中村亮太の活動日記

加古川市のために走り回る中村亮太のブログです

加古川地域医療フォーラム

2012-04-21 22:25:32 | 活動
今日は市民会館で行われた地域医療フォーラムに参加してきました。
副題は「地域医療のあり方を考える」~市民の健康生活を守るために~。

プログラムは講演が5本とパネルディスカッションの2本立て。

講演はそれぞれ
1.「地域医療を守りたい~住民としてできること~」
  県立柏原病院の小児科を守る会代表 丹生裕子氏

2.「地域での1次医療~夜間急病センター等の現状から」
  加古川医師会副会長 中田邦也氏

3.「地域医療における急性期病院群の役割」
  加古川市民病院機構理事長 宇高功氏

4.「高齢化社会での回復期リハビリの重要性」
  松本病院院長 田邊誠氏

5.「在宅医療と人間らしい看取りの重要性」
  西村病院院長 西村正二氏

1~3の根底にあるのは、医師不足と医師の過酷な労働状況、そこに関わるコンビニ受診
という問題です。

軽症で診察時間に行けば済むものを夜間急病センターや救急車を使うことにより、医師に
負担がかかり、更に本当に処置が必要な人を診られない事態を招きます。

1の丹生さんのお話は、その中でとても興味深いものでした。
小児科がなくなってしまう事態に対して、医師の増員を求めるだけでなく、使う側がコンビニ
受診を控えるなど「かかり方」を変えることで、危機を乗り越えられたというものです。

とはいえ、子供は病気にかかりやすく、心配でもあります。
そもそもコンビニ受診を控えようと言っても、今の症状がどうなのか自身で判断するのは
難しい。

そのため丹波市では、丹生さんたちの活動をもとに、24時間の電話相談体制や症状から
状態を判断する冊子を配布したりすることで、自身での判断を支援しています。

私も友人に医師が何人かおりますが、30数時間連続勤務など、かなり過酷な状況を聞きます。
医療サービスを受ける我々も意識を変えねばなりません。


4.5は国が目指す地域包括ケアシステムの中で、回復期と在宅の重要性を説いています。
急性期病院から回復期病院へ転院することは、なんとなく病院を追い出されたというイメージ
があるようです。
現在の加古川市民病院でも入院日数を短くする方向ですが、「追い出すなんてひどい」という
声もあるようです。

しかし、回復期病院の方が機能回復のための支援スタッフやプログラムという面において、
急性期で入院するよりも回復する確率が飛躍的に高まるということでした。

また、例えばこれまで骨折で50日入院していたのを、急性期に25日・回復期に25日というように
すると、急性期で診てもらえる患者が増えるということにもなります。

政府としては、この地域包括ケアシステムを普及させていこうとしています。

その中で問題となるのは、やはり在宅ケア。
そこには支援体制とともに「看取り」という問題が出てきます。

病院で8割が亡くなるという、先進国でもずば抜けた率である日本ですが、なぜそういうことに
なるかというと、例えば体が衰える中で嚥下ができなくなった患者でも、胃ろうで栄養を与えて
生きながらえさせることなど、延命治療が多いからです。

命の長さではなく、「質」を考えることが看取りには必要となってきます。
これは意識の問題も多くあります。

多くの方が自宅での最後を望まれることとは反した現状を、命の質とは何かという問題とともに、
もう一度考えて行かねばなりません。


それから、パネルディスカッションへ。




会場からの質問では、「医師不足なら定員を増やせば良いのでは?」というものがありました。

パネラーからは、
「現在でも2割くらい増えてきている。しかし一人前になるには10年かかり、今が端境期とも言える」
「医師が増えても、病院に魅力がないと結局都会に集まってしまう。魅力とは、最先端の医療を学べ、
労働環境も整っていることなどだが、それにむけて加古川市民病院も頑張っていきたい」

などの回答がありました。

講演を含めて地域医療というものを再度考える機会となりました。
市民の方も多くこられており、良い企画になったのではないでしょうか。


地域医療についても、一つの重要なテーマとして取り組んでいきたいと思います。
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