三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月19日 綾落ちメンテ

2013-06-19 | メンテナンスお気楽日記
ワインダーメンテナンスで特にやっかいなのは、綾落ち修理です。

そりゃ捲いてる方も、仕上がった糸に綾落ちがあれば、ショックかもしれませんが、
原因さがしには、腕組みメンテ?が必要。この観察時間と調整後確認に体の置き場がない。

まず、大半の綾落ち事故は、仕事(糸)が変わった時に発生する。

機械原因の調整ならば、ある程度観察すれば直しようがあるが、問題は糸との相性。
その糸の解除抵抗、張力選定、撚り数、方向、腰の強さ、スベリ具合などが悪さをする?

様は糸を理解しなければ、調整のしかた自体変わってくる。まずは事故糸の観察から。

綾落ちの特長は大きく分けて3種類。テンションむら・オニ綾・静電気。
オニ綾は一か所にかたまるし、静電気は紙管に捲きついて長いのが特徴。
問題は線を引いた様な、テンションむらが原因と考えられる綾落ち。

これには色々の原因要因があるから、まず給糸から捲き玉までの糸道をすべて確認。
それでも見つからなければ、今度は糸を疑って?かからなければならない。

ここからが未知の世界?いくら外づらが同じでも、最近の糸は多種多様。
機能性繊維ともなると、解らないことのほうが多い。でも、なんとかしなくては・・

機械の前でウンウンうなっていても、工料はもらい辛い。直してナンボの世界。
ところが、輪をかけて困るのが、時間のかかる細い糸ほど綾落ちしやすい。

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メンテお気楽日記 6月17日 販路開拓

2013-06-17 | メンテナンスお気楽日記
先週、糸商の会議室でもらったカラー軍手。どうしたものか迷っています?

話のスジとすれば、ある糸で作った軍手が、本来の軍手に求められる機能にそぐわない。
高級?軍手としての企画が、一転不良在庫の山に成りかねない。

たまたまその場に居合わせただけだったが、話を聞く機会を与えられた。
まず、他社担当から提案されたのは、手芸用教材としてウサギやクマなどのマスコット。

担当は自分で作った見本まで用意してきた。販売ルートさえ確保できれば
保育園や児童施設。もっと言えば高齢者援護施設まで需要が見込めるかも?

染色カラーはピンクにブルー・薄紫。まるで、その為に染めた色じゃないか。
リキが入っていると言うか、ちょっと先走りの感じもするが、皆一応に共感。

ところが、社長からの提言「繊維油剤・染色は何を使った?成分は説明できるか?」
「子供が使うものとすれば、安全評価が必要。アレルギー成分は大丈夫か?」

それを期に、今度は突っ込んだ意見が続出。「販売単価は?」「業者マージンが出せるか?」
「説明パンフレットはどうする?」「パッケージの方法は?」「その他の備品は?」


どんなに素晴らしいアイデアでも企画でも、一つの製品を創り出すエネルギーは大変。
まして、新しい販路や新しい素材には、未知の部分が多い。毎日が発見と挫折?

「ものづくり」の奥の深さを再認識した、良い機会に出会えたことに感謝します。

最後の社長の言葉もきつかった。
「円高だったからこの値段。ヒットしても同じ価格では出来ないことも肝にして!」

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メンテお気楽日記 6月17日 プーリー変速

2013-06-17 | メンテナンスお気楽日記
この時節、機械の回転スピードを変えるには、インバーター装置という
ダイヤル一つ、指一本で好みのスピードが選べる電気機器がある。

以前の機械には、ドライブプーリーやモータープーリーのサイズを交換したり、
Vベルトの長さ調整のため、モーターの位置を変えるなど大仕事。

委託仕事が同一糸のときは、気にもならなかったが、仕事の流れは「多品種・小ロット」
自社機械のスピードでは捲けない糸はお断りしたいが、今はそんなことも言ってられない。

いくら高年齢になったとはいえ、体が動くうちは仕事がしたい。いや、しなければ。
やっかい仕事は三筋に頼んでも、工賃が確保できるうちは、仕事をしなければ。

インバーター装置の説明をした。「毎回、三筋を呼ぶこともいらないし、楽だョ」
でも、かたくなに「プーリー交換でイイ、また頼むから・・」だった。

確かに、大型ワインダーの場合はモーターも大きいし、両側機の場合は2台のモーター、
安く見積もっても、10万弱の設備投資。三筋の何回分かと笑われてしまった。

償却どころか、自分の寿命まで計算に入れている。当然、後継者はいない。
こんな工場が多いのです。只ブン回していてもお金は入ってきません。

プーリーに際しても、最近は回転数を落とす方が大半で、大径ドライブプーリー
ばかりの注文です。いくら中古在庫があるといっても限りがあります。

そんなこんなで、設備投資もままならない産業を後押しする三筋の手は
油汚れが爪のスキマから、なかなか落ちないのです。

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メンテお気楽日記 6月16日 「工夫」という「技術」

2013-06-16 | メンテナンスお気楽日記
               三筋STI-2型機、富山のベビーニット産地でも、福井の
               極細合繊産地でも、同様の機種が使われています。

ワインダー械とは、仕様こそ違っていても、基本的には皆同じです。
量産機の場合は、同じ機械がいろんな工場で使用され、同じ様な?製品を加工します。

でも「この加工はA工場でしか出来ない」との声も確かにあります。

ユーザーからは「同じ機械を使っているのにナゼ?」と質問されても、それは
各工場の環境・設備・方法など、いろいろな「工夫」をプラスされての結果です。


それは「関係者立入禁止」の工場を見学できたとしても、発見するのは至難の技。
よく確認するのはテンションウエイトの数や加工スピードですが、目に見えるのは
ほんの一部分だけで、それも意外と見逃している個所のほうが多いのです。

メンテの立場上、ヒントや方法を教えなければならない仕事もあります。
でも帰ってくる返事は「なんだ、そんなことか!」単純といえば単純な結果。

バルーンの距離・糸道の流れ・テンションの方法・位置などなど。
作業とすればスパナ一本で出来ることもあり、それを調整と言います。

調整とは使いこなすためのワザで、切れない包丁では料理できないのと同じです。
材料を知り、切り方を工夫する。大根が千切りになったり網目模様にもなります。

糸の特質はもちろんの事、機械の状態を見極めてこそ「対応」も出来るのです。
この対応に「差」がでることが問題なのだが、これは「工夫」の数に比例する。

「工夫」とは、自分で考え実行するから価値がある、しいては自分の財産にもなる。
教えた対応は、大抵はその場限りで忘れてしまうことの方が多い。

機械とはあくまで「道具」であって、使いこなしてこそ真価を発揮する。
使うのも人間、工夫するのも人間。考えなければ道具は使えない。

今回はあえて事例を書かなかった。まず自分で考えて欲しい
「なぜ?」「どうして?」「どうしたら?」

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メンテお気楽日記 6月14日 お疲れメンテ

2013-06-15 | メンテナンスお気楽日記
工場、特に企業工場に入ると、ちょっと近寄り難い?工員さんを見かける事がある。
話しかける間も取りにくく、黙々と作業している。バリアーの風さえ感じてしまう。

ものづくりの現場、作業現場では、仕事に集中することの大切さは理解しているが、
ものには限度ってものもあるだろうし、仲間どうしのコミニケーションってのも大切。

昔から職人気質をあらわす言葉には、偏屈・一徹・変わり者ってのがあるが、
これらは、自分の技術に自信があるが故に、他人のことばを受け入れない人格のこと。

「自分のやり方に間違いは無い!」と言い切れる人は、確かにそれなりの?技量と技術を
持っていることも事実だが、それ以上の発展もなく進展もしない。・・・なんて、まず反発。

職人世界、えてして「ものづくり」の現場では、多く、成りがちかもしれないが、
原因はモノしか見えないというか、使う人・人間不在のものづくりに陥りやすい。

以前?今も?。北陸の繊維工場は委託加工が主流で、社長ですら何のための糸を作って
いるのか知らない事が多かった。商社からの指示書どおりの糸を作れば、仕事として
成り立っていた。それもなんか変とも感じたが、委託加工とすれば当然か?

仕事とは、他人様のために体を動かして給金をいただき「ありがとう、ご苦労様」の
言葉に「満足」を覚える。

そう、今日の仕事に「ありがとう」が聞けなかった。それ以上に高飛車な無視さえ
感じた。作業中も息苦しかったが、作業を終えたらドッと疲れが出た。

こんな日もあるさ、こんな人もいるさ。
きっと虫の居どころでも悪かったんだろう。気を取り直して明日に備えよう。

                 「工料ちょっと多めに書いたろ・・か」

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