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第215回 インドの英語-英語弁講座12

2017-05-05 | エッセイ

 英語大国「インド」の話をしようと思います。活気に溢れるニューデリーの街です。



 インドで、英語がそれなりに話せる人がどれだけいるか?

 2011年の国勢調査を信用すると1割強ということなので、1億3000万人ということになる。数だけでいえば、アメリカに次ぎ、イギリス(6400万人)の倍、ということなので、話せる人の数だけで言えば、「英語大国」に違いありません。

 そもそも、同じ言葉を使う地域を州として設定したという歴史的な経緯があるので、州が変われば言葉が変わる、そして、公用語だけで、22もある国、インド。

 イギリスによる植民地支配の遺産とはいえ、そんな多様な言語(母語)を抱える国で、違う言語を母語とするインド人同士がコミュニケーションを図ろうとすれば、英語が一番便利、ということになってしまうんですね、

 その上、国内だけでなく、海外も含めて、幅広いコミュニケーションを必要とする人々というのは、概して、教育水準も高く、社会的地位も高いのが普通です。だから、英語を使える、ということがステータスシンボルになるのも必然といえます。

 加えて、IIT(インド工科大学)の設立など、国策としてIT産業と、それを推進する人材の育成が着実に実を結び、インドはいまや、IT大国です。ITといえば、グローバル、そして、英語が「公用語」。

 さて、そんなインド人の英語について・・・私自身、インド人の話す英語は、たまに国際会議のニュースでインド人が発言するのを、テレビとかで見聞きする程度ですが、なんとも独特の「クセ」があって、満足に理解できたためしがなく、落ち込みます。

 総じて早口なうえに(そう「聞こえる」だけ、という人もいます。確かに、アメリカのおネエちゃんなんかのほうが、スピード的には速いかも知れない)、独特のアクセント、読みクセ(bird(鳥=バード)をビルド、park(公園=パーク)をパルクなど)もあって、単語、構文、文法は、英語なんだけど、「英」語でも、「米」語でもなく、「インド」英語として、すっかり定着していると理解した方がよさそう。

 「クセ」は「クセ」ながら、基礎的能力として、英語が操れる人口が多いことを利用して、成長しているのが、電話によるサポート業務の代行、アウトソーシングです。

 例えば、アメリカの顧客からのトラブル、使い方の説明などを代行する場合、いくら英語とはいえ、インド英語そのままでは、顧客の不信を招くから、というわけで、オペレーターに、徹底的に「米語」での応対を叩き込む様子を、以前、テレビでみたことがあります。

 単に発音だけでなく、アメリカ人独特のフレンドリーさ、カジュアル感までものの見事にマスターするのは、基本中の基本。場合によっては、ある程度の土地勘が求められたり、映画、テレビなどポップで最新のカルチャーにも通じている必要がある。

 言葉自体のハードルが低いとはいえ、それらを身に付けていく彼ら、彼女らの能力の高さに驚きます。子供向け、イギリス向けなど、ニーズに応じて分野を拡大していく逞しさもなかなかのもの。

 格好の例が、電話を通じて、異性と性的な会話を愉しんで料金を支払う「セックス・テレフォン」。アメリカ版の場合、電話の向こうにいる女性は、アウトソーシング先で待機しているインド人女性である場合が多いんだとか。語学力を活かした「インド人もびっくり」の商魂です。

 それにしても・・・・

 いかがでしたか?次回をお楽しみに。

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