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第267回 facebookの今

2018-05-11 | エッセイ

 いきつけの店が、最近、facebook(以下、FB)を始めたので、時々、チェックしています。私自身は、アカウントの取得はしていませんが、見るだけならできますので。マスターと、お店を手伝ってくれている女性がメンテの担当です。マスターもだいぶ手慣れてきたようで、更新もこまめになってきました。お店での話題や、マスターのアカザの杖作りの経過などが、ほぼリアルタイムで紹介され、結構和みます。


 さて、今や、全世界で16億5000万(2016年4月現在)、日本でも2500万の利用者がいるといわれているSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の雄FBですが、ちょっとした「異変」が起こっているというのです。それは何かと言えば、若者(特に十代)のFB離れ。

 個人的には、ヴァーチャルな世界にいまひとつ馴染めず、先ほど書きましたようにアカウントも取得していませんが、ネットの世界での「異変」とあって、ちょっと興味をひかれました。ITジャーナリスト高橋暁子氏の記事(「ヨミウリ・オンライン」から)をベースに、ご紹介します。こちら、おなじみのロゴです。



 まずは、データです。さるソフト開発会社のサンプル調査によると、FBを利用してる10代の割合は、2015年に45%だったのが、16年には、27%と大きく落ち込んでいます。全世代の利用率は、36%で、ほぼ横ばいということなので、10代の減少ぶりが突出しています。

 新成人を対象にした別の調査でも、2012年の利用率48、8%が、16年には、36、6%と、同じような傾向を示しています。

 10代を中心とした若者のFB離れは間違いないようです。で、その原因ですけど、高橋氏によれば、いまやFBが、「中高年の交流場」になっているから、というのです。

 確かに、スマホやタブレットの登場、使い勝手のいいアプリの登場などもあって、FBに限らず、中高年のネット利用が増えているのは間違いないでしょう。

 しかも、さすが、中高年。FBに関して言えば、彼らの使い方は、逞(たくま)しいんですね。
 イベント、催し物、カルチャースクール、趣味のサークル、グルメなどの情報交換(中には、自慢もあるのでしょうが)を通じて、自分たちの「リアルな生活」を充実させるためのツールとして、活用するのが、主流だというのですから。
 ヴァーチャルな世界での友だち作りに精を出したり、フォロワーの数を競い勝ちな若者とは、一線を画しています。

 そんな背景で、中高年がどんどん進出してきたFBって、若者にとっては、(あくまで気分的なものですが)もはや「ジジ臭い」サービスに見えるんじゃないでしょうか。
 中高年からの「いいね!」がウザい、という現実的なこともあるのでしょうが、最先端のサービスを使いこなしてるという優越感、若者同士(だけ)でつながってるという特権意識が薄れてきて、なんだかなぁ・・・と感じる若者も増えるはず。

 とりわけ、10代の若者にとって、中高年が利用しだすということは、自分たちの親、教師などが利用するということです。基本的に、どんな人と、どんなやりとりしてるか、マル見えですからね。

 「これって、ヤバくねぇ?死活問題かもな」と、私でも、そう思います。

 で、FBを追われた(?)若者が向かってる先が、LINEとか、Twitterとか、Instagramだというのですが・・・・

 確かに現状では、中高年には、多少ハードルが高い、というか、馴染みが比較的薄いSNSのようです。だけど、それも時間の問題じゃないでしょうか。サービス提供側も、まさか年齢制限というわけにはいかないでしょうし、利用者を増やす努力はしなければいけませんから。

 結局、逞しい中高年が大挙参入ー>逃げる若者ー>新しいSNSサービスの開発・・・といういたちごっこが、当分続きそうな気配です。

 リアルとか、ヴァーチャルを問わず、人と人との交流は、楽しいものですが、ストレスもあります。まして、ネットという広大な世界にコミュニケーションを求めるのは、楽しみも大きい分、ストレスも大きいのではないでしょうか。

 利用するなら目的をはっきりさせて、というのが、とりわけ中高年にとっては、ひとつの知恵のような気がします。

 いかがでしたか?次回をお楽しみに。

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