作:寺山修司
演出:蜷川幸雄
出演:森田剛、窪塚洋介、寺島しのぶ
ダイブ後の窪塚くんの動向が気になっていたもので、コクーンの先行を申し込んでみたら、A席だけど初日が取れた。立ち見が出る盛況ぶりだ。
地下鉄の鉄骨にも
一本の電柱にも
ながれている血がある
そこでは
血は
立ったまま眠っている
寺山修司の処女戯曲で、安保闘争が描かれる。挫折し破滅していくテロリストたちを中心に物語は進む。抒情的な「身毒丸」とは、一味違う、若さやエネルギッシュさを感じた。身毒丸に登場する異形の人々はほとんどしゃべらないが、物語を象徴する場面を作り出し多重な背景を紡ぎだしていた。今回は、主人公を取り巻く人々にもしっかりとしたキャラがありまるで鏡に映るように反映し合う。詩人、寺山修司の言葉の数々が美しい。日本語っていいなあって思った。(←ANJINの見過ぎ…)
蜷川さんにとってもこの時代は特別なようで、演出も細かいし、美術にも手がこんでいた。背景のネオンや垂れ下がる電線、汚い和式の公衆便所はまさにあの頃の“昭和”でありレトロだった。高度成長時代の影で国民の生活はなかなか良くならない。全共闘世代は低賃金労働者を犠牲にするごまかしの繁栄に異議を唱えて立ちあがり闘争する。首つり自殺をしている人が、何故か白シャツと黒ズボンの男の子で、身毒のようだった。
主演の森田剛くん、18歳の純粋な少年を熱く演じる。カツンとぶつかるような固い芯があって、なかなか上手い。対する、灰男が注目の窪塚くんで、これが初舞台になるそうだ。過去、いろいろな言動や事件があり、独特な感性や思想みたいなものを持っている人みたいだが、それが、技術とまだ結びつかない感じで、残念ながら全てが一本調子だった。灰男は魅力あるキャラだから、もっと野性的でギラギラしてもいいんじゃないのかなあ。でも、背も高いし独特のオーラがあるから舞台映えはする。本人談によると舞台にハマってしまったそうだから、これから経験を重ねれば進化していくかもしれない。ヒロイン寺島さんの少女役は実に可憐、ミステリアスで見事だった。窪塚くん、押され気味~。寺島さんの使い方がと~っても贅沢だなあって思った。
何よりもびっくりしたのは、カテコ。「剛く~ん」コールで乙女たちが総立ちになる。ここは、コンサート会場かいって感じだ。さすが、ジャニーズ、時代は嵐だが、V6だってまだ負けていないのね。ついに蜷川さんまで登場して盛り上がる。若者よ、詩人、寺山修司の言葉の数々もかみしめてね~。
お・ま・け
ムサシのちらしをゲットした。
チケットも無事に2公演取れた~
これも、ホリプロ50周年企画なのかい?舞台に映画に竜也くん駆り出されてるなあ。このムサシ、“勝地小次郎”もだけど、何気に“ムサカ沢庵”に興味津々だ~。