小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

読売新聞が朝日新聞の誤報記事の検証を始めた。醜い朝日の弁解の欺瞞をどこまで突き崩せるか。

2014-08-29 07:32:12 | Weblog
 面白いことになってきた。とうとうかばい合いの村社会の一角に穴が開き始めた。28日から、読売新聞が朝日新聞の誤報「慰安婦記事」についての連載検証記事を掲載し始めたのだ。
 一方、朝日新聞は読売新聞の動きをキャッチしたのか、あるいは偶然か、やはり28日に初めて追加記事を掲載、醜い弁解を始めた。
 が、両紙の視点は最初からずれている。読売新聞は朝日新聞の誤報記事が国際社会における対日感情悪化の原因を作ったと主張しているのに対して、朝日新聞は朝日新聞の誤報と河野談話は無関係と必死に弁解している。呆れたのは、朝日新聞の姿勢だ。
 確かに河野談話は朝日新聞の誤報だけを根拠に作成されたわけではない。第一、政府が特定のマス・メディアの記事だけを根拠に、国際社会に対して公式な談話を作ったりするわけがない。同様に朝日新聞が称賛した吉田清治(故人)のフィクションである「慰安婦狩り」も、河野談話は採用していない。河野談話が採用したのは、韓国側が提供した16人の「元慰安婦」と称する女性の証言だけである。それが河野談話の性質だ。「木を見て森を語るがごとし」とは、河野談話のためにある格言だ。
 朝日新聞が果たした役割は、でっち上げの吉田証言をオーソライズし、それが韓国や国際社会に伝わり、戦時中の日本軍兵士が性奴隷狩りに血眼になっていたかのような印象を世界中に振りまいたことである。朝日新聞は吉田証言をオーソライズしたことと河野談話は無関係である、と28日の記事でこう主張した。自ら墓穴を掘ってしまったことにすら気づかずに。
「談話作成にかかわった当時の政府関係者は朝日新聞の取材に対し、内閣外政審議室の職員が吉田氏に複数回にわたって接触したことを認めた上で『つじつまが合わない部分があったため、談話には採用しなかった』と明かした」
 一方読売新聞によれば、朝日新聞が吉田証言を取り上げた記事(もちろんすべて肯定的に)は少なくとも16回はあるという。
 朝日新聞によれば河野談話の作成過程で内閣外政審議室の職員が吉田氏に接触したのは複数回だというから、朝日新聞の記者は入れ代わり立ち代わり最低でも16回以上は吉田氏に接触したことになる。
 政府職員は数回の接触で吉田証言は「つじつまが合わない」ことに気付いて談話に反映させなかったが、朝日新聞の記者(一人の単独取材はありえない。こうした取材の場合、必ず複数の記者が録音しながら取材する)は、16回以上取材しながら吉田証言に「つじつまが合わない部分があること」に気付かなかったのだろうか。それも、ちょっと考えにくい。
 週刊誌の記者が吉田の著書を読んで疑問に感じて取材した時点で、吉田は「あれはフィクションだ」と明言している。その週刊誌記事を朝日新聞の記者が読んだという確証はないが、少なくとも週刊誌レベルの取材記者が疑問に感じたことに、天下の朝日新聞の記者が入れ代わり立ち代わり16回以上取材して、だ
れも吉田証言に疑問を感じなかったなどということがありうるだろうか。
 
 今回の問題で明らかになったことは、マス・メディアのなかでも、いったん社内に醸成されてしまった「空気」は、だれにも壊せないということである。おそらく吉田に接触した朝日新聞の記者の多くは吉田証言に疑問を抱いたはずで、だがそのことをだれも社内で言い出せない「空気」が、このケースの場合、おそらく朝日新聞社会部の中で醸成されてしまっていたのであろう。
 特定秘密保護法について、メディアは一斉に反発している。「言論の自由が脅かされる」というのがメディアの言い分だ。
 私も、民主主義を育てるための「武器」として「言論の自由」はあらゆる自由の中で最も尊重されるべきだと思っている。が、肝心のメディアの中で「言論の自由」が封殺されていたとしたら、メディアが振るう「言論の自由」は民主主義を育てるための「武器」ではなく、民主主義を破壊する「武器」になりかねない。実際、戦時中のマス・メディアは軍部の手先になって国民、特に若い人たちをマインド・コントロール下に置いた。メディアは戦時中の報道姿勢から、いったい何を反省したのか。
 朝日新聞が検証すべきは、なぜ誤報の検証が今日まで放置されてきたかである。二度と同じ過ちを繰り返さないためには、社内に相当の激震が走ったとしても、誤報が放置されてきた根っこをあぶりだすことが、読者から信頼されるメディアに回復するための唯一の道であることを知るべきである。「言論の自由」の重さには、それに匹敵する「報道責任」の重さが伴うことを忘れてもらっては困る。
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STAP検証実験、いつまで税金の無駄遣いを続けるのか。理研の解体的出直しとは野依体制の一新だ。

2014-08-28 07:25:59 | Weblog
 なぜいつまでも無駄な研究に税金を使い続けるのか。理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(CDB)でのSTAP細胞検証実験のことである。
 昨日(27日)午後3時半過ぎから研究チームのリーダー、丹羽仁史氏らのプロジェクトチームが4月から実施してきた実験の中間報告を行った。すでに科学誌『ネイチャー』に掲載されたSTAP論文は取り下げられている。それでもSTAP細胞の作製に200回以上成功していると小保方晴子が言い張るのなら、小保方に作らせて、本当にES細胞とは違う新しい万能細胞であることを確認できてから、CDBの総力を挙げて「夢の若返りも不可能ではない」(小保方)STAP細胞再現条件の確定を目指す研究を行うべきではなかったか。
 丹羽氏によると、この検証実験は論文に記載されている通りの方法で22回行ったという。これまでに使った実験費用は予算約1300万円のうち約700万円だという。まだ600万円残っているから、今後マウスの種類や実験に使う臓器、細胞を刺激する方法など条件を変えて来年3月まで実験を続けるという。実験のやり方を変えるなら、それはもはや検証実験ではなく、新しいテーマの研究ということになるのが科学の世界の常識だ。
 また丹羽氏は、カネについての考え方もおかしいのではないか。検証実験チームが何人かは公表されていないが、彼らは1年間雲や霞を食べ、給料を貰わず実験を続けているとでも言うのか。確かに予算は1300万円かもしれないが、それはマウスや実験器具の購入費などのことだろう。民間企業だったら、その研究に人件費も含めてどのくらいの予算を投じる価値があるかを計算したうえで、実験の期間や規模を決める。
 そもそもSTAP問題発覚後に設置された外部識者による理研の改革委員会(委員長=岸輝夫東京大名誉教授)は、6月に公表した提言で、研究不正を誘発したり防げなかったりした背景にCDBの構造的欠陥があったと指摘し、理研に対してCDB解体や人事の一新、理研全体のガバナンス体制の見直しを求めていた。 
 小保方ら論文執筆者全員が論文の撤回に応じた時点で、論文の検証実験をする意味はなくなっている。小保方に自信があるのなら、論文共著者のハーバード大バカンティ教授が「ハーバードに戻っておいで」と言ってくれていたのだから、ハーバード大で世紀の研究成果を実証して見せれば、小保方に対するすべての疑惑は払しょくされていた。小保方はなぜそうしなかったのか。しなかったのではなく、出来なかったのではないか。

 昨日、丹羽チームの中間報告に合わせるかのように、理研の野依良治理事長がCDBの「解体的出直し」のプランを下村文科相に提出した。CDBは現在研究室が約40あり、研究者は約450人いるが、研究室を半減し、ベテラン研究員を中心とした「中核プログラム」とセンター長直属の「センター長戦略プログラム」を廃止するという。が、研究者の雇用は維持する。
 すでに撤回された論文の検証実験に人手を割けるほど研究者が余っているの
なら、雇用を維持する必要はないだろう。第一、改革委が求めていたガバナンス体制の見直しとは、野依理事長体制の一新を意味しているはずだ。CDBのセンター長の竹市雅俊氏は更迭するようだが、トカゲの尻尾切りで事を収めようとするのか。
 野依理事長は2001年、ノーベル化学賞を受賞している。研究者としては、確かに折り紙つきと言えるだろう。
 が、私が小学生のころから、ファンだったプロ野球については「名選手、必ずしも名監督たりえず」と言われていた。最近は、プロ野球界でもトッププレーヤーを監督にするとは限らず、プロ野球界では事実上死語になっている言葉だが、最も合理的な思考が要求されるはずの科学界において、プロ野球界ですら常識のガバナンスが無視されているというのはどういうことか。
 理研の「解体的出直し」とは、CDBの体質に手をこまねいてきた野依体制の一新から始めるべきではないのか。 

 
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ウクライナ危機打開の動きが始まった――アメリカと日本は「蚊帳の外」だが。

2014-08-27 07:46:05 | Weblog
 7月17日にマレーシア航空機が撃墜されて以降、一段と深刻になっていたウクライナ危機打開の動きがようやく始まった。ウクライナのポロシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領が、ベラルーシの首都ミンクスで26日に会談、にこやかに握手を交わした。
 2か月半ぶりの対話を実現させたのは、当事国の首脳の事態打開への強い思いもさることながら、ウクライナ情勢の悪化によって複雑な利害関係が交錯しているEU諸国の足並みの乱れにもあった。ドイツなど主要国はロシアの天然ガスにエネルギー資源の多くを依存しており、フランスはロシアに軍用艦船の売却方針を変えず、対ロ制裁を強行していたのはウクライナと軍事的にも経済的にもほとんど関係のないアメリカと日本だけになった。
 今回のウクライナ危機打開交渉は、2国間の首脳会談だけでなく、EU代表(独メルケル首相と思われるが、正式発表はない)とベラルーシ、カザフスタンの両国大統領も参加しているという。お邪魔虫のアメリカも日本も「蚊帳の外」だ。
 ベラルーシもカザフスタンも、ウクライナと同様、旧ソ連の構成国である。5者会談のお膳立てをしたEUが、金魚の糞のようにオバマ氏の言いなりになっただけの日本はともかく、対ロ制裁の主導権を握ってきたアメリカをあえて外したところにも、ウクライナ問題の複雑さが見て取れる。
 現に昨日のNHKニュースはウクライナの首都キエフでの独立記念式典の盛大さを伝えると同時に、ウクライナ東部の「親ロシア派」の勢力下にある主要都市での「親ロシア派」のパレードの盛大さも伝えた。日本は国内に深刻な民族対立や宗教対立を抱えていないため、そうした問題を抱えている国の政治の難しさが理解しにくい。
 ウクライナ情勢に何の「国益」も関与しない日本が、なぜ日ソ関係の打開の絶好のチャンスまで棒に振ってオバマ大統領の要請(また間違えた。「恫喝」だった)に唯々諾々と従って対ロ制裁に踏み切ったのか、安倍政権は国民にきちんと説明する必要があるだろう。
 また5者会談のタイミングをとらえてロシアのラブロフ外相が記者会見で、危ぶまれていた今秋のプーチン大統領の訪日について、「ウクライナ危機とは関連づけていない」と述べ、訪日が実現するかどうかは日本次第とボールを投げてきた。それに対して菅官房長官が記者会見で「現在、日程を調整中」と答えればいいのに(そう答えておけば、訪日が実現しなかった場合も「日程の調整がつかなかった」と言い訳ができた)、バカなことに「さまざまな要素を総合的に考慮して検討していきたい」と述べた。
 もともとプーチン大統領の訪日は安倍総理のほうから要請して実現の運びになった計画である。北方領土問題やシベリヤや樺太に眠る資源開発など、両国
が協力して解決することができれば、政治的・経済的に日ロの関係は極めて良好になり、日本を取り巻く安全保障環境は著しく改善される。アメリカにとっては、たぶん好ましくないことだろうが…。
 だから菅官房長官の「さまざまな要素を総合的に考慮して」という歯切れの悪い言い方は、はっきり言えば「オバマ大統領の意向をお伺いしないと答えられない」ということだ。そのくらいのことはマス・メディアも理解してほしい。

 その件とは直接関係はないが、自民党の高市政調会長が昨日「戦後70年の節目を迎える2015年に、河野談話に代わる新しい官房長官談話を出す」よう求めた文書を菅官房長官に提出した。すでに政府の「河野談話の作成過程の検証」によって談話は、韓国側が用意した16人の「元慰安婦」の証言のみを根拠とし、韓国側と談話の内容についてもすり合わせを行ったことが明らかになり、またそもそも「従軍慰安婦問題」に火をつけた朝日新聞が誤報だったとして記事を取り消した以上、「河野談話の見直しをしない」という政府方針は根底から覆ったと言わざるを得ない。
 高市氏によれば、新談話については菅氏からは「出す」とも「出さない」とも返答はなかったようだが、早くオバマ大統領にお伺いを立てた方がいいよ。日本政府の方針はオバマ大統領が決めるのだから、高市氏は要請する相手を間違えたようだ。
 
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マクドナルドが窮地に陥った理由――サイゼリヤを見習え。

2014-08-26 06:35:54 | Weblog
 外食産業大手の日本マクドナルドが窮地に陥っている。当り前だ。
 中国上海市の仕入れ先が使用期限切れの鶏肉を使用していた事件が生じ、その対応のまずさから消費者のマクドナルド離れが生じていた矢先に、再び不祥事が生じた。客から金を取りすぎたという事件だ。
 そもそも2度目の不祥事は、使用期限切れの鶏肉を使用していた結果、客離れが生じていた商品を在庫処分のため大幅に値下げしていたことに端を発した。値下げしたにもかかわらず客足が戻ってこなかったため急きょ再値下げした。
 このセールで日本マクドナルドは18日から夏季限定商品の「マックウィング」と「豆腐しんじょナゲット」を通常の半額程度の120円にまで再値下げした。が、それまでの値下げ価格150円で販売する店舗が続出し、全3135店のうち8割以上にあたる2583店で過剰請求が生じたという。本社が一括管理していたレジの修正が間に合わなかったようだ。
 本来、チェーン店での一斉セールは準備を万全に整えてから行うものである。おそらく最初の値下げでは客足が戻らず、このままでは在庫を処分しなければならない状況に追い込まれ、急きょ在庫整理のための再値下げをすることになり、全店舗に周知徹底する時間的余裕がなかったと思われる。
 その結果、日本マクドナルドでは73万4149円の過剰徴収が生じたという。そのことを日本マクドナルドが記者会見で発表したのは20日の午後。東京・千代田区で行われた記者会見には日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長兼CEO は姿を現さず、青木岳彦上席執行委員ら2人が対応に追われた。「レシートを持ってくれば過剰徴収分を返す」という。
 2008年に、類似のケースが、パスタ(スパゲッティ)専門店チェーン最大手のサイゼリヤで生じた。サイゼリヤの場合は、自主検査により中国のメーカーに委託生産していた冷凍ピザ生地の一部から微量のメラミンが検出されたため(1日の摂取許容量の60分の1、健康への影響ない)、直ちに「対象のピザを食べた可能性のある客すべてに代金を返還する」と発表した。レシートがなくても客の申し出があれば原則返還するとした。最終的な返還総額は予想の8000万円を大きく下回る1000万円程度だったという。
 この対応によってサイゼリヤは、かえって客の信頼を高めたようだ。日本マクドナルドは使用期限切れの鶏肉商品については返金に応じていない。しかも取りすぎた金の返金にはレシートが必要だという。客の信頼が戻るわけがない。
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石破幹事長が安保相就任を固辞――総理との安全保障政策が違うという。国民への説明責任を果たせ。

2014-08-25 06:29:35 | Weblog
 とにかく、暑い。今週は首都圏でも多少雨が降るらしいが、厳しい残暑は続くようで、その分湿度は高くなり「不快指数」は増大しそうだ。もっとも現在はテレビなどの気象情報では不快指数は発表していないが…。
 広島などの豪雨被災地で、上から下まで防護服に身を包んで災害救助に当たっている方たちのご苦労を思うと、何もこんな猛暑の時期に大雨を降らさなくてもいいのに、と天を恨みたくなる。
 かく言う私も完全に体調を崩してしまった。3年前には丸1年間、棒に振ってしまったので、今度は無理をしない範囲でブログも書いていこうと思う。

 河村建夫氏…といっても知っている人はきわめて少ないと思う。マス・メディアの政治部の記者でもあまりご存じないのではないか。実はこの人が、内閣改造の舞台裏で大きな存在に浮上しつつある。次期総選挙のキーマンになる可能性すらある。
 石破茂幹事長が改造内閣で新設の「安全保障法制担当大臣」の椅子就任を拒否していることはすでに読者はご存じだろう。石破氏は「安全保障についての考え方が総理とは違う。その点を国会で野党から追及されたら党にも迷惑をかけるし、国益にも反する」と安倍総理の要請を断る理由を明らかにしている。
 だが、メディアの報道では、二人の安全保障についての基本的考え方の相違がよく分からない。石破氏は、国民によく分かるよう説明する必要があるだろう。少なくとも「安倍式安全保障体制」が日本の国益にとってどういう意味を持つのかを国民に説明すべきだろう。
 安倍総理が目指す安全保障とは、アメリカの外交政策に完全に追随することを意味することは、私もこれまでさんざんブログで書いてきた。ウクライナ問題をめぐっても、安倍・日本は政治的中立を保持せず、オバマ大統領の要請(また間違えた。「恫喝」だった)によってロシアへの制裁を発動し、ロシアから決定的なカードを切られてしまった。安倍総理が目指す安全保障外交によって、日本の安全保障環境は従来より、きわめて厳しい状況になった。
 言っておくが、オバマ大統領は韓国の朴大統領に対しては、主権国家のリーダーとしての自主性を尊重して、ロシア制裁を「お願い」もしていない。
 そうした中で石破氏が、安倍総理とどういう距離を置こうとしているのかによっては、今後の政局を左右しかねない事態になる可能性が生じた。
 もともと、前総裁選において党員投票で石破氏は安倍氏に勝っている。総理大臣は衆参両院議員選挙で選出されるわけだから、自民党の総理大臣候補は党の衆参両院議員総会で選出されてもいいが、党のトップである総裁は党員選挙で選出されるのが民主的な組織の在り方だろう。必ずしも総裁が総理大臣候補に自動的にならなければならないというわけでもなかろう。
 大方のメディアの読みとしては、ポスト安倍氏の第1人者として不動の地位
を固めたい石破氏が、党の重職である幹事長の椅子にこだわっているという。
 自民党幹事長のポストの重さは、選挙活動を指揮することにあるとされてい
る。立候補者の公認権を持ち、党財政も管理しているため、公認と資金両面から党内で絶大な権力を持つとされている。だから、前総裁選では党所属議員の支持によって逆転勝利を収めた安倍氏だが、次期総選挙で石破氏が選挙指揮権を振るうと、議員基盤も危うくなると安倍氏は考えているのかもしれない。
 が、実はすでに安倍氏はそのための手も打っていた。その手が前出の河村氏である。
 河村氏は1990年、旧山口1区から初当選し(中選挙区時代)、以降7回連続当選している。2003年には小泉内閣で2か月だけ文科相として初入閣し、08年には麻生内閣で1年間官房長官を務めている。そこそこのキャリアではあるが、影は薄い。政治家としては、知名度も「抜群に」低い。メディアでの露出度がほとんどゼロだからだ。
 その河村氏がなぜキーマンになるのか。実は安倍第2次内閣誕生時に、河村氏は総裁直属の選挙対策委員会の委員長に就任し、党3役(幹事長・総務会長・政調会長)と同格の党4役になっていたのだ。
 この選挙対策委員長という役職は、2007年に発足した福田康夫内閣が初めて新設し、選挙の指揮権を幹事長から移したという経緯がある。が、2年後の総選挙で自民が大敗して下野した責任をとって福田総裁が退任した後、選挙対策委員会はいったん消滅し、選挙指揮は再び幹事長が担うことになった。
 党員選挙で石破氏に負けた安倍氏は、両院議員選挙で逆転して総裁になったものの、党内での支持を集めた石破氏を無視できず、とりあえず党内ナンバー2の幹事長職に就けることにしたが、選挙指揮権を石破幹事長から奪うために党4役としての選挙対策委員長職を再び設けて河村氏を抜擢したというわけだ。
 が、党内での実力が伴わない河村氏を名目上の選挙指揮者にしても、石破氏が幹事長の椅子に座っている限り、河村氏は選挙指揮権を発動できない。安倍氏が石破氏を幹事長から外して安保相就任を要請したのは、そのためだ。
 私には、安倍氏と石破氏の安全保障についての考え方の違いがまだ分からないが、安倍氏が違いに気付かず石破氏に安保相就任を要請したとしたら、総理総裁としてのかなめが問われる。自分がオバマ大統領の言いなりになる人間だから、石破氏もそうだろうと思っていたら、とんだお笑い草だ。
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安倍総理はなぜオバマ発言に不快感を示さないのか?--白人警官による18歳黒人少年射殺事件。

2014-08-20 06:56:44 | Weblog
 安倍総理の靖国参拝。河野談話の作成過程の見直し。――アメリカからさんざん「不快感」を示され、ことごとくアメリカの言いなりになってきた安倍政府。が、アメリカの一大不祥事については「知らん顔」。

 今日はブログを休むつもりでいたが、そうもいかなくなった。
 今月9日、ミズリー州セントルイス近郊のファーガソンで18歳の黒人少年が白人警察官に射殺された事件だ。警官が発砲した弾丸の6発が少年の頭部や腕などに命中していたという。少年は武器を持っておらず、正当防衛とはとうてい言えない。その警察官はいまだ逮捕すらされていない。
 警察は、黒人少年が警察官の拳銃を奪おうとしたと主張しているらしい。また警察は黒人少年がコンビニで万引き強盗した映像をネットで公開して、白人警官の射殺行為の正当性の裏付けにしようとしたらしい。しかし射殺事件と少年の犯罪とは直接の関係はなく、少年がワルであったことを証明したかったようだ。明らかに白人社会の組織的な人種差別である。ファーガソンの黒人たちが警察に対して抗議デモを起こしたのは当然だ。
 少年がワルであったとしても、警察官による射殺の正当性は裁判で争われるべきで、無抵抗で両手を挙げている少年を問答無用と射殺した行為は、間違いなく殺人行為だ。その殺人行為が正当防衛に当たるかどうかは、警察が決めることではない。日本だったら間違いなく警官は逮捕されている。
 この町で生じた収拾がつかない大混乱の原因は、白人警察官による黒人少年射殺行為ではない。白人警察官が大多数を占める地元警察署が、殺人警察官を逮捕せず、少年が別の日に犯した犯罪行為の映像をネットで流して、警察官を擁護しようとしたことが、かえって地元黒人たちの怒りに火をつけたことによる。さらに黒人たちが起こしたデモ行動に対して警察署が力で対抗しようとし、大混乱が生じた。
 黒人初の大統領オバマ氏もこの混乱には頭を痛めたようだが、18日、ホワイトハウスで記者会見して、デモ行動について「略奪や警察への襲撃などは緊張を高め混乱を深めるだけだ」と述べて自粛を要請した。自粛を要請するべき相手が違うのではないだろうか。
 オバマ大統領とは違って国連のパン・ギムン事務総長は18日、声明を発表し「アメリカの捜査当局が少年の死の真相を究明し、正しい裁きがなされることを期待する」としたうえで、「治安当局は、平和的なデモや表現の自由が保証されるよう、アメリカの法律や国際的な基準にのっとり自制して行動すべきだ」と述べ、治安当局に厳しい注文を付けた。なおパン・ギムン氏は韓国人である。
 東京都議会で問題視された「女性差別」ヤジとは、はっきり言ってレベルが違う。それでもアメリカなどのメディアから「日本は女性蔑視の国だ」と烙印を押され、何の関係もない日本の男性まで後ろめたい気分にさせられた。いまファーガソン事件によって、アメリカはいまだに19世紀時代の人種差別を温存
している国だという印象が世界中に広まろうとしている。オバマ大統領の、白人社会からの支持を最優先したデモ隊への自粛要請発言は、地元警察擁護のためと見られても仕方あるまい。
 そうした事態に対して、安倍総理はなぜ沈黙しているのか。自らの執念でもあった靖国参拝や河野談話否定も、オバマ大統領の恫喝に屈して放棄したことに、屈辱感すら感じないほどのマゾヒストに成り下がったのか。
 せめてオバマ大統領の記者会見での発言に「失望した」くらいのことは言ってほしかった。それすら言えないようでは、日本の恥としか言いようがない。
 靖国問題と河野談話問題について私の立ち位置を改めて言っておく。
 靖国問題は、当時の政府と政府に協力したマス・メディアによってマインド・コントロールされ、「次は靖国で会おう」と誓い合って戦場に向かった若者たちに対して、「哀悼の念を捧げる」ためではなく、「心からの謝罪を表明する」ために政治家だけでなく、マス・メディアのトップも参拝すべきだと思っている。靖国参拝の目的がそうであったら、国際問題になったりはしない。
 河野談話については、20万人ともいわれる慰安婦の中の16人の「証言」をもって「軍の強制」としたことが正しいとされるなら、現代でも不祥事を起こす警察官は年間16人では済まないはずだ。日本国民が不祥事を起こした警察官の行為について「警察庁の強制によるもので、警察庁の長官に責任をとらせろ」と裁判所に訴え出たら、果たして裁判所はその訴訟を受理するか。河野談話とはそういう性質のものだ。
 
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改めて問う――安倍外交は日本の国益にとってプラスなのかマイナスなのか?

2014-08-19 07:58:45 | Weblog
 安倍さん。たまにはアメリカにも「NO」と言ったらどうですか。
 「NO」と言えないなら、頼んでみたらどうですか。「駄々っ子のような韓国の朴大統領を何とかしてくれ」と。
 安倍さんは、オバマ大統領のたっての頼み(間違えた。「恫喝」だった)に応じて、対ロ制裁に踏み切りましたよね。

 アメリカとEUを除いて、対ロ制裁に踏み切った国は日本だけだ。オバマ大統領は日本より大切にしている同盟国の韓国には、対ロ制裁に踏み切るよう、恫喝どころか「お願い」もしていない。つまり韓国に対してはオバマ大統領も「主権国家」として尊重し、主権国家の外交政策は主権国家が自主的に決めるべきだと考えているからだろう。
 一方、日本の外交政策に対してはくちばしを挟めるということは、オバマ大統領は「韓国と違って日本はアメリカの属国」と考えているからなのだろうか? 
 だとしたら、アメリカの属国である日本が、いつまでもいわれなき非難を韓国の朴大統領から浴びせ続けられていることに対して、少しは日本人の気持ちに配慮して、「不快の念」くらい表明してくれてもいいのではないか、と思うのだが…。安倍さんも、そのくらいのことはオバマ大統領にお願いしてもバチは当たらないと思う。
 アメリカ国内にも韓国の「従軍慰安婦像」がいっぱい建っている。私たち日本人もアメリカ国内の主要都市の目抜き道りに、アメリカが「広島・長崎に落としてくれたきのこ雲のモニュメント」を建てようではないか。安部さん、真剣にそのことを考えてみてくれないかねぇ。ホワイトハウスや国連本部の前なんか、どうだろうか…。
 日本の対ロ制裁にも、オバマ大統領はまだ不満だ。もっと制裁を強めろと言いたいようだ。私もそうしたらいいと本気で思う。安倍さんは、対ロ交渉に1%の可能性を残したいようだが、もう可能性は0だ。
 ただ、どうせ0になってしまったのなら、徹底的にロシアを敵視した外交政策をとって、「日本はこれだけ犠牲をアメリカのために払ったのだから、せめてTPP交渉くらいは日本の言いなりになってくれ」と、私だったら要求する。いくら「属国」でも、そのくらいの権利はあるだろう。

 そもそも今回の日ロ交渉は、プーチン大統領のほうから投げかけてくれた球だ。「ダイヤモンドも磨かなければタダの石」という言葉があるが、シベリアや樺太の地下深くに眠っている資源がダイヤモンドの原石だ。それを何とかダイヤモンドに磨き上げたい…プーチン大統領が「北方領土問題解決」というカードをちらつかせながら、日本に交渉再開を呼びかけてきた狙いはそこにある。そのくらいのことは、安倍さんだって分かっているだろう? いや、分かっていないのかな? 多分、分かっていないのだろうな。
 実際、日本にとっては「タナボタ」のような話だった。
 ロシアにとっては、眠れる資源をダイヤモンドにするための技術と資金を日本に頼りたい。さらにダイヤモンドを買ってくれる先も確保したい。
 日本にとっては、資源安保は食糧安保と同様、というより食糧安保以上に切実な課題だ。日本の少子高齢化と人口減は、政府や自治体がどう取り組んでも、決定的な歯止めはかけられそうにない。高齢者の食糧需要は否応なく減少していくから、このまま何の手を打たなくても食糧安保問題は自然に解決に向かうことは中学生でもわかる話だ。第1次産業の担い手が減少しても、食料は世界のどこからでも入手できるから、たとえ食料自給率が下がっても国民生活には影響がほとんどない。
 しかし資源はそうはいかない。エネルギー資源はもとよりレアメタルなどのハイテク工業資源も、日本にはほとんどない。海外から輸入するしか方法がないのだ。資源外交は、いま日本が全力を挙げて取り組まなければならない最重要課題である。シベリアや樺太にエネルギー資源以外のどんなハイテク工業資源が眠っているかは不明だが、多少は期待してもいいのかなとは思う。
 ま、北方領土問題が一気に解決するとは思えないが、たとえば2島返還、残り2島の解決は次の世代の課題にしよう、といった合意に至る可能性はあった。
 安倍外交は、それらのすべてをどぶに捨てたも同然だ。しかも、ロシアがアメリカやEUの制裁で窮地に立っている今は、相手の弱みに付け込むようだが、対ロ交渉で、日本はきわめて有利なカードを手にしたと言える状況になっていた。その千載一遇とも言えるチャンスを、オバマ大統領のご機嫌取りのために、安倍さんはどぶに捨てた。少なくとも安倍さんの目の黒いうちに、北方領土の一部でも日本に戻る可能性は、完全になくなった。
 北方領土や資源安保問題だけではない。安倍さんが政治生命をかけた日本の安全保障も、かえって危うくなった。欧米だけでなく、日本まで敵に回してしまったプーチン大統領が、中国や北朝鮮との接近を図るのは、ロシアが目指す最重要な外交政策として浮上することも当然考えられる。
 もし日本政府が「ウクライナ問題は、日本の国益にとって関係ない」と中立的立場をとっていれば、日本は非常に有利に日ロ交渉を進めることができた。そしてロシアから北方領土問題でかなりの譲歩を引き出し、シベリアや樺太の資源開発でも日ロの協力関係が深くなり、日ロ平和友好条約の締結にまで進展すれば、日本の安全保障環境はかつてないほど安定していたはずだ。そのことが分からないほど、安倍さんはぼけているとしか思えない。残念だが…。

 今年の異常気象で、かなり体力を消耗している。最近のブログ記事が短くなっているのはそのためだ。体調次第ではブログ投稿を休む日があるかもしれない。ご理解を願う。
 読者からいただいたコメントについて簡単にお答えしておく。
 まずイオンの問題だが、「つるかめ」は当時イオン系列になったとき、イオンから支給されたレジスターをそのまま使用していた。そのためレシートの発行先はイオンになっていた。つまりイオン直営店と全く同じレシートだったのだ。もし「つるかめ」が何らかの問題を生じた場合、その法的責任は当然イオンが負わなければならない。「別会社だ」という言い訳は通用しない。私が問題にしたのはそのことであって、消費者庁にもブログ記事を通告、消費者庁も「景品表示法」違反とみて行政指導を行い、その後「つるかめ」のレシートの発行先はイオンではなく「つるかめ」になった。
 次に読売新聞読者センターとの問題だが、オスプレイが日本に配備される計画が進んでいた当時、オスプレイの事故が頻発しており、安全性に対する疑問が国内でも噴出していた時期のことである。そのころ、読売新聞の記者が米国防総省が発表したオスプレイの重大事故率を根拠に、「オスプレイは安全だ」という記事を書いた。オスプレイはヘリコプターであり、事故を起こしても不時着して人命の損傷に至るケースは戦闘機などと比べて低いのは当り前である。米国防総省の発表そのものがアンフェアであり、それを鵜呑みにした記者は「失格だ」と読売新聞読者センターへの電話で私は批判した。たまたま電話に出た相手が「その通りだと思う」と言ったので、そのときのやりとりをブログに書いた。私にも配慮が足りなかったことは反省している。
 が、そのブログ記事が読売新聞読者センターで大問題になった。「犯人」探しが始まり、「犯人」が「そんなことは言っていない」と否定したため、私がデタラメなブログ記事を書いたことにされてしまった。あまつさえ「ねつ造者」呼ばわりまでされ、「録音という証拠がある」とまで言われたので、すべての経緯を読売新聞社コンプライアンス委員会に通告した。
 その結果、読者センターの粛清が行われたが、その後新たに配属された読者センターに方たちから、私のブログ記事は事実だったことを認めたうえで「ブログに書くことを当人から承諾をとったのか」と追及されるようになった。あまつさえ「小林さんは本人から許諾をとらずに記事にしたことについて自己批判していませんね」とまで言われたので、「私を捏造者呼ばわりしたことを、読売新聞読者センターはまだ謝っていないではないか」と言い返し、読売新聞読者センターとのいきさつをすべてブログで公開することにし、公開に先立って読売新聞社会部に「もし事実誤認があったら訂正する」と通告したうえで、今年2月17日から3回にわたり、すべての経緯をブログで書いた。その結果、読売新聞読者センターでは再び粛清が行われた。いまは読売新聞読者センターとの関係は極めて良好である。
 私は、民主主義は「守る」べきものではなく、「育てなければならない」ものだと思っている。「育てる」ために、メディアが果たさなければならない責任の重さを、メディアの人たちには噛みしめてもらいたいと思っている。とくに先の大戦においてメディアの責任は、単に軍部に屈服したことではない。メディアが権力に迎合して国民すべてをマインド・コントロール下に置くことに協力したことが最大の戦争犯罪だったという自覚を持ってもらいたい。
 いまはメディアも多様化してきていて、かつてのようなマインド・コントロール機能は持てなくなっている。が、お隣の韓国では、朝日新聞の誤報記事以降も朴大統領が慰安婦問題を政権のよりどころにしている。韓国のメディアが、国民感情にへつらって「いわゆる従軍慰安婦問題はでっち上げだった」と報道しないからだ。韓国も一応「民主主義国」である。が、メディアが権力と一緒になって国民をマインド・コントロール下に置こうとすると、民主主義は一気に後退する。
 いまの日本が危ない。「国際情勢の変化」を声高に叫ぶ安倍総理の立ち位置に疑問を示さないメディアは、自らは意図していなくても国民をマインド・コントロールしていくことになる。私の危機感の原点はそこにある。あらゆる自由の中で、最も大切なのは「言論の自由」である。民主主義を育てるために欠くことができない武器だからだ。だからこそ、その権利の大きさに伴う責任の重さも大きい。そのメディアが一枚岩になって国民にある種の特定の価値観を押し付けるような報道をするようになったら、韓国と同じく日本も民主主義の危機を迎える。
 
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「民主主義とは何か」がいま問われている⑦--沖縄の夏に思いを馳せる。

2014-08-18 06:36:19 | Weblog
 沖縄の夏が暑い。今年12月に任期満了の沖縄県知事の椅子をめぐる水面下での争いが激しさを極めている。すでに立候補を表明した仲井眞(なかいま)現知事と、立候補が予定されている現那覇市長の翁長(おなが)氏の事実上の一騎打ちになるとみられている。仲井眞氏は何とか自民党本部の支持を取り付けたが、肝心の自民党県連が分裂状態になっている。あからさまに対立候補の翁長氏支持を表明している県議員も少なくない。ここでも民主主義とは何か、が問われている。
 その一方で、辺野古調査が始まった。埋め立て工事のための海底ボーリング調査を行うためのブイやフロートを設置した。米軍普天間基地を名護市辺野古に移転するための工事である。
 もともと仲井眞知事は普天間基地の県外移設を公約にして訴え、2010年10月の県知事選で勝利した。その公約を破り、県議会にも諮らず、県民の意志も問わずに独断で辺野古への移設を容認した。沖縄県民の怒りが激しくなったのも当然だ。
 そもそも、米軍基地がなぜ沖縄に集中しているのか。日本を、首都・東京を、防衛するためか。
 そうではないことを、15日のよみうりテレビの看板番組『ミヤネ屋』で森本敏・元防衛相が明かした。
「沖縄は地理的に非常に重要な位置にある。南西アジアの安全保障のために沖縄の米軍基地は必要だ」
 司会者の宮根氏は、その森本氏の発言の重要性を認識できなかったようだ。森本氏は、沖縄の米軍基地が、日本や日本の首都・東京の防衛のために存在しているのではないと明言したのである。森本氏は元防衛相だ。憶測や自分の主観で発言したなどという言い逃れはできない。
 これも、ある意味では朝日新聞の「従軍慰安婦誤報事件」と類似したケースと言えよう。朝日新聞が誤報だと自ら認めるはるか以前に、誤報の原因を作った吉田清治氏が自著『私の戦争犯罪』はフィクションであることを認めている。
 沖縄の米軍基地が日本を防衛するために存在しているわけではないことは、国民はとっくに知っている。在日米軍基地の約74%が沖縄に集中している理由について、これまで政府は一切説明していない。敢えて説明するとしたら「アメリカが日本を守るために沖縄に基地を集中させる必要があると主張しているからだ」としか言いようがないだろう。つまり「アメリカの主張はつねに正しい」というのが、わが日本政府の戦後69年間、一貫した立ち位置だ。
 沖縄県民は4年前、仲井眞候補の公約を信じて、彼を知事に選んだ。
「主権在民」は、県知事選においても実現されなければならない。県知事選だけでなく、市町村などの首長や議員選においても、民主主義を育てるために不可欠な原則でなければならない。
 確かに国会議員は、国民の投票によって選出される。が、政府が何事もすべ
て決めるというのであれば、地方はすべて国の出先機関にすればいい。税金は
大幅に軽減できる。国民が納得すれば、の話だが。
 私は、沖縄県民の思いは、肌では実感できない。沖縄の出身でもないし、観光で2度訪れただけだ。沖縄出身の知人や友人もいない。でも、沖縄県民の選択は、政府の選択よりも重いとは思う。「地方自治」という言葉が、空念仏でなければ、の話だが。
 もちろん「選挙は水物」という言葉もあるくらいだから、今度の知事選で仲井眞氏が3選を果たせないとは言い切れない。とくに普天間基地の辺野古移設に反対する候補者を一本化できないようだと、仲井眞氏が漁夫の利を得る可能性はある。が、選挙の結果がどうであろうと、沖縄県民の思いは4年前の選挙で示された。再び、その思いが知事選の結果として現れたら、政府は辺野古への移設を強行すべきではない。 
 もちろん普天間基地は廃止するのが前提である。沖縄県民は普天間基地を残せと言っているのではない。普天間基地をなくせと言っている。なくせないのなら本土に移設してほしいと言っている。
「民主主義とは何か」が、いま沖縄で問われようとしている。
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「終戦の日」に考える――降伏文書とサンフランシスコ講和文書の検証に、メディアはなぜ目を背ける。

2014-08-15 06:50:33 | Weblog
 日本人の大半は、今日が「終戦の日」だと思っている。メディアが勝手にそう決めつけているからだ。
 正確に言うと、日本国民が「戦争が終わった」ことを知った日が8月15日だ。いわゆる玉音放送がラジオで流されたのが69年前の8月15日正午だったからである。
 いまこのブログを書いているのは午前5時前。私が住んでいるこの地区には新聞販売店の競争がない。つまり販売店1社が読売新聞も朝日新聞も、毎日新聞、日本経済新聞から地元紙やスポーツ紙に至るまですべてを扱っているからだ。だから1人の配達人がすべての購読者に、とっている新聞を間違えないように配達しなければならない。すべての新聞を扱っているコンビニが配達までしているようなものだ。そのためか、あるいは独占にあぐらをかいているせいか、新聞の届くのは毎日6時過ぎになる。
 が、ネットでは全国紙5紙の社説を読むことができる。全国紙5紙のうち日本経済新聞を除いて4紙が社説欄のすべてを「終戦」に割いた。視点はそれぞれ違うし、各紙の社説を今日のブログで論じるつもりもない。
 が、終戦の重みを知っている人がだんだん少なくなっている。かくいう私も、年代的には戦中派に入るが、終戦直後に中国・天津から佐世保港に引き揚げた船中のことだけが、なぜか頭の片隅に残っている。父は終戦間際に現地召集され、父の勤務先の配慮で残った家族たちがいち早く帰国できたらしい。それ以外は、戦争についての記憶はまったくない。戦後の疎開先の田舎でのことは断片的にいろいろ覚えてはいるが。
 しかし、なぜ今日が「終戦の日」なのか、ふと疑問に思った。で、ネットで「終戦」をキーワードにヤフーで検索してみた。検索結果の中からウィキペディアの「終戦の日」を開いてみた。各国によって終戦日は異なっていることが分かった。アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ロシアは9月2日を対日戦勝記念日(VJデー)と呼んでいるようだ。東京湾に入港した戦艦ミズーリ―号上で日本政府が降伏文書(ポツダム宣言受諾)に調印した日が1945年9月2日だからだ。
 フランスはドイツに占領され、米英連合軍によって解放された国だ。日本と戦争状態にあったとすれば、東南アジアのフランス領を日本軍が占領したことを意味するとしか考えようがない。それらの旧フランス領は、すべて独立してフランスの植民地ではなくなっていた。フランスが、なぜ対日戦勝国になるのか、不思議だ。
 もっと不思議なのは、カナダだ。日本はカナダと戦火を交えたことがあっただろうか。戦争をしていない国が9月2日を「戦勝記念日」として設けたのはなぜだろう? 理由がさっぱりわからない。

 厳密に言えば、日本政府がポツダム宣言受諾を連合国に通告したのは8月14日。ウィキペディアの「終戦の日」では分からなかったが、同じウィキペディアの「日本の降伏」によれば、8月15日にNHKが放送した昭和天皇の玉音放送「終戦の勅書」の日付は8月14日となっているという。
 驚いたのは、「日本の降伏」で知った新しい事実だ。ウィキペディアは必ずしも常に正確な解説をしているとは限らないが、この記述に関しては何の疑問も寄せられていない(つまり「編集」という注意書きが付されていない)から、事実とみて良いだろう。その記述によれば、9月2日の降伏文書調印によって、連合国による大日本帝国版図の分割占領統治が決まった。そのこと自体はだれもが知っていることだが、だれもが知らされていないことがあった。
 分割占領統治は、降伏文書調印によってこう決められたようだ。

 北方領土に対する占領統治はソ連。
 中国大陸および台湾に対する占領統治は主に中華民国。
 その他は主に米国。イギリスは占領に関与していない。

 この分割占領統治状態は、サンフランシスコ講和条約によってどうなったのか。重要な二つのケースに関して、ウィキペディアは①千島列島の権利の放棄、②琉球諸島や小笠原諸島などについては、「アメリカ合衆国の信託統治領とする同国の提案があればこれに同意する」としている。
 つまり北方領土問題も、沖縄返還時の密約問題やその後の基地問題も、その発端はすべて降伏文書とサンフランシスコ講和条約文書の内容にありそうだ。ソ連がサンフランシスコ講和条約の締結を拒否したのも、北方領土に対する権利関係が不明遼だったためではないか。実際、千島列島に南千島(択捉・国後)が含まれるかどうかについては解釈上の争いがいまでもあるようだ。
 メディアは、たとえ日本の国益にとって不利になることであっても、歴史の検証はフェアにやってほしい。
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まんだらけの顔写真公開は、本当に警視庁の要請によるのか? ウソだろう…。

2014-08-13 09:12:56 | Weblog
 今日から夏休みに入る予定だったし、高速道路は帰省ラッシュの大渋滞のようだが、ちょっと疑問に思う「事件」が生じたので、緊急投稿することにした。
 その事件とはまんだらけの万引き問題である。25万円の希少玩具古物の万引き犯の顔写真の公開を、まんだらけが急きょ中止したという。その理由が「捜査に支障をきたすから」という警視庁の要請によるらしい。「らしい」と書いたのは警視庁広報に確認をとったわけではないので、このブログを読んだ読者が警視庁広報に確認して貰えたらと思う。私が確認しようと思ったのだが、電話が話し中でつながらず、外出の時間が迫っているので、確認をとらずにブログを書くことにしたというわけだ。
 顔写真の公開が、捜査に支障をきたすというのであれば、警察はなぜ凶悪犯の顔写真を公開するのか?
 実際、顔写真の公開によって犯人の逮捕に至ったケースは数知れない。しかも警察の顔写真の公開は、カネのかからないネットのホームページだけでなく、印刷代など相当の費用がかかるポスターまで作成している。そのこと自体が、顔写真の公開に効果があることを証明している。
 つまり「万引き犯の顔写真の公開が捜査に支障をきたす」という理由は論理的に合理性を欠いている。そうした要請を本当に警視庁がしたのだろうか。もししたとしたら、警視庁はかつての「特高」のような権力者になったのか。
 私はまんだらけが、想定以上の話題になり、顔写真の公開に様々な書き込みがネット上に氾濫したことで、顔写真の公開にひるんだのではないかと思っている。が、公開中止の理由付けに困り、「警視庁の要請」という理由をでっち上げたのではないかと想像している。
 もしそうなら、警視庁はまんだらけに対し、厳重な抗議をすべきだ。犯罪者の顔写真の公開は、被害者やメディアの責任において判断されるべきで、捜査当局が「顔写真を公開されたら捜査に支障をきたす」という矛盾した要請をするとは考えられないからだ。
 プライバシー問題は、別の要素で、もし犯人が顔写真の公開をプライバシーの侵害だと思うのであれば、それは親告罪だから、堂々と裁判所に損害賠償を求めて訴訟を起こせばいい。警察という公権力はプライバシーの侵害という民事には介入できないはずだから。
 もし万一、万一ですよ…警視庁がまんだらけにそういう要請をしたとしたら、これはゆるがせにできない不祥事である。その責任を警視庁はどうとる?
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