三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 8月3日 時代は繰り返し?

2015-08-04 | メンテナンスお気楽日記
自分が三筋以外のワインダーを整備し始めたのは、30年も前になります。

染工所の依頼で、工場内設備を外注工場への移設工事を請け負いました。
その頃は、各企業内には神津や村田の60錘機ソフトワインダーや仕上げ巻きワインダーが4台5台と
設備され、正社員によって作業が行われていました。

その設備を外注加工の工場?(百姓納屋改造、倉庫改造)への移設です。分解・運搬・組み付け・整備。
一企業の流れではなく、大半の染工所からの依頼でした。やはり、維持経費と作業効率?が原因でした。


時は流れ、外注工場にも高齢化問題が起こりましたが、工賃の低迷、作業及び作業環境の厳しさから、
後継者への引き継ぎが困難な状態で、廃業希望の工場が目立つ様になりました。

一部の対応として、製糸工場での加工委託の動きもありましたが、撚糸工賃に巻き加工賃が上乗せされる
ハズ?もなく、家族作業の手間ばかりが負担になり、やはり、廃業のきっかけともなりました。


5年程前からの動きとして「自社設備」の対応が取られています。これは染工所にとどまらず織物工場や
整経工場までが、自社工場内での巻き加工を設備しました。

この結果、新たな問題点も発生します。正社員には二重の負担が掛けたり、パート雇用の負担の割には
作業効率が極端に落ち、納期遅れが取り戻せない状態が続きます。

一番の問題は「自分の機械ではない」という意識です。契約時間内で作業が終了すれば、機械の管理、
製品の品質をも、ないがしろに成りがちです。修理に入っても「ここ、捲けません」で終わり。

昔から、企業機械は「大ごと」にならないと、メンテ依頼が来ないという常識?があります。
外注工場の場合は、ベアリングの音だけでも依頼が来たり、不良原因を自分で考えながらの作業です。
もちろん、品質にも気をつかい、気に入らない巻き玉は、再度自発的に加工したりします。

外注工場では、機械を大切に扱うだけでなく、品質へのこだわり、プライドおも感じます。
それをパートさんに求めるのは難しく、何らかの手を打たなければ品質はドンドン低下します。


さて今回の移設は「自社設備から外注工場」への依頼です???

何かまた、流れが変わった様に感じます。染工所設備を再度?外注工場への移設依頼です。
心配した?撚糸工場での掛け持ち加工ではなく、なにもない廃業工場での専門加工が再開されます。

この流れがどう出るか、まだ取っ掛かりですが、気になる動きです。

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