林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

くちなしのかおり

2010-06-27 | 庭いじり

積んでおいた古新聞を、雨の音を聞きながら読んでいて、眠ってしまった。
たまに降るなら、雨もいいものだ。

暫くして目が覚めると、おや、いい香りがする。
貴婦人が隣にいるワケがない。庭の隅にあり、普段は存在感がまるでないくちなし(梔子)の香りである。

梔子にはオオスカシバの幼虫が付く。新葉と同じ色なのでかなり食害されてから気付くことになる。
幼虫が4~5匹もいれば、梔子の木を丸坊主にするほど食欲旺盛な青虫だ。

梔子の新芽が出る頃、重爆撃機のような大型の蛾が唸りながら飛んできて、葉裏に卵を産み付ける。
成虫や幼虫からは想像できない小さく、透明で、薄緑に輝く、瑞々しい卵である。

葉をすっかり食い尽くし、肥った幼虫は迫力がある。捕まえて、頭を押すと、ニョキッと橙色の角を出すはずだ。
人間さまを驚かす術を身につけていて、慣れると愉快だろうが、見つけるとギョッとし、未だに慣れない。

今年は春先に、オルトラン粒剤を梔子の根本に撒いておいた。
こっそり撒いた直後は、相当な悪臭だった。

でも、その悪臭のお陰でオオスカシバが寄り付かず、今、梔子の香りが楽しめる。
そんなことを考えながら、また眠ってしまった。

たまの雨は、極楽、極楽。

オオスカシバの卵と幼虫の写真は、
アーチャーンさまの昆虫満載ブログ「我が家の庭の生き物たち」からお借りし、少し変形しました。
とがっているモノは角ではなく、尾っぽのようです。
また、「オオスカシ蛾」と覚えておりまして、なかなかネット検索ができませんでした。
ウィキから成虫の画像を拝借しました▼。蛾なのに昼間、飛び回ります。



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