三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月30日 カマの刃・さま・さま

2015-10-29 | メンテナンスお気楽日記
実に便利な道具です。シャフトに絡みついた糸クズを、カッターやカミソリで取ろうと思っても、
なかなか上手い具合にはいかない。カマの刃なら、テコの原理でズバッと切れる。

キャスターの隅に入り込んだ糸クズも、ひっかく様にすれば狭い隙間の糸クズも切れる。
分解式のキャスターは手入れが簡単だが、どうしても安価な台車を選んでしまう。

糸編の仕事をしていれば、台車はもちろんの事、機台の回転シャフトにはいつの間にか糸クズが
絡みついている。ISOの工場でも同じ事で、掃除をするかしないかの違い。


ところが、このカッター、今、大変な事になっている。
機料店や機材店にいけば、売ってはいるが、大抵は台湾製か韓国製?輸入品です。

形こそ同じだが、切れ味がまったく違う。悲鳴は現場から起こった。スグに切れなくなってしまう。
女工さんからの要望で撚糸屋のおやじが「日本製でなければ、事故が起こりかねない」と買いに来る。

でも、機料店の情報では、もう一軒だけ一人だけで作っているらしい。その機料店にも2~3か月に一度
200枚程度しか入ってこない。だから10枚小割にしての販売。価格は一枚4~50円ってところ。

需要が減れば、製品が消える。これまでも色んな製品が店頭から消えて行ってしまった。
けっして、需要がない訳でもないが、儲からないから。数が出なければ利益が出せない。

じゃ、一枚100円200円で売れるかって言うと、そんなモノでも無い。モノの価値相場もある。

変なもので、20年前にはカマの刃の握り・安全ケースだけで商売をしていたメーカーもあったのだが、
そんなもの最近は目にしたこともない。どこの工場でもカマの刃だけで使っている。


メンテ商売をやっていれば、どうしても必要な部品も出て来る。今、メーカーに注文しても、加工所に
製作依頼しても、プーリー一枚歯車一個がン万円。指定スピンドルに至っては一本3~4万。

どう客先に説明したらイイんだろう。材料コスト・加工コスト・販売コストがすべて価格に上乗せされる。
当然?客先が思っている価格と差が出る。いくら一点ものでも、価値相場が大きく食い違う。


需要があっても利益の出ない品、それならば海外から安く輸入すればイイ? あまりにも短絡TPP。
現場を知らない、汗をながした事ない人が考えるマネーゲーム。モノが動けばお金が落ちる?

品物は安ければ売れるんじゃなく、便利だから効果があるから品質が安心だから。必要だからこそ価値がある。

ものづくりはそんな「こだわり」があるから生まれる。しかし、生活を確保することで手一杯なのも現実。

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