★★★ 芦坊の書きたい放題 ★★★

   
           毎週金曜日更新

第252回「かるた」を作る その2

2018-01-26 | エッセイ

 前回に引き続き、「かるた」作りの後半をお届けします。まずは、句会関連から・・・

<な> なりすまし句に点数入れてもた
ーてっきり女性で、あの人だろうと点を入れたら、なりすまし。やられた~、でも悪い気はしません。盛り上がりますし・・・

<ら> ラム酒が好きとか言ってたあの娘(こ)どうしてる
ー本当は、テキーラが好きだったんですけど、「ら」が思い浮かばず、ラム酒になりました。すいませんー

<む> 昔のことは聞き飽きたぞ
      
<う> うんうん、アンタがエラいのはよく分かった
ーいきなり、私は、元なんとか銀行の、なんたら部長で、今は、銀座で、かんたらという会社をやってる、と言い放つ人がいましたっけー

<の> ノリノリで 飲んで気がつきゃ 2時、3時
ーカラダ、大事にしてください。一応、五七五に収めてみましたー

<お> 大瀧賞狙いのエロ句
ーエロいだけじゃダメなんだってばー

<く> 苦労して手入れしたアカザの杖(つえ)を齧(かじ)られた
     
<や> やれやれ店じまいと思ったところへ団体客
ーありがたいんですけどね~、せめて電話一本ー

<ま> また来るよと言うだけで来ない

<け> 剣術の稽古とお店の両立難しく

<ふ> 富士山と大島の眺めがご褒美 山岳部
ーキジ撃ちも花摘みもあった「房の大山」縦走、お疲れさまでしたー


     
<こ> これから準備という時の客はちょっと困る
     
<え> 笑顔がなによりの酒の肴
     
<て> 点数を入れたい句が少ない
ーだからといって、自分の句に入れるのはねぇ~

<あ> アブナい芸もある忘年会
ー去年は上品な会場なので、封印しましたけど・・・・

<さ> 最後まで居るけど 何が目当て?
     
<き> 今日も雨 つらい自転車での買い出し
     
<ゆ> 浴衣の美女に交じるジジイ
ーいや~、なんと言われようと、結構でしたー

<め> 面倒な酒の飲み方を注文しないで

<み> 土産(みやげ)が並んで酒がすすむ
ー私もたまには何か、と思うんですけど・・とりあえず、いただきま~すー

<し> 終電で寝過ごして新潟
ー帰れたんですかぁ?ー

<ひ> ひとりで来て 皆んなと盛り上がる
     
<も> 儲からないけど意地で続ける
ーそう言わず、儲けてください。新料金になったことですし・・

<せ> 席順で盛り上がったり盛り上がらなかったり
     
<す> すぐに回ってくる連句の順番
ー特にマスターは、接客しながらの参加ですもんねぇー

 テーマを設けて作ると、(出来不出来はともかく)意外と簡単で、楽しく、クセになりそうな予感がします。皆さんもいかがですか?それでは、次回をお楽しみに。


第251回 「かるた」を作る その1

2018-01-19 | エッセイ

 正月なので(とこれは、こじつけでなく)、「かるた」の話題をお届けしようと思います。

 古書店で、村上春樹の「村上かるた うさぎおいし~フランス人」(文藝春秋)という本が目に止まり、購入しました。こちらです。



 表題のほか、「アリの世界はなんでもありだ」「クマの宴会で耳たぶをとられた」「ニラレバの世界にタラレバはない」「猫にジェームズ・コバーン、豚に牧伸二」など、彼一流のセンス(?)と語呂合わせで作った「かるた」作品に、ミニストーリーがついています。小説ばかりじゃ煮詰まるので、こんな言葉遊びで、息抜きしてるようですね。そうそう「またたび浴びたタマ」(同)なんて回文集も出してます。

 「いつものお店」をテーマにしたら、私でも作れるかな、と始めたら、10個くらいが、割とスラスラと出来たんです。それならと、本気モードで、つれづれに作ってみました。プロにはとても及びませんが、所々のコメントも含めて、「遊び」として、お楽しみいただければと思います(いろは順で、「を、ゐ、ゑ、ん」はありません)。では、さっそく・・・

<い> いつまでも続け このお店とお客さん
    ーいろは順の「い」の札って、「かるた」の顔みたいなものですから、真っ向勝負の文言
    が多いですね。「いつもニコニコ元気な子」みたいに。でも、これは、私のホンネ+マス
    ターへの敬意ー

<ろ> 芦坊がいるから水曜日
    ー最初にこれができました。自分で作ると、こんな厚かましいことができる、という見本
    です。すいませんー

<は> 初めてのお客様 大歓迎です
   
<に> 日報をチェックして店へ行く
    ースマホにして、店に顔を出す直前まで、日報のチェックが出来るようになりました。基
    本のマナーだと思いますー

<ほ> ほかの店へ行けないカラダになった
      
<へ> 変な客でも客は客

<と> 戸口から覗(のぞ)くだけで 入ってこない
      
<ち> 千鳥足になるまで飲んじゃダメ
     
<り> 理路整然としてたのは 酔っぱらうまで
    ー聞いてるこっちもモウロウとしてきましたから、いいんですけど・・・・

<ぬ> ぬ~っと入ってきたけど 誰だっけ

<る> 留守番を頼まれたけど 知らない客が来た
    ーちょっとした買い物とか、用事で、マスターが一時的に店を空けることが、たまにあり
    ます。知らないお客さんが来た時には、無難な話題で、つないでますー

<わ> 忘れた客の名前をそっと店の娘(こ)に訊く
    ーお店を手伝ってる女性の顔と名前を覚える能力に感心します。マスターも、たまに、こ
    っそり訊いてません?ー

<か> 開拓団終わってすぐに次の計画
    ーこの熱意あってこそ、続いてます。ご苦労様ですー

<よ> 読み上げ次第で盛り上がる句会
    ー最近は、読み上げも分担制が定着して、みなさん、俳句以上に個性を発揮。いいと思い
    ますー

<た> たかが1500円を高いという客
    ー4時間いたんですよ!4時間も・・・

<れ> 連日のタクシー帰り
    ーたまには電車で帰ってください。私も(出来る限り)協力しますから・・・

<そ> そばに女性が座ってラッキ~
    ーだいぶジジイが入ってますけど、やっぱり嬉しいー

<つ> 杖(つえ)はアカザに限る
    ー材料は十分に揃って、あとは加工待ちですね。なんて、プレッシャーかけてどうするー

<ね> 眠ってる顔が素敵って オレのこと?

 いかがでしたか?後半は、次回お送りします。お楽しみに。


第250回 京のユニークな街づくり

2018-01-12 | エッセイ

 お正月ですので(と、無理にこじつけて)京都の話題をお届けします。

 全国的に京都は人気があります。住みたい街とか、行きたい観光地とかのランキングでは、必ず、上位に顔を出します。歴史、文化、伝統の重みなんでしょう。

 一方で、京都人独特のプライドの高さとか、「イケズ」(意地悪)な振る舞いなどについて、(たいていは、京都人自らが)こき下ろす本も、話題になったりします(当ブログでも、「京都のイケズ」(第58回)として取り上げました)。最近では、京都出身の井上章一が「京都ぎらい」なんて、そのものズバリの本を出しています。

 好きにしろ、嫌いにしろ、何かを語りたくなったり、商売のネタにしたくなるのが「京都」というところのようで、つくづく不思議な街です。

 住んだことはありませんが、関西出身でもあり、京都は、それなりに馴染みのある土地です。なので、その手の本が出たら、割合こまめにチェックしてます。

 最近、そのチェックに引っかかったのが、「ときどき、京都人」(永江朗 徳間書店)です。
 著者の永江は、編集者を経て、現在は、エッセイストが本業ですが、茶の湯を本格的に楽しむために、京都市内の町家を改装、購入しました。そして、月の10日ほどは、京都で、残りは東京で、という生活を続けています。タイトル通りです。

 永江の京都に対するスタンスを一言で言えば、「自然体」ということになるでしょうか。とにかく自分の足で、実にこまめにあちこち行ってます。「よそもの」だからこそ見えるものに、素直に驚き、感動し、時に戸惑うこともありますが、変におもねることもなく、あくまでポジティブに受け入れ、心から楽しんでるのが、ストレートに伝わって来ます。久しぶりに心地よいエッセイ集に出会いました。

 その中で、京都の街づくりに触れている箇所がいくつかあります。いかにも京都的で、ユニークなので、まとめて、ご紹介しようと思います。

 なにはともあれ、下の画像をご覧下さい。お馴染みのお店が、京都ではこんな地味な看板を出してます(商品メニューとか、告知が、派手派手なのが笑えますが)。
 「京都市屋外広告物等に関する条例」によって、広告物に、ケバケバしい原色は使えません。白を基調に、グリーン、茶などの使用が基本です。私が若い頃、あの「マクドナルド」が、京都では、看板の色を変えた、というので、随分話題になったのを覚えています。きのう、今日の取り組みじゃないんですね。

 その後、2014年9月から、この条例が完全施行され、パチンコ屋のような点滅看板、ビルの屋上看板、そして、道路に張り出す袖(そで)看板などが禁止となりました。

 都心の繁華街などで、目立ってなんぼ、といわんばかりに、派手さを競う看板、広告が乱立してるのを見る(見せられる)たびに、腹が立ち「ちっとは京都を見習え」と、(無理は承知で)心の内で叫んでいます。

 次は、歩道の拡幅です。でも、やり方がハンパじゃありません。

 片側2車線の道路の、各1車線をまるまる歩道にするというものです。

 場所は、市内一番の繁華街である四条通の約1.4キロの区間です。2013年11月から始まった工事は、今も続いています。同じやるなら、これくらい大胆なことをやって欲しいもの。
 「広い歩道」に挟まれた「狭い車道」を、車の方が、遠慮しいしい走る。なかなか愉快じゃないですか。工事が完了したところは、こんな感じです。車道って、ずいぶん広かったんですね。

 車にとっては、渋滞がいい迷惑かも知れませんが、ちょっと迂回してもらえば済む話。歩行者、観光客もゆったりできるから、道沿いのお店も潤って、いうことなし。コロンブスの卵みたいな施策ですけど、実行に移してるのは立派です。

 最後は、交通信号の廃止。

 三条通の300mほどの区間にある信号(数は書いてませんでしたが、交差点の数からして、4カ所くらいじゃないでしょうか)を廃止しました。
 この周辺を「歩いて楽しい街なかゾーン」と名付けて、街歩きをゆったりと、楽しんでもらおうという取り組みの一環とのことですが、こちらも、負けず劣らず大胆な施策です。

 車にとっても、歩行者にとっても、信号って、鬱陶しいだけですからねぇ。なきゃないで、車も歩行者も気をつけるから、かえって安全向上にもつながるはず。
 交通安全と言えば、とにかく信号の設置。増えることはあっても、減ることはなく、結果、日本中が信号だらけとなってる現状には、うんざりします。

 お役所って、スローガンを作ったり、掛け声をかけるのは、好きで、得意ですけど、それだけで終わってるのが、実に多いです。
「歩いて楽しい」を実現するために、信号を廃止する・・・具体的な施策とセットで推進する京都のやり方を、是非見倣って欲しいものです。

 いかがでしたか?次回をお楽しみに。


謹賀新年 新年第1回目は、1月12日(金)にアップの予定です

2018-01-01 | エッセイ

 新年あけましておめでとうございます。「芦坊の書きたい放題」をご愛読いただきありがとうございます。

 新年第1回目の記事アップは、1月12日(金)を予定しています。

 引き続きご愛読いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 皆様のご健勝、ご多幸をお祈りいたしております。 芦坊拝