普通、批評家が褒める映画はたいてい難しく、つまらない。
是枝祐和監督の処女作品「幻の光」は絶賛されていたので観たが、理解不能意味不明。全くつまらない作品だった。
2本目は「海街diary」。これは大いに気に入った。
3本目の「万引き家族」は大当たり。
面白く、切なく、登場人物のその後が気になる映画だった。
血縁関係も婚姻関係もない6人家族の、和気藹藹な違法生活の粗筋と、目の付けどころは、こちらをご覧ください。
最年長の樹木希林から幼い女の子まで、出演者全員の演技が素晴らしい。
深刻で悲惨な過去を持つ疑似家族の、気配りと本音に満ちた団欒風景は、羨ましいくらいだ。
おおらかで、勘定高いばぁさんが絶品である。
ばぁさんが前夫の月命日に、若い夫婦宅仏壇に線香をあげ、お返しに金一封を頂く姿は笑える。
雷雨の昼下がり、心だけの繋がりだった夫婦。妻主導でことを終え、一息つく夫の尻が尖っていて可笑しかった。
もう1回、というところで子供たちが帰って来る。慌てふためき取り繕う場面に噴き出した。
店のおじいさんに、妹連れの万引きを咎められてから後の、万引き少年の心模様は痛ましい。
家族崩壊のきっかけを作り、施設に収容された少年は きっと更生するだろう。
最期の場面。実母の元に返された幼女が、ベランダで独り遊び中、ふと誰かを待つ姿が哀れを誘った。
この子、ちゃんと育つだろうか.......。
法の裁きで仲を裂かれた疑似夫婦は、刑期を務めてから、よりを戻し本当の夫婦になって欲しい。
妻の妹という風俗嬢の前身が、森生には良く分からなかった。
想像を逞しくせよ、という是枝監督の狙いか。
カメラによる画面の切り取り方と繋ぎ方が巧みで、全く飽きさせない。
雪の降る路地、激しい雷雨の街、蜜柑が散らばる俯瞰、など美しい場面があった。
風俗嬢の仕事ぶりは割愛し、上映時間を短くすべきだった。ま、ここは観客へのサービスかもね。
細野晴臣の音楽は出しゃばらず、惻々と場面に寄り添う。
この映画は観て面白く、考えさせられ、3週間経った今でも後を引く映画だ。
損はしませんよ。
180726B
やはり見ないといかんね。
今度見ます。
台風が過ぎたら暑さ復活とか
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