三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月8日 加工賃が上がらなきゃ・・・

2015-10-08 | メンテナンスお気楽日記
繊維産業が混沌としているのは、加工賃の値下げが元凶であり、這い上がれない原因でもある。

自分が仕事を始めた頃、ワインダーの委託工場を紹介をする際「飛び込み委託だから、100円出せるかナ?」
なんて言っていたのに、最近は委託工賃は始めから、片手だけ、それ以下の委託料も多々ある。
同じ加工料が1/3とは言わないまでも、半分以下になっている。

撚糸屋さんに至っては、撚糸加工工賃の中ににワインダー作業料なんて、計算されていないなんて言う。
だから、ワインダー作業の外注さんは「孫の小遣いが出来れば・・」ってバアちゃんしか出来ない。


ダブルツィスター値下げの時は、生産率が高くなっての値引き交渉だったが、海外製品対応の値下げは
「今だけ、何とか我慢して・・」なんて言っていたのに、いったい、いつまでが今なのか?
生産ロットが小さくなり、いつまでも変わらない加工料では、当然、人件費や維持費は出てこない。


何をどうすれば、どこがどうなれば、加工費が上がる(元通り)になるのだろう。
ケツを捲くればって話には聞くが、まだ撚糸屋のオヤジのケツなんて見たこともない。
見えてくるのは、廃業に四方八方する商社の担当者だけ。でも、値上げの話は聞こえて来ない。


TPPが合意すれば、色んなモノが安く手に入り、海外にも色んなモノが売り易いなんて言っている。
でも、それは商売人だけの話で、競争が厳しくなれば、生産者や加工業者には「安い工賃」が要求される。

モノが売れ、仕事が増えれば・・とも言うが、親方や商社に入ったお金は、なかなか出てこない。
ポケットからはみ出てくる工賃を待っている間に、工場も工員も干上がってしまう。

それでもまだ、日本の技術・日本の品質なんて幻想を抱いている。その間に、技術者がいなくなり設備がなくなる。
モノづくりなんて、コピーしようと思えば、すぐに追いつき追い越されてしまう。機械まかせの部分は。

でも、肝心なのは、ものづくりの意思・意欲。目には見えない感や感覚。五感での対応です。
それらが今、消えようとしています。女工さんや工員さんがいなければ、伝承の機会すらない。出来ない。


その為にも、しっかりと人件費、機械維持費が確保できる「加工費」は必要不可欠です。
技術者・生産者が笑顔で働けてこそ、「技術大国、日本」が維持できると考えます。

株でお金を動かし、海外観光客のサイフに頭を下げる日本人なんて見たくもない。

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