早いもので、今年もあと8ヶ月あまりで暮れる。一ヶ月後のゴールデンウイークが過ぎればあっと言う間にお盆が来るし、それが終われば紅葉の時期が来て、遠からず年末年始を迎える。浅草寺の12月の風物詩と言えば、その境内で開かれる「羽子板市」だろう。この日は職人が丹精込めて作成した豪華な羽子板が所狭しと並べられる。この羽子板市はその年の世相や人気者をあしらった羽子板を並べる事でも有名である。2013年の羽子板市では、初出店の人形問屋「久月」さんが、東京五輪招致、半沢直樹の倍返し、国民栄誉賞に輝いた長嶋茂雄終身名誉監督と元巨人軍松井選手、日本一に輝いた楽天球団の星野監督と田中投手、英国のロイヤルベビー誕生などをあしらった羽子板を出品していた。羽子板には魔除け、厄除け、邪気払いなどのパワーがあるとされ、女の子が生まれると、その初正月にお祝いに贈ったりする縁起物である。羽子板市の開催日は毎年12月の17日から19日までと決まっており、筆者は、昨年の12月17日にこの歳の市を訪ねてみた。大提灯が新調された雷門(右手に風神、左手に雷神があり、風雷門と呼ばれたがいつしか雷門と略されるようになった)を潜ると仲見世通りになっており、その両側にはお土産店が並び、その終点が宝蔵門で、そこから境内に入るとこの市が開かれていた。羽子板の値段はピンは1,000円からキリは100,000円まで様々だが、見返り美人、助六、音羽屋、歌舞伎役者など豪華絢爛たる羽子板が並び歳末気分を盛り上げていた。羽子板専門店の「江戸勝」さんの前にはテレビクルーがいて羽子板の購入風景を撮影中であった。クルーの一人がカメラアングルの中に入った男性氏を指さし、「あの人映っても大丈夫ですよねえ~」と、その男性の友達に尋ねたら、友達君は「あ、彼は大丈夫っすよ、ほっといて下さい」と答えていた。
羽子板市をぐるりと一回りしたところで、ライトアップされた浅草寺の撮影に取り掛かった。浅草寺のライトアップは2005年の10月から毎晩実施されているが、意外にその事は知られていない。浅草寺界隈は昼間は観光客で賑わうが、仲見世通りにシャッターが降りる夜間は人影がまばらになる。そして浅草寺境内には散歩がてらライトアップを楽しむ人や写真撮影を行う人々が集まり始める。市が開催される時以外の境内は静かで、闇夜に浮かび上がる本堂や五重塔の朱色と黄金色のコントラストは実に綺麗である。今後、佐渡の妙宣寺の五重塔のライトアップを仕掛ける人が出て来るかもしれない。なお、本日の写真は全てEOS-1DXで撮影した。
浅草駅とエキミセ
アサヒビール本社の金色オブジェ
雷門の大提灯
仲見世通りは
早くも
お正月気分
宝蔵門
豪華な羽子板達
浅草寺境内から見たスカイツリー
裏手から見た宝蔵門
境内にある線香の煙。この煙を浴びると長生きすると言われている
本堂
本堂越しに見た五重塔
仁天門
世相羽子板
それを出品した「久月」さん越しに見た五重塔
羽子板を示しながらアピールするお兄ちゃん
振袖羽子板
助六羽子板
火消し纏羽子板
音羽屋羽子板
歌舞伎役者羽子板
羽子板専門店の「江戸勝」さんの前には、
それを撮影するテレビクルーがいた
本堂前をローアングルで撮影
本堂から宝蔵門を見たところ
本堂の賽銭箱から境内を見る。初詣の頃はさぞかし立錐の余地も無かったであろう。
ご本尊
本堂内の行灯
本堂に飾られた巨大羽子板
浅草寺提灯
浅草寺に隣接する浅草神社
宝蔵門、五重塔、本堂の全てが納まるアングルで撮影した
表側から見た仁天門と仁王像
仁天門から撮影した本堂
夜の浅草通りを行く人力車