STARLIGHT NIGHTS

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セルのブルックナー 交響曲第3番

2006年10月02日 | 音楽(CD)
ジョージ・セル指揮、シュターツペレ・ドレスデンによる、ブルックナー!
1965年ザルツブルク音楽祭におけるライヴ録音。
買って気がついたモノラル録音。録音状態は多少気になるが、よーく聴くとオーケストラの美しい響きを捉え、ライヴならではの熱い演奏が収録されている。セルは機能性が高いクリーヴランド管弦楽団を率いていたせいか、理知的でアンサンブル重視の演奏を目指すタイプと思っていたが、ドレスデンの長い歴史のあるオーケストラとの共演ということで、豊かな響きの中あつい音楽を聴くこととなった。
全体的には早いテンポで、ブルックナーらしからぬ、アッチェランドをかけたり、フレージングを伸縮させ、音楽に多様な表情をつくっていく。このオーケストラ特有のしなやかな弦楽の音色、コクのある木管の音色、強奏しても決して耳障りにならず、ふくよかで柔らかい金管のひびき・・・、表現上ブルックナーらしからぬ部分もあるが、このオーケストラのひびきは、ブルックナーそのもの。セルの個性とこのオーケストラの魅力が良い相乗効果を生み出した感じがする。
最後のコーダでは、見あげるような大きい聖堂が完成したような錯覚を覚えた。