Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

ブリュッセル 楽器博物館

2010-08-21 22:50:11 | ベルギーの旅 2010年

王宮と王立博物館の間に楽器博物館が建っている。この建物は1898年に服のデパートとして建てられたそうだが、正面上部に Old England の文字タイルが入ったアールヌーヴォー調の建築物。デパートの後は英国の薬局だったらしく古い写真が残っている。エレベーターで最上階まで上がったところの見晴らしは素晴らしい。

チケット売り場で無料のオーディオ器を貸してくれた。これが音楽だけ英語は出ないと言われ????のままで数百年も前のピアノの前に立ったところ、急にものすごいピアノの音が鳴り響いて飛び上がりそうになった。



はじめはどうして音が聞こえたりやんだりするのか判らなかったが、展示された楽器の前に数字がついているその狭い範囲だけその楽器を使った音楽が聞こえてくるのが判った。
写真のの弦をたくさん張った琴のような楽器は現在でも、ハンガリーやルーマニア、ギリシャなどで使われている。昨年6月ハンガリー・ジプシーのコンサートに行ったとき、バイオリンの音には魅了されたが同時にこの珍しい楽器Cimbalomを演奏していた23歳の男性にはまったく脱帽、弦の上を2本の撥で目にも留まらぬ速さでたたき、あのときの観客の熱狂ぶりは忘れられない。



このきれいな模様入りのパイプはもちろん小型パイプオルガン。荘厳な音楽がよく似合う。右の写真はピアノの変形のようなものピアノは中世の上流社会での必需品だったらしいから、いろいろなタイプの面白い形のピアノが作られた。



オーケストラのモデル人形がケースに入って飾られていた。その表情が面白い。



下の写真のピアノ様の楽器は1625年 トレドで作られたらしいと案内書に記されていた。右下の楽器はいまだにこれが打楽器か管楽器なのかわからない。




下の楽器は変形のギターの様、それにしては弦の数が多すぎるが。右下は大型オルゴールみたいで20世紀の楽器だった。



楽器展示室の入り口近くの人形モデルは、昔の抜歯に痛み止めの代わりにそばで音楽を演奏したらしい。音楽に鎮痛剤の役目があるとは知らなかった。ここは7000点を超えるコレクションを誇る世界有数の博物館で大いに楽しめる。

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ブリュッセル サンカントネール博物館

2010-08-20 05:02:51 | ベルギーの旅 2010年

火曜日の夕方のユーロスターで帰国にあたり、夕方4時頃まではゆっくり見物できる。幸い朝日も輝く雨上がりの気持ちの良い朝、朝食後荷物を全部まとめて受付へ行き午後まで保管してもらうよう頼みチェックアウトした。
今日の目指すはサンカントネール公園、片道約3.5kmの道を地図を頼りにゆっくり歩いた。
この公園は独立50周年記念の1880年に開催された博覧会に建築されたもので真ん中に凱旋門、両翼は軍事歴史博物館とサンカントネール博物館になっている。
公園の入り口にシューマンの胸像がありこの人がベルギー人であったことを初めて知った。凱旋門の真下はトンネルが一時地上に現れた高速道路になっていて絶え間ない車の音が響いていた。



サンカントネール博物館はこの凱旋門の右翼を占める大博物館で,大英博物館ほどではないがその収集は素晴らしく、ゆっくり見ていれば一日では足りないほど。
まずは特別展のイタリア・メディチ家の衣装展・・・地下一室に展示された男女の人形や馬そして衣装全体が紙でできている。中世の派手なレースの襟飾りもすべて紙で色彩も模様もなかなか面白かった。




玄関から右に入った大広間には素晴らしくモダンなタペストリーがかけられてある。この写真で見るとサイズがわからないが2mx3m位でそのほかに3枚の小形のタペストリーも有った。英語の説明書が無いのではっきりわからないが1953年から1959年をかけてアントワープで造られたものらしい。モダンなタペストリーはデンマーク以来今回が初めて。過去のタペストリーは宗教画や神話を題材にしたものが多くてほとんど色あせて興味を引かない。この絵は秋の収穫の荷車を引く馬と農家のたくましい女性たちでなかなか面白いテーマだった。細かい部分の絵を見たい方はコメントに書いてください。





この広場の二階ロビーには馬車ならぬ馬橇のコレクションがあった。いろいろ豪華な馬車は各国の博物館や宮殿でお目にかかるがこのような馬橇ははじめて。さすが寒い国だからだろう。
現代陶芸展の壁を飾る大きなタイルの絵が素晴らしく陶器のコレクションもりっぱだった。




玄関から左奥にはギリシャにの壷や、ローマの石柱、タイルなど良くぞこれほど集めたと思う。エジプトのミイラも一室に展示されていた。




イースター島から運んできたらしい巨大な石頭は始めて見た。良くぞこんなものを持ってきたものだと思う。南米や東南アジアの美術工芸品や生活用品など見飽きることが無いほどおもしろい。






未開の国の工芸品などの大胆な模様など特に引かれて、写真も数百枚を撮ってしまった。

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ブリュッセル 最高裁判所とその周辺

2010-08-19 23:43:12 | ベルギーの旅 2010年

ホテルのすぐ隣に大きな教会があり、雨の月曜日、博物館も美術館も閉まっているので散歩の第一歩として行ってみた。なかなかきれいでカラフルな教会で1304年に小さな礼拝堂が始まり。その名もノートルダム・デュ・サブロン教会という。



教会の建つ広場には週末に骨董市がたち、古いチョコレートの鋳型を売っていた。昔からブリュッセルのチョコレートは有名で手作りだという。古いアイロンは中に熱したコールや炭を入れてアイロンかけをしたものらしい。



ブリュッセル一番の有名人はこの小さなしょん便小僧(マネキン・ピス)と呼ばれているが別名ジュリアン君といわれる。雨の中わざわざ訪ねて行ってみれば、大変なひとだかり。あまりに小さな像なので驚いた。




王立博物館の前の通りはリージェンス通りでその突き当たりにそびえるのが最高裁判所。このあたりはブリュッセルの高台にあり雨に煙る町が一望に見渡せる。裁判所の近くに行くと観光客が入ってゆくのが見えたので、早速見習ってみた。





石造りの巨大な建物は今までいろいろな国でたくさんの大建築物を見た目にも、これほど大きな空間を見たことが無い。そして不思議なことに月曜日であるにかかわらず、裁判所の職員が一人も見当たらないことだった。観光客数人がひっそりと歩き回っているほかは誰も居ない。
2階の大階段の踊り場に、大きなプラスチックの入れ物がおいてあり、高い天井から落ちて来る雨水を受け止めているが、それがあふれて床を濡らしている。それでも誰も居ないとはどうしたことだろう。



5時ぴったりに何処からとも無く現れた受付の女性と守衛のおじさんに軽く追い払われて、巨大なドアが閉まった。5時過ぎ奥を歩き回っていたら出て来れなかったかも知れないとほっとした。こんな大きな建築物は見かけの割りに仕事はしにくいだろう。1860年代の建築物では暖房なども無かっただろうから、天井の高い廊下に取り付けられた大きなラジエーターなどを見て暖房費も大変だろうなと思ったのはやっぱり私が貧乏性だからかしら。

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ブリュッセル ベルギー王宮と王立美術館

2010-08-19 19:17:22 | ベルギーの旅 2010年

ホテルが王立美術館から100mほどしか離れていないグラン・サブロン広場の一角にあったおかげで、有名観光地がほとんど近くで有り難い事だった。
王宮までのロワイヤル広場には歩道のあちこちに古いピアノが置いてあり雨に打たれていた。

ベルギー王宮は月曜日の休館以外は朝10時半から開場、無料で一巡り見せてくれるが、写真だけはご法度、入る前にカメラを預けなければいけない。英国のバッキンガムパレスより王宮らしい外観だがここに現国王は住まわれていないだけに、警備が緩やか,外塀だって誰でも乗り越えられそうだ。
中は何処の宮殿でも作りはほとんど同じで、家具や置物もそれにふさわしいものと思われるだけ、ただ舞踏の間のきらめくシャンデリアと木モザイクの床は感嘆に値するものだった。
最後の一室の科学博物館のようなところがあり、中央のグリーンの照明器具と天井のグリーンの飾りガラスがタイから持ってきたグリーンの大きなコガネムシの180万匹分の羽を張ったものだそうだ。




王立美術館も月曜日は休館のため日曜日の訪問者が多くて、入場チケットを買うための行列が長かった。玄関の大広間に展示されている丸い大きな球は近寄ってみれば、やっぱりあらゆる色のカブトムシやコガネムシから成っていて、ゾーとするが良くぞこんなことを考えるものだと感心した。




まずはモダンアートをと行った所が建物の際奥の地下で18世紀から現代までのヨーロッパの絵画の展示、フラッシュなしの撮影可ということで、気に入った絵をどんどん写した。写真の点描画は有名なジョージ・スーラ(フランス人1859年ー1891年)のセーヌのLa Grande Jatteで割と小さな絵だが彼はパリのこのセーヌ川の島を描いて一躍有名にそしてこの島も世界的に有名になったそうな。



下の左の絵は非常に大きな3枚組みの真ん中の絵で、レオン・フレデリック(ベルギー人1856年ー1940年)の作品。家族連れの貧しい商人で住む家も無いのであろう。彼らの人生をいろいろ想像したくなる様な絵でとっても気に入った。
右はヴィクター・セルヴァンクス(ベルギー人1897年ー1965年)の作品。昔はこのような抽象画のよさが判らなかったが、加齢ということはいろいろな変化も受け入れられるということなのかも知れない。




モダーンアートで一番印象深かったのが左下のサルバドール・ダリ(スペイン人 1904年生まれー)の作品でこの絵は1946年に完成-どう考えたらこのような絵にたどり着くことができるのだろうと思うが、忘れられない強力な絵だ。亭主も同じことを言ってたからここで初めて二人の意見が一致した。
右下は2階の古典部門ではじめに目に付いた作品、聖書に出てくるバベルの塔を描いたもので、画家の想像力には驚かされる。
モダーンアートを見終わって帰りのエレベーターがすごい、一室の中に両脇にベンチがずらりと並び、その部屋が7回まで昇って、地上階にたどり着いた。




古典部門でのハイライトは下の2作品に見られるようなブリューゲルの絵で父親と息子二人の16-17世紀のもの、大変興味深く生き生きとした絵に目を奪われた。描かれている一人ひとりの人物が素晴らしい精密画で絵の一部を拡大して写真にとっても十分一枚の絵として通用するところがすごい。当時オランダ・ベルギーはスペインに統治されていたため、社会の風刺画が多いという。




下は玄関大広間の壁を飾る巨大な絵で、ガスタフ・ワッパース(ベルギー人1803年ー1874年)の”1830年9月のエピソード”と言うタイトル。1830年7月パリ革命の波及で、ベルギーも9月にオランダからの独立革命が起こったことを記念して、当時の政府がスポンサーとなって描かれた作品だという。絵の舞台は花のじゅうたんの有るGrand Place of Brussels で1853年に完成した。

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ブリュッセルの花祭り

2010-08-19 02:29:45 | ベルギーの旅 2010年

日本ではお盆の一番暑い時期、こちら英国は曇り空ににわか雨と薄ら寒く、とっても真夏には思えない。今年は6月から7月にかけて30度近くなったことも有ったからアレが英国の真夏だったのだろう。
今春マレーシアの友達から送られたメールにブラッセルでの花のじゅうたんの写真があり、初めてこのイベントを知った。早速インターネットで調べてみると、2年に一回今年がその年であることが判った。8月になって、往復をユーロトンネルをくぐってゆくユーロスターで、ブラッセルの3泊4日の旅行予約にこぎつけた。

8月13日から15日の3日間が花祭りで、14日の早朝のユーロスターは空席なし、途中フランスのリル(Lille)で下車する旅行客も居たが、日本人の団体客はもちろんブラッセル行きの一団が目に付いた。この度はいたるところに日本人、中国人の団体がワサワサしていた。




ロンドンのセント・パンクレアス駅からブラッセル南駅まで2時間、ホテルが中央駅から歩いてゆけるとあちこち迷いつつ、1時にたどり着いた。ホテルの部屋は3時からしか入れないと言うから、荷物を預けてすぐ花のじゅうたんを見に行った。




80万個のベゴニアの花で、じゅうたんの模様は毎回違う古典のじゅうたんから取っているという。この準備に何日かかったかわからないが、私たちの行った土曜日の午後は晴天だったこともあり、近くで見るとベゴニアの花びらは黒くよじれてきてあまり気持ちの良いものではない。
ベゴニアばかりでなく西洋菊の花も使ってあったから、やっぱり行ってみないと実際のことは判らないものだ。




この花のじゅうたんが広がっている広場はグラン・プラス(Grand Place)と呼ばれるブリュッセルでは有名な大広場で110mx70mの巨大なもの。この広場を囲む4辺の建築物が豪華壮麗、花よりも建築物に圧倒された。

 

世界中から集まった観光客で、ごった返している中に、一辺の中央に建つ市役所のベランダから花のじゅうたんを見下ろせるとのことで、1時間も行列を作り一人3ユーロづつ払ってベランダにたどり着いたがここが超満員。係り員が停まらないよう声を限りに叫んでいるが、皆写真を撮るのに懸命の有様、それにもっと高いところからでないと全体の写真が一枚に収まらないのでがっかりした。

 


 

今回はこの花のじゅうたんを第一の目的に行ったが、花祭りとしては数年前に行ったイタリア・ボルセーナの花祭りの方が格段に良かった。しかし花祭りのほかにここブリュッセルには見るものが多くて退屈しなかった。明日は博物館について書こう。

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