フンダウのキャンプサイトで見かけた絵葉書とまったく同じコウノトリのグループが木の上に巣を作っているところを通った。コウノトリは共同生活を好むらしい。
この盆地はさくらんぼだけでなくいろいろな果物の産地らしい。道端はいろいろな果物の畑になっていた。
フンダウの町はポルトガルの真ん中あたりにありこの日は車を北西のスペイン国境へ向けた。途中から道路脇は岩山になり生えているものといえば純白のブルームの花。あたり一面が白っぽく見え、まるでモノトーンの世界。
ほとんど木の生えていない荒れ地の真ん中に小さなオリーヴ畑があった。あの岩とブルームの間をオリーブ畑へ行くのも大変。
見晴らしの良い丘の上に観光バスが2台停まっていて、私たちも近くに停車。頭上にハゲタカが一羽大きく円を描いている。
見下ろす川のある景色の中にもハゲタカが3羽舞っていた。あたり一面はパッチワークのオリーヴ畑で素晴らしい景色に見とれているうちハゲタカはいつの間にか消えていた。
山頂から曲がりくねった道を降りてゆくとたどり着いたのは巨大な河で、このジューロ河はスペインからポルトガルとの国境を流れここからポルトガルを横断してポルトの港に流れている。先ほどの2台の観光バスはこの川渕まで観光客を運び、ジューロセレニティと呼ばれる観光船でポルトまで下航していく。こういうのんびりした船旅もいいかもしれない。
道路はこのジューロ河に沿って北上していく。この山の急斜面一面に生えているオリーヴの木々は河の対面でスペインになる。
ポルトへ行く観光船の乗り場以北はこのようなダムが見られ船の行き来はない。
フレイショの町へ行くまでの道路際は白のブルームと紫いろのフレンチラヴェンダーが派手に咲いていたが、この町の入り口は極め付きフレンチラヴェンダーが私たちを迎えてくれた。
この小さな町はたいして見るものはないが、町のスポーツセンターの一角に無料のキャンピングプラッツがあり、水と電気を供給してくれる。
午後早く着いたので町の散策に出かけ、きれいな街を歩き回った。
丘の上に城壁と塔が立っていて誰もいない。塔の入り口は開いていて誰でも入場可らしい。塔の2階の広間にこの城のモデルがあった。
昔は城壁も2重だったようだが今は塔が一基と一重の城壁の中は墓地に変わっている。
高い塔の頂部はベルタワーになっていて毎30分ごとに鐘が鳴る。
整然と並んだ墓地はきっと最近移されたものではないかと思う。あまりに画一化されているから。
この日通りのスーパーで大きなビワの実を売っていた。5個で1ユーロは高いが今年は道端で生っていたビワを食べそびれた。そして道端のビワはこれらよりも小さいから一度食べてみたかった。まだ走りらしく酸っぱかった。
この夜キャンピングプラッツにはフランスのキャンパー2台が来て、静かな夜だった。