小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

北朝鮮の「水爆」実験成功は、本当に日本にとっての脅威か?

2016-01-07 08:30:49 | Weblog
 北朝鮮がまた暴挙(?)に出た。「初の水爆実験に成功した」と正式に発表したのだ。しかも唯一の友好国のはずである中国にすら事前通報もしなかったという。中国政府も、北朝鮮の「駄々っ子」を超えたやんちゃぶりに、さすがに怒りを露骨にぶつけた。
 もっとも、北朝鮮が6日に強行したとする「水爆実験」には世界各国から早くも疑問の声が噴出している。例えば韓国の軍関係者によると、今回の爆発規模は6~7キロトンとみられ、水爆実験の規模には達していないと見ているようだ。また日本の航空自衛隊が収集した空中の核浮遊物の分析も、ここ数年の平均的数値を超えておらず、「水爆実験」は確認できていないようだ。ただ、北朝鮮の核浮遊物が日本近海に飛来するのは今日(7日)か明日とみられ、昨日の分析だけで「水爆実験ではなかった」と結論付けるのは無理のようだ。
 今回の北朝鮮の発表が世界に衝撃を与えたのは、この実験がまったく予測できなかったことにある。中国に事前通報しなかったのは、つい最近訪中した北朝鮮のモランボン歌謡団の公演が中止になり中北関係が冷え切っていることを改めて証明したとも言えるが、仮に北朝鮮が水爆実験に成功したという発表が事実だったとしても、国際社会からの猛反発は当然予測できたはずで、世界が北朝鮮の思惑通りに動くとでも思っているとしたら、もう狂気の沙汰としか言いようがない。
 ただ日本政府の反応には「待ってました」と言わんばかりの思惑が感じられる。安倍総理は直ちに「日本にとって重大な脅威だ」とポピュリズムそのものの発言をした。本当にそうか。北朝鮮が日本を仮想敵国視して水爆を開発したかのような印象を日本国民に与えかねないからだ。というより、北朝鮮の脅威をがなり立てることによって、日本の軍事力強化をさらに推し進めようという意図が見え隠れしているようにさえ思える。
 水爆か、あるいは原爆の改良型かはいま少し科学的分析を待つ必要があるが、爆発の規模からして何らかの核実験が行われた可能性は高いとみていいようだ。だが、北朝鮮の核開発の目的は明らかに日本を敵対視してのものではない。「日本にとって重大な脅威」というなら、北朝鮮の核が日本を標的にする可能性より、すでに「日本も標的」と公言しているIS(「イスラム国」)のほうがはるかに「日本にとって重大な脅威」のはずだ。世界中が躍起になってISやその同調者のテロ活動を封じ込めようとしているときに、日本はただ非難声明を出すだけで何らの行動を起こそうともしていない。結局安倍内閣の安保法制は世界の平和に貢献することが目的ではなく、日本だけ戦争に巻き込まれなければいいという手前勝手なナショナリズムの本質が明らかになっただけだ。安保法制を「戦争法案」と位置付けている野党が多いが、実は違う。安保法制の本質は「日本一国平和主義法案」なのだ。そんな国が国連安保理の常任理事国になろうな
どと考えること自体が、おこがましいとは思わないか。
 いずれにせよ北朝鮮の新型核爆弾は日本を標的にしたものではない。日本を標的にするのであれば、韓国や中国以上に反日感情を煽りたてるようなプロパガンダを金政権の総力を挙げて北朝鮮国内で行っていなければ意味がない。
 はっきり言って水爆であるか新型原爆であるかはともかく、北朝鮮にとっての最大の脅威であるアメリカの敵視政策に対抗するというのが核にこだわる最大の理由だ。世界最大の軍事力を誇るアメリカに攻撃されたら、北朝鮮のようなちっぽけな国は、通常兵器ではひとたまりもない。「やられたら、やり返す」ことを核保有によって示す必要性を北朝鮮は心底思っている。
 日本がこの事態に対してなすべきことは、アメリカに対して北朝鮮を「ならず者国家」「テロ支援国家」とあからさまな敵視政策をとってきたことをやめるべきだと忠告することが第一。さらに中国に対しては、「万一北朝鮮がアメリカから理不尽な攻撃を受けた場合、中国が核の傘で北朝鮮を守ってやるからアジアに緊張を深めるしか意味のない核開発などやめろ」と金政権を説得するよう働きかけることが第二。
 とりわけ中国は、アメリカが東南海アジアへの軍事干渉を強めていることに対して、「アジアの平和はアジアが守る」とアメリカ排除の姿勢を公言しているくらいだから、アジア最大の軍事力を誇る中国が身を持って北朝鮮の挑発をストップさせる責任があるはずだ。北朝鮮に対して最大の影響力を持っている中国が、そんなことすらできないようではアジアの平和を中国に任せるわけにはとうていいかない。
 GDP世界3位でもあり、核こそ有していないが世界有数の軍事大国にもなっている日本が、「日本さえ平和であればいい」というポピュリズムにしがみついている間は、世界の目は「アメリカの属国」という位置付けのままである。
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