にして、公共放送には国民である以上、受信料は支払うべきだと考えている。ただ、いちおう百歩どころか千歩譲ってもNHKが公共的放送局とは考えにくいということだけでなく、NHKの内規である受信料制度が憲法14条が定める「法の下での平等」に違反しているから、私が受信料を支払えば、私自身が憲法違反行為に加担することになるため、支払いたくても支払うわけにはいかないという論理である。
ただし、選挙権や納税義務、電車やバスなどの公共交通の乗車料が、個人単位でなく世帯単位になり、憲法14条の「平等の原則」が世帯単位を基準とするように憲法解釈が変更されれば、私はNHKに受信料を支払うつもりだ。
●憲法違反のNHK受信料制度――支払うべきか、支払わざるべきか
ここまで書けば、NHKが私の意見書を無視せざるをえなかった理由が読者の皆さんにも、おおよそ見当がつくと思う。念のために、私が「NHKに対する提案書」を提出したのは、NHKが意見募集を始めた翌日である。意見書が殺到して目を通せなかった意見書も中にはあったかも、などという言い訳は通用しない。ここまでコケにされても、NHKは私を提訴できないか。
なお、この私の「NHKに対する提案」は、13日の昼間、朝日新聞の「お客様オフィス」にFAXし社会部に渡すよう依頼した。また今日14日には首相官邸を通じて総務省に伝えるようメールする。
では、私が昨年8月6日、広島に原爆が投下された日にNHKにメールした「NHKに対する提案書」の全文を公開する。
① 経営委員会についてー―経営委員会はNHKの最高意思決定機関であり、公正で公平な意思決定ができるように、公選制にすべきである。現在のように政府によって経営委員が任命される制度では公共放送としての、権力との適正な距離を保つことができなくなる。現に、かんぽ生保の不正販売についての番組に経営委員会が不当に関与し、公共放送としての信頼性を著しく損なったこともある。
② 番組編成について――NHKは公共放送であり、民間放送局には放送できないような公共性の高いコンテンツに絞るべきである。かなり前(数十年前)は娯楽が少なく、民間放送局も自前でドラマなどを制作できなかった時代には、NHKが自前でドラマ制作して放送することも合理性があったが、今はそんな必要はない。「民間ができることは民間に」が公共放送の原則であるべきだ。NHK3人娘(馬渕晴子・富士真奈美・小林千登勢)をNHK職員として育成しなければならなかった時代ではない。どうしてもエンターテイメント・コンテンツを外せないというならNHKを半官半民にして、娯楽番組は民間放送局と同様CMで制作費を賄うか、あるいは課金制のコンテンツにすべき。
③ 受信料制度について――かつてはテレビは一家に1台だった時代があり、いまの受信料制度はその時代に適正だった制度をいまだに続けている。いまはNHKの放送を受信できる設備も多様化しており、またテレビ自体も一家に1台から一人1台の時代に移っている。放送法64条はNHKの放送を受信できる「受信設備を設置したものは、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」となっており、この規定によれば「世帯単位の契約」は無効である。現代では一人数台の受信設備を持っている人もいる時代であり、世帯単位の受信契約でなく個人単位の視聴契約にすべきである。また現在の受信料制度は憲法14条の定めによる「法の下での平等」に抵触する可能性も高い。「法の下での平等」が「世帯単位」で行使されているのは事実上NHKの受信料制度だけであり、受信料未払で裁判になった場合、「一人暮らしの単身世帯と5人家族でテレビも5台ある世帯の受信料が同一なのは憲法違反である」と、憲法14条の解釈が争点になったら、おそらくNHKは敗訴する。
そこで放送法64条の一部を「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した世帯に属し、協会の放送を視聴できるものは、協会とその放送の視聴についての契約をしなければならない。ただし、満1歳未満の幼児および著しく聴覚障害がある者で協会が定めた基準に該当する者は、その限りではない。また未成年者については世帯主が代理で契約することを妨げるものではない。協会と視聴契約をしたものは協会に視聴料を支払わなければならない。ただし、未成年者については世帯主が代わって支払うことができる」と改定することを求める。なお、この改訂によって事業所向けの受信料制度は廃止する。視聴の二重契約になるからである。
また、生活保護世帯に属するものや障碍者に対する受信料(新しくは視聴料)免除制度は廃止することも求める。この制度は本来社会福祉に属する性質のもので、国なり各自治体が行うべきことである。彼らが負担すべき視聴料を一般の視聴者に自動的に負担させることは違憲の可能性がある。
【追記】 15日未明、NHK前田会長あてにFAXしましたので、貼り付けます。
NHK 前田晃伸 会長 殿
小林紀興(のりおき)
明日16日午前9時、前田会長は、13日に発表された「NHK中期経営計画(案)」について、『新しいNHKへの改革~皆さんの声に答えます~』という番組のなかでご説明されるようですが、昨年8月5日から9月3日までの1か月弱、視聴者などから改革についての意見を募集されました。私は意見募集開始の翌8月6日に意見フォームから、前々から疑問に思っていたことを3点に絞って意見を申し上げました。
が、今回発表された「中期計画」には私の意見はまったく反映されていませんでした。前田会長はご多忙ですから、寄せられた1819件の意見(うち個人の意見は1774件)のすべてに目を通されることは不可能だったと思いますが、最重要と自負していた私の意見には目を通されなかったように思います。おそらく前田会長が目を通された意見は、前もって前田会長の腰巾着の職員が、「この意見を会長にお見せすると大変なことになる」と、独断で私の意見を排除したものと思います。
あらかじめ申し上げておきますが、私は衛星受信契約をしておりますが、受信料支払いは拒否しております。以前は1~2年くらいのペースで来訪された集金人の方に脅かされたり、すかされたりして、面倒くさく、その都度1~か月分の受信料はお支払いましたが、最近は集金人の方もお見えになりません。
もちろん公平を期すためと思われますが、毎月「受信料支払い」の封書が届いております。何度か、「ふれあいセンター」(受信料担当)に電話し、責任者(スーパーバイザー)の方に、私が受信料を支払わない(支払えない)理由について申し上げ、「ぜひ私を告訴していただきたい」とお願いしてきましたが、中には「大変勉強になりました。ありがとうございます」とお礼まで言われたこともあり、また告訴については「いたしません」と拒絶されました。私を告訴するとNHKの体制が根幹から崩壊しかねないと危惧されたのかもしれません。
13日、新聞報道により、その日「中期経営計画(案)」が発表されることを知り、計画案もある程度わかりましたが、基本的にはBSやラジオ放送の1波化と受信料値下げという、すでに予想されていた範囲を出るものではありませんでした。で、前田会長が発表される前にお知らせしておいた方がいいと思い、「ふれあいセンター」(放送担当)の責任者(スーパーバイザー)に電話をして、NHKの受信料制度は憲法違反の疑いがあることをお伝えしました。
私は毎日ではありませんが、時々ブログを書いています。日本学術会議会員の任命権問題でも、菅総理の「任命権」にお墨付きを与えた内閣法制局の職員に「間違い」を認めさせたこともあり、そのこともブログで書きました。NHK改革への私の意見を無視されたため、経緯も含めて14日未明にブログを書き、また「ふれあいセンター」(番組担当)の責任者(スーパーバイザー)に電話をし、私を告訴するよう申し入れました。
実は私は受信料支払いを拒否していながら、受信料支払いを義務化すべきだと考えている人間です。しかし、受信料支払いを義務化するためには、その前に憲法違反の疑いが濃厚な現行受信料制度を合憲状態に変える必要がある、と考えています。
私が自身料支払いを拒否しているのは、受信料を支払えば憲法違反行為に私が加担することを意味するという信念を持っているからです。
というわけで、私が14日未明にアップしたブログ記事もFAX致しますので、16日の放送では「視聴者から重大な意見が寄せられたため、いったん発表した中期経営計画(案)を見直す必要が生じました」と、白紙撤回を宣言されることを求めます。聡明な前田会長ですから、私のブログ記事に目を通されれば、私の考えをご理解いただけるものと信じています。
2021年1月15日