三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月9日 廃業しわよせ需要

2013-06-09 | メンテナンスお気楽日記
北陸?では、最近「絹撚糸屋」がフル操業です。
工賃アップのうれしい話も聞こえてきます。

当然、メンテ依頼も絹撚糸屋からの割合が多くなり、セッセと出かけてます。
確かに、撚台や準備機の稼働率は格段の差で、糸が動いているのを感じます。

でも、ちょっと違和感も感じています。それは人間の存在です。
そこにいなければいけない女工さんの姿が見当たりません。

絹は天然繊維がゆえに、加工に掛かる手間は「人間」抜きには考えられない。
節があれば糸が切れ、また繋いでの作業。合繊のように機械まかせ?には出来ない。

ま、仕事があるってことはイイことなので「ヨォ、がんばっているネ~」
「なァ~ん、忙しいだけで、機械にさわることも出来ない。そこオカシイから頼むワ」

社長?と奥さんが糸つなぎのため工場中を駆け回っている。
工場設備とすれば、二人では廻りきれる分は計算できるが、それ以上の稼働率。

以前なら4~5人の女工さんが糸繰り機やワインダーを担当していた工場だが、
仕事量の減少にともない、一人二人とヒマをお願いしてきた。

「仕事が増えた訳じゃない。依頼先が増えただけ。手間は掛かるけど仕事になりゃ・・」
取引のある問屋からの仕事量が増えたのならば問題はないが、製品の発送先が増えただけ。

流れとしたら、担い手のいない高齢撚糸工場の廃業の波の中、需要縮小という水門の壁。
小舟でもなんとかバランスを取っていた。ところが先般、月三十俵という大波が来た。

小舟状態では積みきれない荷物に、撚糸屋さんは右往左往、只々汗を流してがんばっている。
いまさら大船に戻す?にも、まったく流れが読めないから、女工さんにも声を掛けられない。

この状態が続けば、色んなところに問題が出てくるのは予測できる。
余裕のないものづくりは、必ず事故につながる。

救いの光は「工賃アップ」。人間、余裕がなければ、対応も次の一手も打てない。


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