長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

美は乱調にあり  今だからこそ久住小春・驚異のこはるんランド 入場口

2012年01月14日 14時13分14秒 | すきなひとたち
 がんばれ受験生!! どうもこんにちは、そうだいでございま~す。
 いっつも、センター試験当日は「曇天の厳寒のなか……」って印象が強かったんですけど、今年はまぁ、寒いは寒いものの、日もさしていいお天気になっておりますね。

 思い出せば、私の体験したセンター試験の日もそうとう厳しい天気で、山形だったから当然のように雪は降るし地面はアイスバーンになってるしでねぇ。もうツルッツル。
 みんな、転ばないようにスローで歩いてましたね~。当日に転んじゃったらシャレになんないから。
 そんな中でも転んじゃった人は、「2回やれば無効だ!」と叫んでもう1回わざと転んでました。
 周囲にとってはどう見ても首をかしげざるを得ない理論でも、言った本人が心の底からアツく信じているのならば、それは間違いなく「真理」になるのです。そんなことを強く感じた高校3年生の冬でした。


 受験生であれ誰であれ、最近はもうほんとに寒い日が続いちゃってね~。晴れてたって気温がなかなか高くならないんだからしょうがねぇ。
 空気の乾燥もけっこうなもんですからね。いろんな面で、春を待たなきゃいけない時期の今は、心も体も元気にやってかなきゃいかんわけです。

 こういうときには、やっぱり「いい音楽」を聴いて過ごしたいもんですよね!
 ということで、私は最近はこの2枚の CDアルバムをかなりの頻度で聴いています。


『☆☆☆(みつぼし)』(2007年2月)
『きらりん☆ランド』(2007年12月)
 どちらも、月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)


 これねぇ……かなり! いいんですよねぇ。単純に聴いてて心の温度が上がります。おもしろい!

 どっちも2007年のアルバムで、それぞれ CDのオビにはこんなことが書かれています。


『☆☆☆』
・テレビ東京系アニメ『きらりん☆レボリューション』主題歌『恋☆カナ』『バラライカ』を含む全10曲収録! みんな聞いてね!!

『きらりん☆ランド』
・テレビ東京系アニメ『きらりん☆レボリューション』主題歌『ハッピー☆彡』『チャンス!』を含む全11曲を収録!! みんな聞いてね!!


 いや~……そんなに2回も「みんな聞いてね!!」って言われちゃったら、そりゃあ買って聴かざるをえないだろう。お店でこれらのアルバムを発見した時、私の中に買うか買わないかの迷いはありませんでした。あと、レジにいた店員さんも「わかってくれそうな雰囲気」の男だったから。


 ところで、去年の春から夏にかけて、この『長岡京エイリアン』で『ざっくりすぎるアイドルグループ史』をやった時から、私の中で「久住小春(くすみ こはる)」という人物の存在は大いなるミッシング・リンクとなってわだかまっていました。

 なんてったって、久住さんにかんして知らないことが多すぎた!!


 最近になってやっと「モーニング娘。」に関心を持つようになってしまった私なんですから、久住さんの存在もまったく知るよしもなかったものの、それはだいたい、かつて私が TVに出てくるアイドルらへんに興味を持たなくなった「5期メンバー」以降のみなさんも同じこと。高橋愛さんの存在さえ知らなかったのよ……

 ただ、去年の一連の調べものでいろ~んな楽曲やバラエティ番組の企画を観ているうちに、多くのモーニング娘。5期以降のメンバーの輝ける個性や歌声の特徴をだいたい把握することはできるようになってきました。みなさん強烈な色を持っているアイドルなんですからね!
 また、実際に秋の日本武道館コンサートで最新「10期メンバー合格者」のお披露目をまのあたりにすることもできたし、その場での現役のモーニング娘。メンバーである「5・6・8・9期メンバー」もしかと確認することができたわけです。

 ……ん? 「5・6・8・9・10期」が現役?

 そ~オなんです。くだんの久住さんが該当する「7期メンバー」は、現在のモーニング娘。には在籍しておりません。
 っていうかぁ~! モーニング娘。の第7期メンバーは久住小春さんただ1名なのです。


 久住小春さんが、モーニング娘。新メンバーオーディションの結果、21600名もの応募者の中から1人だけの合格者として選び出されたのは2005年5月のこと。
 実はモーニング娘。の新メンバーとしては、2004年に開催したオーディションが「該当者なし」となっていたため、2003年の「第6期」3名いらい2年ぶりの待望の加入となりました。
 久住さんはなんと12歳の若さでのアイドルデビューで、そのころのモーニング娘。はリーダーが第4代吉澤ひとみ体制になったばかり。久住さんと入れ違いで、吉澤リーダーと同じ4期メンバーの石川梨華さんが卒業していました。

 その後、久住さんは2009年12月の卒業までに「4年半」モーニング娘。に在籍して活躍し、はなやかな吉澤リーダー時代、ちょっとだけの藤本リーダー時代、そしていぶし銀の高橋リーダー時代という激動の娘。史を「エース格」として駆け抜けていったのです。

 それなのに!! そ・れ・な・の・に~、特に「歌手グループ」としてのモーニング娘。の中で、な~ぜか久住さんの存在感はうすかったような気がするんです。

 どうしてなのかって言いますと、それはやっぱ……久住さんの「歌声」というか「声質」というか「個性」に、なかなか御しがたい(ぎょしがたい)ものがあったのではないかと。


 そう、ここ!! この、「御しがたい」という表現を私はおしたいんですね。「ヘタ」とか「音痴」とか「あわない」といった言い方で片付けられるほど久住さんはこぢんまりした存在ではないのです。
 御しがたい……当時のモーニング娘。の選んだ路線では、久住さんがその輝かしい個性をいかんなく発揮してアイドル街道を思うさま疾走することは難しかったのではなかろうかと。

 信号や曲がり道の多い日本の街道でアメ車を運転しても、アメ車の「ほんとうの良さ」を味わうことはできないという……万物にはすべからくそれぞれの「適性」というものがある。

 モーニング娘。というグループの中では、公式に「リーダー」という立場は決まっているのですが、人気者というか、グループのセンターに位置することの多い「エース」というポジションははっきりと決まっているわけではありません。

 決まってはいないのですが、「ただ1人の合格者」という意味では久住さんの先をいく存在だった、現在のモーニング娘。というアイドルグループができあがるための「最大のハプニング因子」となった「マッキングゴールド」こと第3期メンバー・後藤真希が、2002年9月に在籍3年で早々に卒業してソロ活動に専念。そして、1997年の結成時から一貫してグループの顔となっていた「なっち」こと安倍なつみが、2004年1月についに卒業。

 こういったかたちで、一般的に「モーニング娘。のエース」といえばすぐに名前のあがるこのお2人がグループを去って以降、そのあとを継いだのは第5期メンバーにして2007年6月~2011年9月の長きにわたって「モーニング娘。第6代リーダー」の立場を守り抜いた高橋愛さんでした。

 いうまでもなく、モーニング娘。のエースは確定していない上に「1人じゃなきゃいけない」というルールもないので、その時期その時期の各媒体の見方によって、高橋さん以外にも石川梨華、藤本美貴(第5代リーダー)、そして現在も在籍している田中れいなさんといった面々がエースと呼ばれることもあり、先ほども言ったようにその中に久住さんも入っていたわけなのですが、こと「歌手グループ」としてのモーニング娘。にとって、高橋愛さんほど「エースにふさわしいエース」はいなかったと言ってよろしいでしょう。

 高橋さんの参加している時代のモーニング娘。の楽曲を1曲でも聴いていただければわかるかと思うのですが、歌手としての高橋さんの能力と存在感はハンパありません。
 まぁ~、筋金どころかバリバリ鉄筋・鉄骨入りの信頼感なんですね。音程の安定感、呼吸の取り方、声の迫力、顔の表情……すべてがうますぎる!
 その魅力は、まさしく王道をゆく「揺るぎない正調の安心感」。そこから伝わってくるメッセージは聴く者の心にストレートにつきささってきます。

 そして、歌のひとふしひとふしにこめる情念というか、演技力もとてつもないものがあったため、特に高橋さんがリーダーとなって以降のモーニング娘。は、非常にアダルトな歌詞世界が積極的に展開される作品が増えていくようになったのです。
 アダルトというのは決して「歌詞がエロい」というわけではないのですが、

『女に幸あれ』(34th シングル)、『リゾナントブルー』(36th )、『泣いちゃうかも』(38th )、『なんちゃって恋愛』(40th )

 といった名曲の数々は、「失恋」「別れ話をきりだしたい」「恋愛を楽しめない」「人を愛することがこわい」などという、およそワーキャー言われる大人気アイドルグループが唄いあげるようには思えないテーマを掘りさげたものが多く、そんな中でも究極と言える、2009年5月リリースの39th シングル『しょうがない夢追い人』が、モーニング娘。にとっての最後のオリコンチャート1位獲得作品になっている(2011年12月までの時点)とは、ねぇ。
 こんな深すぎる内容の歌が、一時的にせよ「いちばんヒットしている楽曲」になっていた当時の日本って……そんなに暗い世情だったのでしょうか。

 ともあれ、こういった「アイドルぎりぎり」のラインを堂々と走り抜くことができた「高橋時代」のモーニング娘。の実力は非常に充実したものがあったわけなのですが、そのさなかにメンバーとして所属していた久住さんが、「ただ1人の7期メン」でありながらもいまひとつ目立つことができなかったのは、やはりその本質と当時のグループの「アダルト路線」とのあいだに浅からぬ「溝」があったからなのではないかと。

 高橋愛という「希代の才能」と比較するだけ酷な話なのですが、久住さんの歌声には、「歌詞の人格になりきってうまく演じきる」という点で、上のような数々の曲の中に入りきれない「演技力のなさ」があったのです。そして、そこを自由自在に行き来してグループの中心になることのできた「名女優」こそが高橋さんだったと。
 音程が安定しないという問題もあったのでしょうが、「楽曲以外での立ちまわりを上達させる」という方向もあったものの、そっちのほうは、同じように音程の安定しなかった道重さゆみさんがすでにそのポジションを確立しており、はなやかな顔立ちや長身だったがために「所在のなさ」もよけいに目立ってしまっていた久住さんのグループ内での存在意義はじょじょに「悲しみトワイライト」となっていったというわけなのです。うまくねぇ~!


 しかし、ここまではモーニング娘。の中での久住さんについて感じたあれこれだったのですが、それでも私の中には消え去らない疑問があったのです。

 かりにも、オーディションで「2年間の歳月」をかけた末に選ばれることとなった、数万人の中のたった1人の合格者なんです……

 そこには必ず、経験はともなっていなくとも多くのプロの厳しい眼をして「おおっ、これは……!」と認めさせた原石の輝きがあったはず。
 そんな久住さんが「パッとしませんでした~。」でちゃっちゃと消えていくわけがない。

 彼女にはなにかある。当時のモーニング娘。では発揮できなかったなにかがあるはずなんだ!!


 そう確信したものの、具体的な「それ」がなんなのかをつかめないまま無為の時を過ごしていた私に、明快に「これだよ~☆彡」と回答を与えてくれたものこそが!! 今回の2枚のアルバムだったのです。

 これは驚きました……これが久住小春! こここそが彼女の真の独擅場!! まさにユートピア、桃源郷、天竺、エル・ドラドオ、驚異の「こはるんランド」だったのだッッ!!

 いや~、聴く直前までは「子ども向けアニメの主題歌なんでしょ~? しょせんはアイドルの片手間程度なのかもしれんなぁ。」といった一抹の不安もぬぐえなかったのですが……

 とんでもない!! ここでのキャラクター「月島きらり」としての久住さんの歌手活動は、グループでは見られることのほとんどなかった久住小春の輝きをいかんなく発揮させた、彼女にとってのかけがえのないキャリアだったのです。


 ちょっと話をとばして2012年現在のことに触れてしまいますと、言うまでもなく、久住さんは「ドリームモーニング娘。」10名の中の最年少メンバーとして活躍しており、そのために、

「先輩がまだモーニング娘。の中にいる(6期の2人)のに、それより先にドリームモーニング娘。にいっちゃった人。」

 として、昨年末以来の、ごく一部の人々のあいだでの無益ないさかいのやり玉に久住さんがあげられることも多いようです。

 そういったニュースを知るにつけ、「久住さんは10名前後のグループの中にいるべき人材ではないのでは……」と思っちゃうんだなぁ。
 ソロか、最大でも「3人組のリーダー」といった立場が最高なんじゃないかと。

 言ってみれば、久住さんはまさしく「奔馬(ほんば)」! 自分の思うさまに、おもむくままに走る姿こそが人々に元気や笑い、そして感動をあたえる最大の武器となるお人なのです。
 『三国志』でいえば「呂布奉先」、『信長の野望』でいえば「前田慶次」!!

 頭の良さや立ちまわりのたくみさで天下を取る曹操孟徳や徳川家康とはちょっと戦っているフィールドが違うんだな~。


 っつうことで! 前置きが長くなってしまったので、「こはるんランド」驚天動地のきらりん☆曼陀羅の詳細については、また次回のココロだ~い。

 いや~。本当に買って良かった。
 私、言うまでもなくアニメの『きらりん☆レボリューション』は1秒1コマも観ていないんですけど、もし! もし将来的に私に娘ができたとしたら、だんっぜんこの2枚のアルバムを聴かせて育てたい。

 久住さんの私の中でのイメージカラーは間違いなく「ピンク」なのですが、それは一見、人工的で攻撃的なショッキングピンクのようでありながら、実は非常に自然であたたかみのある、内面からかもしだされる「桃のほのかなピンク」だったんですなぁ。

 いい娘さんなんだよぉ~オイ!!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新春・大河ドラマ対決!! ... | トップ | 美は乱調にあり  今だから... »

コメントを投稿

すきなひとたち」カテゴリの最新記事