欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

濃い唇がささやく言葉

2011-12-07 | poem
"あなたがわたしから目を離したら・・・、殺してあげるわ。
だから覚悟しておいてね。これがわたしの愛の誓い。"
鏡台にむかい、ネイルの艶を出しながら、女はそうほほ笑みます。
男はベッドに横たわったまま、目を細めて。
"ねぇ? そんな悲しい人生はイヤでしょう?
愛を口移しで教えてあげたのよ。これからはあなたが愛をお返しする番。"
ネイルを丁寧に塗り終わると、女はゆっくりベッドの中へ。
"この赤い爪はどうかしら? あなたをやさしくはっていくのよ。
ふふ、愛のあるうちは安心ね。
でも、あなたがほかの女にそのまなざしをむけるなら、この爪はあなたの血をほしがるかも・・。
なによりも濃いあなたの血をね"
女は爪を男の背中にはわせながら、
"こっちをむいて。わたしにそのまなざしをむけて。"
ふたりは口づけてして、
"もっと愛を口ずさんでほしいのよ。
うっとりするような愛の言葉を。
ねぇ、身体をほてらせて。あなたの献身的な愛で・・"
太い腕がゆっくりと女を包んでいき、
"永遠にあなたはわたしのものね。そのまなざしも、低い声も・・。
わたしはあなたなしでは生きれない・・。
愛を感じて。
わたしにイヤな血を流させないでね。
あなたの愛はいつもこの胸に居場所を求めていくの。そう、いつもこの中にね・・。"


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