欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

希望

2008-10-21 | poem
荒れ果てた街。建物はくずれ去り、鉄の臭いがただよう。
人々はなすすべなくぼんやりと遠くを見ている。
教会の尖塔は曲がり、すべての感情は破壊されたように静かで。ただ空だけが白んできている。

わたしは友の手をとり、頬をよせ。
あたたかさを失った手。
そこにぬくもりがあったことを確かめたいから。
冷たい手を感じ、目をつぶり。

はたして祈りは届いたか?
なにもわからず感情もなく。
まわりを気にすることなく、明るみを探しただ泣いていた。
鼻につく臭いは。破壊された街は。もうなにも聞こえない。

ぼんやりと見上げた空にはかすかな光が。
雲の切れ間からのぞく太陽。
じんわりと肌にあたたかくて。

彼方の光に祈りをささげて。
もうここにはなにもないからと。
静かなあたりに鐘の音が響く。
どこからか聞こえてくるのかこの福音は。耳をすまし探しているわたし。

空のようになにもないのに明るんでくる気持ち。
わたしにはなにも残っていないのに。
彼方の光を受け入れてという。
そこからの音だけが心に。

あなたは希望のカタチ。
あなたがいれば輝きは失われない。
さぁ、光を放ちなさい。自らがここにいるということを。
意思の発露がすべてを変えていくからと。


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