佐渡の翼

佐渡の観光名所紹介、佐渡の宿泊施設の宿泊記、佐渡の全飲食店と東京都内高級レストランの食べ歩記、ヨーロッパ及び国内旅行記事

もしも「佐渡伊勢丹」があったなら    投稿者:佐渡の翼

2012年08月03日 03時02分57秒 | 佐渡観光に関するアイデア

佐渡市商工観光課は、低迷する佐渡観光を盛り上げる起爆剤として、新潟伊勢丹の佐渡出店を後追しする計画であることを明らかにした。現在でも新潟交通バスステーションに隣接する形で、ギフトショップ専門の伊勢丹関連ショップが営業中だが、伊勢丹はこの店舗を閉鎖した上で、日本海をのぞむ相川地区の高台に新店舗をオープンさせる計画だ。伊勢丹によると、店舗は4階建てで、そのコンセプトは「お洒落で清らかな島佐渡」をイメージしたものになるという。業態は百貨店形式ではなく、島民よりもむしろ、流行に敏感な島外の人々をターゲットにしたセレクトショップ形式にするという。佐渡市商工観光課と東京新宿にある伊勢丹研究所が協同で1年に渡り、綿密なマーケットリサーチを繰り返した結果、充分採算が取れると判断し、店舗開設に踏み切ったとのことである。計画では、1階が、佐渡産の限定品を集めた販売フロア、2階にレストラン街を配置し、3・4階は佐渡市の少子化対策とタイアップした、子供向けのアミューズメントスペースにする予定。島外のマスメデイアが最も注目するのは、1階フロアに陳列されたレア物商品だ。厳選された、「佐渡島内でしか手に入らない名品・逸品」がずらりと並ぶ予定。その一部を紹介してみよう。「佐渡の有名蔵元が貯蔵する門外不出の銘酒を、伊勢丹が独自のルートで買い付け、期間限定及び数量限定で販売する」コーナーが目を引く。日本酒愛好家の耳目を集める存在になりそうだ。女性が喜ぶバッグ売り場には、佐渡特産の竹細工の技法を生かし、ルイヴイトン社とコラボレートした、佐渡限定のルイヴイトンの竹篭バッグが置かれる予定だ。バッグの留め金部分には佐渡特産の赤玉石が配置され、そこにさりげなくLVのロゴが彫り込まれている。竹細工とルイビトンのブランドの融合という意外性が実に新鮮だ。こうしたコラボレーションがしかけられるのも、伊勢丹ならでは。島外のブランド愛好者及びセレクトショップのバイヤーなどが大挙して押しかけそうだ。一方カジュアル衣料のコーナーには、佐渡特産の裂き織り生地で仕立てたジージャン風ジャケットや、尻のフラップポケット部分を裂き織りで作成したTrue religionのジーパンなどがdisplayされていて、若者にも大人気のショップになりそうな予感がしてくる。その他、木で組み立てる佐渡汽船カーフェリーの大型模型、地元の佐渡島民でも知らない隠れた有名史跡の写真集、鬼太鼓の演じ方を収録したDVDなど、大人も子供も楽しめるアイテムでいっぱいになる予定だ。佐渡汽船は、佐渡伊勢丹で1万円以上の買い物をした乗船客に、帰りの船賃を1割割り引くサービスで島外からの買い物客誘致に全面的に協力することを申し出ている。伊勢丹は、佐渡汽船の発着に合わせて、両津港ターミナルと佐渡伊勢丹を結ぶシャトルバスを無料で運行する予定だ。

これは、ルイヴイトンのロゴ入り輪島塗。輪島市が提案したご当地産業とブランド品とのコラボレーション例である。

2階のレストラン街に目を転じると、これまたお洒落なショップが目白押し。このフロアで営業する飲食店は、全て佐渡産の食材だけを使用することを義務付けられている。全国夕日百選に選ばれた相川の夕日を眺めながらのデイナーが楽しめる、懐石風フレンチレストラン「イル・ビゴーレ」は既に半年先まで予約で一杯とのことだ。佐渡出身で首都圏で活躍する若手シェフに経営を委託する。メニューの一部を紹介しよう。「前菜(さざえのうに和え、鮎の一口鮨、しただみのスパイス焼き白アスパラ添え)、有機野菜のマリネ、へんじんもっこの生ハム添え、かぼちゃの冷製スープ、メインは、(佐渡産すずきのロースト、野菜のヌイユ仕立て)あるいは(佐渡牛のロースグリル本わさび風味)のいずれか一品、食後に佐渡産チーズの盛り合わせ、デザートは、沢根団子・自家製のヨーグルトシャーベット、ハーブテイ」。佐渡汽船は、デイナーを楽しんだ後、新潟へ戻る客の利便性を高める意味もあり、従来から要望の高かった、両津及び新潟発9時台の深夜便の復活を検討中とのことだ。

佐渡の地魚をろばたで焼いて料理する居酒屋は島内では定番だが、旬の魚の素材のよさを生かし切る料理人を島内から厳選して採用し、佐渡の旬の魚介類を寛いだ雰囲気で楽しめる、ろばた焼きを併設した和食のお店、「いわゆり」がオープンする。「寒ぶりづくしコース」「牡蠣づくしコース」「ヘルシーな佐渡の海藻づくしコース」など季節毎に、特定食材づくしのコース料理も提供する。都会にありがちな、メニューの品数が多いなんでもありのチェーン店風居酒屋を排し、良質な佐渡産食材のみを使用し、品数を押さえた創作和食料理を提供し、島内外の食通者を取り込む戦略だ。

佐渡島内の隠れた有名ラーメン店が月変わりで出店する、「佐渡ラーメン情話」には行列が絶えないのではないかと、早くもラーメン好きな人々の関心を集めている。島外からの客が行列するため、佐渡島民でもなかなか食べられないという皮肉な現象も起きかねないとの懸念も出始めている。ちなみに初回は、「二見食堂」が出店する。

佐渡前の握りずしコーナーには、佐和田の「りき寿司」が満を持して、「りき寿司プラス」の店名で出店する。内装は、銀座久兵衛の内装をてがけたデザイナーがプロデュースしたもので、シックで落ち着いた店内となっている。味は折り紙つきだが、更に個室も用意されており、洒落たデートスポットとしての利用も想定した作りとなっているのがうれしい。

中華に関しては、出店希望者は多数いたものの、料理の質がチェーン店のそれを越える域を出なかったため、出店は断念し、変わりに、佐渡産和菓子を味わう甘味喫茶を設置することで落ちついた。レストラン街の料理の一部は、1階フロアでも販売される予定だ。イートインコーナーもあり、レストラン街に入りきれなかった観光客が行列するのを心配する声も上がっている。

家族連れの買い物客に配慮し、3・4階のスペースには、やや高級な子供向け用品やおもちゃの売り場が配置され、子供の遊び場や親子の休憩所も設置される。更に保育師が常駐しているので、子供を預けてから、夫婦で映画や演劇を楽しめる、ミニシアターも併設する予定だ。又、島内初のファミリーレストランの誘致も打診中である。

佐渡伊勢丹構想は、島外からの観光客の誘致ではなく、買い物客の誘致に主眼をおいており、実に斬新な発想である。その意味で、島内外から注目を集めているプロジェクトと言えよう。成功の鍵は、往復4千円の船賃を払ってでも買いに行きたいと思わせるような魅力的な商品開発と品揃えであろう。伊勢丹の仕入れ販売のノウハウを生かしながら、佐渡島民が、いかにして独自の商品を発掘し続けていけるのか、まさにその力量が問われている。佐渡伊勢丹は、子供、若者、大人からお年寄りまで、幅広い世代が楽しめるエンターテインメントの場としての利用が見込まれているが、島外からの買い物客を、その後の観光にどのように誘導していけるのかが今後の課題になりそうだ。

以上は2007年7月24日にウエブ上で公開された、翼君の処女作にして不朽の名作である「佐渡伊勢丹構想」に関する創作話(あくまでもアイデアに過ぎないフイクション)である。当時から翼君の文章作成能力の高さと優れた情報発信力並びにその感性の豊かさに着目する島民は多かったらしく、コメント数は95件に達し、そのあまりにも鮮烈なデビューはその後の多くの人々の耳目を集める結果となったのはご存じのとおり。その後、翼君は、島内の飲食店や宿泊施設の辻斬りを重ね、その評価能力を不動のものとした。彗星の如く出現し、そして黒船来襲のように迎えられた翼君だが、2008年4月にパクリ事件をすっぱ抜かれるに及び、これで一巻の終わりかと思われたが、それが返ってその人気に火を付けたのだから、正に「禍福は糾える縄の如し」「失敗は成功の元」を地で行く翼君であった。翼君は、挫折をバネにして不死鳥の如く蘇り、成功を収めた経営者のビジネスモデルになるかもしれない。

かつて、麻布十番にあるミシュラン★★の和食屋「かどわき」が、中国産の安っぽいトリュフにトリュフ油を塗ったトリュフ丼を、フランス産と偽って提供したのを週刊誌がすっぱ抜いた事があった。血管の中を血液の代わりに赤ワインが流れている、川島なおみらのグルメ通芸能人もころっと騙され、美味いと言って食べていたのだから、血管の中を普通の血液が流れている女などは容易に騙される。皮肉にもトリュフ事件以後、芸能人も騙されるほど旨いのかと、「かどわき」には予約が殺到したそうだ(詳しくは東京いい店やれる店参照の事)。医療事故をおこした大学病院へ、事故後患者が殺到するのも同じ心理で、事故の再発予防策が徹底したから、二度と事故は起こさないだろうと思う患者心理が働く結果だそうだ。翼君のパクリ事件は、パクル必要などないくらい文才に溢れた人なのに、どうして?と思う人々のはてな興味心理をブログ閲覧へと導かせる効果があった。いずれも怪我の功名の代表例であり、人生七転び八起き、転んでもただでは起きない精神が必要を実感させるに充分なエピソードである。

なお、提案されたアイデアの幾つかは5年後の今、佐渡島内の各所で結実している。「佐渡伊勢丹構想」が今後の佐渡観光活性化の参考になれば、それは筆者の望外の幸せである。なお、旧記事に加筆して新規掲載する手法をrehash(焼き直し)と呼んでいる。

 伊勢丹地下のスイーツコーナー。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿