くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

ABBAの想い出

2009年12月30日 | 日常あれこれ
仕事納めも忘年会も無事終わり、スポクラもお休み。軽~く、大掃除をして、録画しておいた「マンマミーア」を観た。ABBAのヒット曲が目白押し。ABBAの曲ありきでストーリーが進んでいく。舞台は、とあるギリシャの島で、主人公は結婚間近の娘を持つアラフォー(たぶん)の母と彼女を取り巻く男たち。

もう全てが明るい。たぶん、地中海であろう海の色、空の色、アフロディーテさながらブロンズの髪をなびかせる娘とちょっと年取ったけどかっこいい母。そしてマッチョでハンサムな母の元恋人たち。ほんと、これはおとぎ話だね。頭をからっぽにして観られるし、思わず口ずさみたくなるし踊りたくなった。



地面が割れて水が噴き出すシーン。そういえば、昔、日本でもディスコの床が抜けたっけね。映画の方は深刻な事故になるはずもなく、みんながシャワーの中で踊りまくる。なんともパワフルで開放的。日本だけじゃない、世界的にアラフォーは元気溌剌なんだね。輝かしい、80年代。バブル景気に浮かれながらみんなやりたい放題だった。今思えば活気があったよなあ。ついこの間だった気がするのにもう20年かあ。不況と共に迎えた中年、なおさら、我が青春時代が古き良き時代になってしまうじゃん。

高校生になったころ、私には『おばこ』『はにわちゃん』『まっちゃん』という仲良しがいて、4人で交換ノートをしていた。『おばこ』は4月生まれでと~っても落ち着いている子。『はにわちゃん』はそのものずばりお顔がかわいい。『まっちゃん』はおとなしくてと~っても頭が良くて勉強ができる子だった。いや、みんな賢くて一流大に進学していったんだよな。私だけ落ちこぼれた。『おばこ』は大学を卒業してすぐに結婚した。彼女の結婚式で会ったきりこの3人とは会っていない。みんな元気かなあ。

で、その交換ノートだが、みんなてんでに好き勝手なことを書いていた。ただ、ちょっとばかし“おたく”だった私らは漫画がすきで、「ベルばら」「オル窓」「エースをねらえ」「パタリロ」そして「はみだしっこ」の話題が多かった。そして、共通してハマったのがABBAで、新曲がでると英語の訳詞を調べて教えあった。刺激的だったのが「アンダンテ アンダンテ」で…、「ゆっくり私の中に入ってきて~」みたいな歌詞があり、みんなで「やっぱりそういう意味のことだよね~っ」って赤面してた。なにせ、ウブだったもんで。



その年の冬、ABBAが来日した。おこづかいをはたいて武道館コンサートに『おばこ』と行ったんだよなあ。ヒールのあるブーツを履いて精一杯おしゃれしてさ。あの頃、東京へ、それも夜でかけるなんて大冒険だったもの。地下鉄なんてどこをどう通っているのかわからない。しっかりものの“おばこ”のお陰で武道館にたどり着けた感じ。開演時間がせまり外が暮れてくる。二松学舎が見える、北の丸?公園で時間をつぶしていたら、周りにいたカップルたちがみんな抱き合いはじめちゃって、びっくりした。夕刻のアバンチュールね。見てはいけないもん見ちゃった気がしたよ。

今でさえ、アリーナやドームがあるから武道館なんてちっぽけだけど、当時の武道館はとても大きな会場だったのよ。左ブロックの席から、本物のABBAが登場して歌うのをドキドキしながら観ていた。周りが立ち上がると、つられて立ちながら…。英語は…、当時もあんまりわからなかったなあ。ただ、彼らもスウェーデン出身で英語が母国語でないから、比較的発音が聞き取りやすい。歌詞カードを見ながら、高校生レベルでもかなり理解できたんだよね。

そんなことに想いをはせながら…、どっぷり映画の世界に浸る。ABBAの歌詞がこんなにも前向きで、夢があったことを改めてかみしめながら…。みんな、元気になろうよ!不景気なんてふっとばせ~。



クライマックスは元恋人と結ばれる母だけど、その後、不細工(役柄だけど)な母の友人が、恋に落ち、なりふり構わず果敢にも猛アタックするところが爽快だ。ここぞと思ったら押しまくれってね。「Take a chance on me」の曲がもうハマりまくっていて思わずガッツポーズだった。



そして…、ABBAと言えば、「Dacing Queen」を、エンディングでおばさん3人がバッチリメイクと衣装で歌いまくる。かっこいい~。夢よもう一度いや、もう2度、3度って感じ。ちょっとばかし、しおれて枯れてくる頃、また面白くなるのが人生なのかもよ~。