飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

5年生 社会科 米作り 子供の学習課題

2024年07月20日 05時06分06秒 | 社会科
5年生の社会科学集。
この時期は、米作りの学習を行う。
その代表的なモデルとして新潟県の庄内平野を多くの教科書が扱っている。
限られた時間配当の中で子どもたちにどのような学習活動をさせるのか。
それは重要な課題である。
導入をどう方向づけるのか。
問題解決的な学習をするとなるとどうしても適切な課題なり問題なりが必要になってくる。
ここでは便宜上、子どもたちがつくるテーマを問題といい、教師が提示するものを課題と定義しておく。

まず、子どもたちが追求すべき課題なり問題は何なのか。
例えば、子どもたちが作る問題には、多くが事象に対する疑問が出される。
どんな機械をつかって作業をしているのか。
どのような品種改良を行っているのか。
どんな人が米作りに従事しているのか。
また、活動に対する疑問も出てくるだろう。
農家はどんな工夫をして米作りを行っているのか。
農家の人々はどんな努力して生産性をあげているのか。
このような課題を出すことが多いだろう。
学習指導要領的にも、このような課題解決に向けた探究活動を主とするようになっている。
しかし、この課題だと単なる調べ学習レベルの展開になりがちである。
参考書や教科書、ネット検索で調べて終わりということである。
これで本当に求めている個別最適化ができるのだろうか。
協働的な学びの場面が見られるのだろうか。

もし、子どもたちがもっと未来視点で気がついた問題をつくったらどうだろう。
例えば次のような課題である。

庄内平野の米作りにはどんな課題がありますか。
この問いに対してこんな問題点を子どもたち指摘したら探求可能だろうか。

1 高齢化と後継者不足:
 農業従事者の高齢化が進み、若い世代の後継者が不足している。
 これにより、農地の維持や作業の継続が難しくなっている。

2 気候変動:
  気候変動により天候が不安定になり、米の品質や収量に影響を与える可能性がある。
 特に、夏の高温や台風の頻発が懸念されている。

3労働力不足:
  農業に必要な労働力が不足しており、特に収穫期には作業が集中するため人手が足りなくなる。

4水管理:
  米作りには大量の水が必要だが、水資源の管理が課題となっている。
 特に旱魃や水不足の時期には、適切な水管理が求められる。

5経済的な課題:
  米の価格低下や輸入米の増加により、収益が減少している。
 これにより、農家の経済状況が厳しくなっている。

6技術革新の導入: 農業技術の進歩により生産性を向上させる必要がある。
 しかし、技術の導入やその維持には費用がかかるため、資金面での課題がある。

これらの課題に対処するためには、政策的な支援や地域コミュニティの協力、そして新しい農業技術の導入が重要となる。

しかし、これらの課題を子供たちが設定した場合、解決は可能だろうか。
どしても根本的な解決には専門的な知識が必要となり、高度な思考過程が必要になってくる。
それは5年生の社会科学習の目標にはそぐわないのではないかという教師側の疑問も出てくる。

この2種類の課題や問題をどう処理するかという問題もまず展開としては考えられる。

saitani