林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

終の棲家

2016-05-26 | 拍手

シンポジウムに行った。
会場になった有楽町「よみうりホール」は満席。9割以上がおばばたちだった。
おばばは勉強している。おじじが敵うはずがない、と痛感した。

シンポジウムのお題は、

   私の老後は私が決める! 
   最期まで私らしい人生を送るために必要なこと教えます

だったが、内容は少し違った。「老後」を「最期」と書き換えるベキだった。
おばばたちは「最期」に狼狽えるようには見えなかった。

基調講演は、かの勇ましい上野千鶴子先生だった。でもこの講演、素晴らしく良かったんですねぇ。
森生はこの上野先生の人生相談(朝日新聞土曜版「悩みのるつぼ」)を愛読讃嘆していて、桁外れの猛女を想像していたが、まるで違った!
小柄で美しくイト淑やか。優しく美しい声色に関西系の方言を交え、微笑み、言語明瞭意味明瞭。それでいて綺麗ごとではなかった。

講演の結論は、

    最期をどうするかを息子や娘に任せてはいてはダメだ。自分で決めておこう。
    最期は病院や施設でなく、自宅で迎えよう。ひとりでも最期は迎えられる時代だ。ひとりは自由で楽しい。
    でも、財布は最期まで握っていること。なるべく上手く遣いきること。
    遠くの家族より、近くの友達を大切にしよう。

ということだったろうか。メモを録らなかったため勘違いがあるかもしれない。既に持っている4冊を読んでみようと思う。
上野先生も「私の本を買って、読んで下さいね」と言っていたので、森生もご同輩に、お勧めしますね。

このシンポの主催者は「サービス付き高齢者向け住宅協会」と「読売新聞社」で、後援は国交省と厚労省だった。
つまり主催者の「サ高住協」は「自宅で最期」ではなく、ビジネスとして「施設で最後を」と勧めているるはずですね。
ところが上野千鶴子さんときたら.........。勇敢なお方だなぁ。

シンポジウムのパネリストでは、樋口恵子(高齢社会を良くする女性の会代表)さんが、何度も爆笑を誘った。
この先生、84歳になって、今まで施設に入るために溜めていた虎の子で蔵書の重みで傾いた自宅を取り壊し、新築中とか。
同居している「鬼娘」とは断捨離を巡り、死闘を繰り返し、体重が随分減った由。

それでも、主催者に配慮したのか「いよいよの時は施設を選ぶかも、まぁ成り行きですね」だとさ。

最高齢のパネリストは91歳。曾孫が4人いる寡婦。藤沢市の「ココファン湘南片瀬」入居者会田千枝子さんだった。
片瀬(実は藤沢市大庭)では通じないので鎌倉と言ってる由。往時、片瀬・江の島は鎌倉郡だったもんね。

この元気ばばさま、司会者そっちのけのマイペース。
しかし「サ高住」選びの経緯を愉快に紹介し、その快適至極な毎日を謳歌して笑いをとり、主催者側の期待に十二分に応えた。

厚労省課長・杉並区課長・別府市参事・医療法人理事長等4人の小父さんパネリストが何を話したかは、覚えておりません。
かれらは数字を並べ、漫画を見せ、台本を読み、詰まらないデータしか語れない、退屈な紳士たちだった。

高齢化社会に入った日本は、女性陣営に運営をお願いした方が上手くゆく、のではないかと思った。

今回の急なシンポジウム出席は、畏友・韋駄天じぃの勧めだった。
題を聞かされウンザリしたが、目玉は上野千鶴子先生だった。他にサミット厳戒下の銀座をぶらぶらしたかった。
だけど韋駄天じぃは、シンポが終わったら、地下鉄有楽町駅に一直線。
ガッカリしたよ。

《お勧めする上野千鶴子本》
①おひとりさまの老後 ②男おひとりさま道 ③おひとりさまの最期 ④上野千鶴子のサバイバル語録

160526



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7 コメント

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感想ありがとう (うえのちづこ)
2016-05-29 23:16:05
友人がこのブログ教えてくれました。交渉にあたった若い女性担当者が優秀でした。わたしは施設にもサ高住にも反対だけど・・・と言ったらそれでいいです、自己決定が大事だってことを言って下されば、と。91歳の会田さんの満足度が高いのも、自己決定したからこそ。こんなふうにちゃんと受けとめて下さる方がいるんですね、うれしいです。
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ま・ま・まさか! (森生)
2016-05-30 11:38:21
うえのちづこさま
ま ま まさか!
上野千鶴子先生 ご本人でしょうか?!
本当にそうなら もっと真面目にご講演を聴き ご本を読んでから 記事にすべきでした

失礼ながら ニセ者にしても コメントを頂けるなんて光栄です
近頃 ネタ切れ気味 億劫気分に参っておりましたが 元気百倍
林住期を また続ける気分になりました

コメントを有難うございました
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ご本人です (保証人)
2016-05-30 16:38:53
間違いなくご本人であることを保証いたします。
八ヶ岳音楽堂について調べていて、このブログに出会い、さっそくスキー友達である上野さんに知らせました。私は音楽堂竣工当時から八ヶ岳に住んでいて、今でも時々コンサートに出かけておりますが、凛とした佇まいは相変わらず素晴らしいです。大きな壺は田中一光さんが贈られたものなんですね。

林住期、永く続きますよう。
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懐かしい八ヶ岳高原 (森生)
2016-05-31 11:24:59
保証人さま
そういうことだったんですか
嬉しいです

八ヶ岳高原音楽堂での七転八倒・右往左往は28年前のことでした
時間が全てを浄化し 今では懐かしく 愉快な思い出ばかりになりました

一光さんから頂いた 大壺は室町時代の備前焼 と聞きました
お礼は 敷地内にあった 形のいいどうだん躑躅の大株にしたはずです
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上野千鶴子さん♪ (マリコ)
2016-06-12 14:56:40
森生さん。こんにちは。
小気味よい突込みが効いてる森生さんのブログ、楽しく拝見しております。
素晴らしいです♪

ななんと!うえのちづこ先生からコメントをいただいちゃったんですね(*^^)v。
信じられな~い。うらやまし~い(^^ゞ。

樋口恵子さんは大手術の翌日からリハビリで歩いたという強者です。
高齢になって、新しくネコを飼ったと聞いてましたが、今度は家を新築されたんですね☆彡。

造語の名人で、ユーモアたっぷりの樋口さんのお話もしばらく聞いてません。

ところで、私は上野千鶴子さんのファンです。
『上野千鶴子サバイバル語録』早速買わなくちゃ(^^♪

今までは『私の幸せは私が決める』(落合恵子さん)でしたが、
後期高齢者のハンコがポンと捺されてしまったのでは、
『私の老後は私が決める』になっちゃいました。

ケセラ・セラではダメなんでしょうね(>_<)。
断捨離にも励まなければ・・・(*_*;。

上野千鶴子さんが理事長をしていらっしゃる
ホームページをご存知かもしれませんがご紹介しますね。
『WAM』https://wan.or.jp/

長々と書いてしまいました。
『野の花日記』のマリコでした。ではまた(^^)/。
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上野千鶴子さん♪ (マリコ)
2016-06-12 15:03:35
コメントが尻切れトンボになってしまいました。
文字制限があったのでしょうか?
続きを書きます。

断捨離にも励まなければ(・_・;)。

上野千鶴子さんが理事長をされてるホームページ(もうご存知かもしれませんが)をご紹介しますね。
『WAM』https://wan.or.jp/

長くなりました。『野の花日記』のマリコでした。ではまた(^^)/。
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感心 (森生)
2016-06-14 18:28:06
マリコさま
シンポジウムで感じたことは

  女性は強いなぁ

ということでした
男どもは とても ああはゆきません

野の花日記 拝見しておりますよ
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