飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

旅人の話

2017年04月02日 16時30分16秒 | 人生論
異動の時期である。
新しい環境というものは、誰でも不安を抱くものだ。
若い人は、新しい環境になじめず、落ち込んでしまう人もいる。
しかし、人間が成長していく過程においては、新しい世界というものは不可欠である。
新しい世界に飛び込むからこそ、これまでにはないことを学ぶことができる。
今まで同じなら、そこには感動も進歩もないのである。

4月2日、明日から新年度が始まる。
この時期になると思い出す話がある。
それが「旅人の話」である。

ある町がありました。
一人の旅人がその町にやってきました。
町の入口の門のところに一人の老人が座っていました。

旅人は聞きます。
「おじいさん、この町はどんな町?」
おじさんは聞きます。
「あなたがいままでいた町はどんな町でしたか?」
旅人は答えました。
「いやあ、前にいた町は嫌な人ばかりでろくな町じゃなかったよ」
「そうですか、この町もあなたが前にいた町と同じ町です」

また、別の日に旅人が来る。
「おじいさん、この町はいったいどんな町ですか?」
おじいさんは聞く。
「あなたがこの前にいた町はどんな町でしたか?」
「私がいままでいた町は、素晴らしい町で、人々は親切で、あんなによい町はありませんでした」
「そうですか、この町もあなたが前にいた町と同じ町です」
と答える。

二人の旅人が行こうとしている町は、同じ街である。
にもかかわらず、老人はまったく異なる答えを伝えている。

要するにどんな町にするかは、本人自身の心が決めるということである。
環境は、その人の心が決めるのだ。

これから新しい勤務先、学校での生活が始まる。
始まる前から良い、悪いはない。
これから、一人ひとりがどんな心持ちで新しい環境に向かい、どんな環境を自分でつくっていくかによって、良い、悪いは決まる。

自分もより1年であったと言える環境づくりをしていきたい。

saitani
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夕日がせなかをおしてくる | トップ | しぬまえにおじいさんのいっ... »
最新の画像もっと見る

人生論」カテゴリの最新記事