A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

TOUCHING WORD 052

2008-06-25 01:23:41 | ことば
川はなんでも知っている。人は川からなんでも学ぶことができる。
(p.68 「シッダールタ」『新潮世界文学37 ヘッセⅡ』ヘルマン・ヘッセ 高橋健二訳 新潮社1968.11)

彼は川から絶えず学んだ。何よりも川から傾聴することを学んだ。静かな心で、開かれた待つ魂で、執着を持たず、願いを持たず、判断を持たず、意見を持たず聞き入ることを学んだ。
(p.69 同上)

川はなんでも知っているという。
では、川のそばにある美術館・ギャラリーであれば、より何かを学べるかもしれない。
そこで試みにではあるが、川が見える、川がすぐそばにある美術館・ギャラリー10選を選んでみたい。

1.武蔵野美術大学美術資料図書館
 玉川上水が側に流れ、武蔵野の自然と住宅街が同居する場所にある大学図書館兼美術館。

2.東京国立近代美術館
 正確には川が見えるのではなく、皇居のお濠が見える美術館。常設展示室の4階休憩室、2階ロビー・テラスからお濠が見える。お濠の水の流れがこちらの心までスローにしてくれます。川の流れのようにゆっくりと美術鑑賞をどうぞ。工芸館からは千鳥が淵はすぐそこ。角度違いで出光美術館からもお濠鑑賞可能。

3.目黒区美術館
 館内から川は見えないが、すぐ側に目黒川が流れる美術館。同じ敷地内に図書館もあり、のんびりできる。目黒駅から美術館に行くときは、権之助坂を下り、目黒川を橋を渡って行くことになる。中目黒駅に出るには、目黒川沿いに約15分ほど歩けば着けます。ややドブ川の匂いが残念。桜の季節はとてもきれいですが、人の川もあります。

4.国立国際美術館
 大阪・堂島川、土佐堀川に挟まれた中之島にある美術館。こちらも展示室は地下にあるため川は見えないが、心なしか川からの風が吹いてくる気がする。

5.art & river bank
 多摩川の側にあるため、まさにriver bankなギャラリー。東横線が高架線路を通過する音、川べりで練習しているのかトランペットやギターの音色が時おり聞こえてくるが、そんな音さえも気持ちいい。

6.taguchi fine art
 最寄り駅は地下鉄東西線茅場町駅。亀島川沿いにあるギャラリーだが、残念ながら窓からは川は見えない。だが、重厚な建築含めて静かで良質な展示が見れるギャラリー。

7.GALLERY MAKI
 こちらも茅場町駅最寄だが、隅田川沿いにあるギャラリー。団地の一部屋のような空間に驚いてはいけません。われわれが見るべきは窓ごしから見える川と作品です。

8.すみだリバーサイドホール・ギャラリー
 隅田川がすぐそばに流れるリバーサイドなギャラリー。残念ながら展示室から川は見えないが、地下鉄浅草駅を利用する場合は、川を行き来することになる。展示の帰り、見た作品が川と較べてよかったかどうかを考えてみる。

9.Gallery LE DECO
 渋谷川そばにあるギャラリービル。貸画廊メインでけっして質がいいわけではなく川も展示室からは見えないので、あげるかどうか迷いましたが他に思いつかなかったもので・・。渋谷川は都心の川らしく汚いです。しかし、この界隈の汚さとあいまって(場外馬券場が近くにあるため?)、渋谷周辺では取り残されたような感じがあります。実は渋谷のこういう雑多な感じも嫌いではないのです。

10.BankART Studio NYK
 最後に川ではなく港が見えるギャラリーを。横浜界隈は川が多く、散歩すると川が作りだすリズム、空気、風景にこちらの気持ちが穏やかになっていきます。残念ながら、このギャラリーの展示はこちらの気持ちを穏やかにさせてくれることはあまりないのですが、2階から見える川と風景と風はやはり気持ちいいものです。

以上。暫定的ではありますが、川がある/見える美術館・ギャラリー10選でした。






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