林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

再びアウフヘーベン

2017-09-28 | 先輩のお言葉

  

小池百合子都知事は、新党結成の進め方を質問され、

  アウフヘーベンする。意味は辞書で調べて下さい。

とのたまった。小池さんてアウフヘーベンが好きですね。
で、今度は古い電子辞書でおさらいした。

  【Aufheben ドイツ】
   [哲]止揚。揚棄(ようき)。

なんじゃい?これ。そこでまた電子辞書。

  【止揚】し・よう
    [哲](Aufhebenドイツ「廃棄」「高めること」「保存すること」の意)ヘーゲルの用語。
    弁証的発展では、事象は低い段階の否定を通じて高い段階へ進むが、高い段階のうちに低い段階の実質が保存されること。
    矛盾する諸契機の統合的発展。揚棄(ようき)。

ヘーゲルがエライ哲学者であることくらいは知っている。
でもね【弁証的発展】とか【矛盾する諸契機の統合的発展】とはなんじゃらほいだ。
ここで【揚棄
】を調べたら【止揚】になるのだろう。馬鹿にすんな。

   

もっとも朝日新聞は「大辞林」から抜き出し、

  【アウフヘーベン(止揚)とは?】
    あるものをそのものとして否定するが、契機として保存し、より高い段階で生かすこと。
    矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一する。

と解説している。
よく分からないけど、広辞苑よりは分かった気がする。こりゃぁ電子辞書を買い替えなくちゃならんかな。
但し
記者がドイツ大使館員にアウフヘーベンの意味を尋ねたら、

  持ち上げる  それ取って

などと日常的に使う言葉で、政治家が政治判断を迫られた時に使うことはない、そうだ。
広辞苑や大辞林はどうなってるんだ。

  

ま、それはともかく、小池都知事のこういう発言に対して、一橋大学教授でヘーゲルに詳しい大河内泰樹さんが語った。

  違和感がある。
  アウフヘーベンとは、否定により高い段階に進むが、否定されたものが取りこまれて残っている状態を指す。
  だが小池知事の場合、築地や豊洲を否定せず、足して2で割っただけだ。
  複雑な政治問題を曖昧にするために、難しい専門用語を使っている。

更に和歌山大学英語教育史担当教授江戸川春雄先生です。

  高尚なイメージを演出する戦略なのだろう。
  だが国政政党を率いるなら、誰にでも分かる言葉で語らなければならないのではないか。

拍手です、全くそのとおりですね。

  

マダム・クールビズはアウフヘーベンほか、「税金のワイズディスペンス(だったかな?)」など矢鱈にカタカナを使う。
しかも、脳味噌は安倍千三つよりも右寄りだそうで、誰も信用せず、物事をあっさりリセットするらしい。

都政だって、いったんご破算にしたのは偉いが、その後がごたごたしたままで国政に乗り出した。
任期途中で投げ出すかも、とも噂されている。

新党「希望の党」の綱領は、

  寛容な改革保守

だそうだ。あべ千三つがよく使う「なんとか革命」と同じで、わけわからん。
都議選で自民党を叩き潰したのはエライ。安倍千三つの暴走を抑えるためにとりあえず勝つのはいい。
だけどこういう野心家には用心しよう。

   ◀ゲオルグ・ヴィルヘルム・フリドリッヒ・ヘーゲル

                                         アウフヘーベンに関する過去記事はこちらです。
                    前原民進党が小池希望の党に吸収されそうだ。みっともないね。でも面白くなってきた。

                   170928



最新の画像もっと見る

コメントを投稿