Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

渡り鳥の旅 再びオルニャオ

2012-12-28 21:32:59 | キャンプ旅行ヨーロッパ各地 2012-2013

 

クリスマス前の暖かい日、二人でオルニャオの町の西側へ散歩に行った。この辺りは塩田が広がり冬では完全に見捨てられたようになっている。そしてここの塩田でこの冬初めてのフラミンゴの小さな群れを見つけた。彼らはどこにも行かず一年中この辺りにいるらしい。
この日、日中は直射日光下では30度近くにもなったが夜になると急に気温が下がる。ここポルトガル南では零下になることは無いが、日中があまり暑いと夜間の冷えは特に厳しく感じる。

 


散歩途中の住宅街のテレビアンテナに変わった鳥が止まってさえずっていた。木管楽器の一音だけを鳴らしているようで鳥の鳴き声とは思えないフッフッフッー、フッフッフッーの聞きなれない音だった。今まで3年もこの辺りに滞在して初めて見かけた鳥で、キャンパーへ帰り、隣のスコットランド人の夫妻、ダンカンとロズに話したら、鳥の図鑑を見せてくれ、英語でフーパーという名前だそうだ。
それ以来出かけるときはなるべく望遠の利く大きなカメラを持ってゆくことにしている。


 

クリスマスの朝、ダンカンの音頭とりでキャンパー周囲の5組の夫婦が集まってクリスマス・ブレックファーストのパーテイを開いた。
スコットランドでは朝からスモーク・サーモンとスクランブル・エッグにシャンペンでお祝いするらしい。ロズがクックしてくれ10人が陽だまりで飲みながらおしゃべりしていたら、急なにわか雨で、パーテイはお開きになった。


 


このパーテイには私も以前から食べてみたかったポルトガルのケーキを買ってきて、皆で食べたがやっぱり非常に甘い。ポルトガルはヨーロッパで糖尿の罹患率が一番高く、10人に一人は糖尿病を患っているという。これは毎週金曜日に発行されるポルトガルの英語新聞に書かれていたもので、なるほどとうなずける。


  


クリスマスの翌日は向かいのベルギー人のマイケル(ベルギー語ではミッチェル)の誕生日でパーティは太陽が暑い午後の4時から始まった。マイケルはまだ58歳、もう2年はこのキャンプサイトに来ていると言うから退職したのは55歳と言うところだろう。検眼士として働いていたが元気で旅行できるうちにと早期退職したと言うから、そうできる人が一体何人いるだろうかと思ってしまう。

イギリス人夫婦のディヴとダイアン、オランダ人夫妻のヤンとヘリーン、皆が私よりも若いので驚いてしまった。
若い彼らの飲むこと!!!日が沈んで急激に寒くなりパーティーはディヴのキャンパーに付随したテントの中に持ち込まれて夜9時まで飲んでジョークを語り、こんなに友好的な人達の間にキャンプできたことはラッキー。旅は人とのつながりなのだとつくづく思う毎日だ。

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渡り鳥の旅 ポルトガルのクリスマス

2012-12-20 13:08:32 | キャンプ旅行ヨーロッパ各地 2012-2013

  

キャンプサイトの入り口にもクリスマスのデコレーションが出来上がった。町に只一箇所ある小さなショッピングセンターにも1カ月ほど前からこのツリーらしくないツリーが立っている。しかし今年のポルトガルの不況は深刻で、いつもは街路を彩るクリスマスデコレーションは廃止された。貧困層にはチャリティが食事提供や、市民からの物品提供を募ってプレゼントするとのこと。

 

先週の土曜日、町の中心の教会横で、ポルトガルの伝統クリスマスケーキを切り分けて一般市民にプレゼントしていた。私も小さな2切れを貰って味見してみた。スポンジケーキに色とりどりの砂糖漬けのチェリーやナッツが入っていて上もカラフルな砂糖漬けのくだもので飾られている。特にオレンジを皮ごと砂糖漬けにしたものは今まで食べたことが無く珍しい。まるでマーマレードの塊のよう。

  

スーパーマーケットで買ったポルトガルのクリスマスケーキはイギリスのどっしりしたフルーツケーキやドイツのマージパンが入ったシュトールンと違って、甘いパン生地の中にフルーツやナッツが入っていてとにかく甘い。ポルトガルのお菓子は種類が多くバラエティーに富んで居るが全体にとっても甘い。イギリスのフルーツケーキは半年も前に作ってブランディを入れて熟成させるから、ずいぶん長持ちする。シュトールンもイーストを入れて膨らませた生地にたっぷりの干しブドウを入れて焼いたもので上には粉砂糖が雪のようにかかっている。私はこのシュトールンが大好きで一年に一回はこれを食べないで年を越せない。


  

ポルトガルはカソリックの国で国民のほとんどは聖母マリアを深く信仰しているから、街角にはキリスト生誕の馬小屋の再現が行われている。
ショッピングセンターの3階は食堂街でウイークディのお昼でも若者が多いことに驚かされる。彼らは仕事を持っていないのだろうか? 


 


毎日青空が続いて気持ちのよい日々、このキャンプサイトへやってきて一週間目に近くのイギリス人夫妻から、大きなテレビ受信機はサイトで預ってくれると聞いて1.2メーターの巨大受信機を買い設置してもらった。これを買いに行った時は2日かかった。まず初日はポルトガルはスペインほどシアスタも無いからと思って朝から町へ出かけたのにショッピングセンターでお昼を食べてゆっくりしていったら、この日は午後1時で閉まると書いてあり、翌日朝11時にお店に行ったらば、午後2時半からオープンと書いてある。3時間もあちこちで時間つぶしをしてやっと店に入ることが出来た。
いったん予約したら翌日午後には受信機が設置されて(英国では考えられない)、これで英国のBBC, ITV 等が見られる。NHKのワールドニュースやドイツの沢山の番組はキャンパーの後ろに取り付けた小さな受信機で見ることが出来る。これで来年3月までどこにも行かず、(実際動けず)このサイトに落着くことになった。


  


  

毎週土曜日に魚市場やローカルの野菜マーケットへ行くのが楽しみで、ショッピングトローリーを持っていって山ほど買ってくるから、亭主からはひんしゅくをかっているが、彼も半分は食べるのだから文句言うことは無いと思う。



サボテンの花の蜜を吸っている鳥は雀では無いが名前は知らない。

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渡り鳥の旅 オルニャオ ポルトガル

2012-12-16 14:52:43 | キャンプ旅行ヨーロッパ各地 2012-2013

  

ポルトガルのオルニャオのキャンプサイトに落着いてもう一月近くになる。ここは過去3年の間に何度も逗留したところで、まるで古巣に帰ってきた渡り鳥の心境。あまりに居心地が良く、毎日がストレスフリーで過ぎてゆく。
この巨大なキャンプサイトは、オルニャオの町外れにあり、町の中心まで歩いて30-40分かかる。この町は南ポルトガルの、ファーロから8Km東に位置した田舎の海岸町で、ポルトガルの一般市民の生活の場所であり、昨年まで過ごしたクォティラやアーマセルのような派手なホテル群がほとんどない。

今年はここのサイトが割合空いていて、初めてインターネットがキャンパーの中で見られるアンテナの直下にキャンパーを停めることが出来た。昨年まではラップトップを持ってアンテナ近くのべンチに座ってメールを送っていた。

このキャンプ地のワイヤー塀の外側は公園になっていて毎朝沢山のジョガーが走り、犬と散歩する男女が賑やかに通り過ぎてゆく。

ここには立派なバンガローがズラーと並んでいて、週末になるとポルトガルの家族ずれや、親戚、友人たちが一泊にやってくる。そしてバンガローの庭のバーベキューでパーティを開いている一団が多い。12月の気候は日中気温が15度から20度くらい、夏には40度以上になるこの海岸線では今の季節が一番過ごしやすいのかも知れない。


  

町の中心地は外壁にタイルを張った旧式の住居が密集しているが、このサイトの周辺まで来るとすごい豪邸が建ち並んでいて、貧富の差の激しいこの頃、ポルトガルの英語新聞に拠れば国民の4分の1が貧困にあえいでいると言う。


  

公園の外はきれいに耕された畑地とオレンジ畑、海岸線はフラミンゴやコウノトリ、鷺などが餌を食む海水の出入りする湖で今年はまだフラミンゴの姿が見えない。

  


この湖はリア・ファモーザと呼ばれる国定公園で、公園に併設された養魚所では網が徹底的に張り巡らされて、空からの襲撃を防いでいる。このファモーザの外海は遠浅の海でアサリが採れ、引き潮時には沢山の男女があさり採りをしている。彼らはこの貝を生活の糧にしていて、道端やマーケットで売っている。失業者も多い国だからどんな方法であろうと、生活のためにこうして働いているだけでもすごいと思う。がんばって欲しい。


  

この町にはコウノトリがいっぱい巣造りしていて目新しいことは無いが、たまたまこのクレーンを見上げてびっくり。コウノトリが3箇所も巣を作っていて、そのためか休業している。このクレーンの下には作りかけのアパートが放置されている。


  

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渡り鳥の旅 ジブロルタルからイスラ・クリスティーナ(Isla Cristina)まで

2012-12-06 11:27:35 | キャンプ旅行ヨーロッパ各地 2012-2013

   

ジブロルタルからポルトガルへ向かう海岸線の道はこの3年間何度も往復していて、写真を写す気にもならないほど、慣れてしまった。でもこの日ほど良い天気になったのもまれなことで、スペインの最南端タリファからアフリカ大陸まで15kmの海峡にアフリカ大陸が悠々と横たわっているのがはっきり見える。

 

このタリファの辺りは海岸から急に盛り上がった山脈が連なっているためジブロルタルからの道は一山越えなければならない。この山はいつ通っても風が強く、風力発電には最適な場所だと誰でも思うだろう。延々と連なる発電機が相当大きな唸り声を上げて回っている。こんなにうるさい発電機は住宅地の近くには設置できないだろう。
今までスペイン国内の各地を走り回って、この風力発電と太陽熱発電の多さには感心する。スペインは風と太陽光線を大いに活用して世界の温暖化に歯止めをかけようとしているようだ。それでもこの国が経済危機に面しているのは、夏が暑すぎるためなのだろう。

日中はシアスタがあって4時間ほども店も閉まり働いている人を見かけることが無い。またカソリックの国だから日曜日はスーパーも完全に閉まってしまう。スペイン全体がゆっくり回転しているような気がする。
先日韓国の有名なピアニストのインタビューを見ていたら、留学したところがマドリッドで、半年もしたら自分が怠け者になっているのに気がつき、ドイツに留学先を変えたという。空港に降り立った時から空気が引き締まっているのを感じた。・・・・との話にうなずくところが多かった。

日本も夏の暑さはスペインに負けないけれど、あれだけ経済発展したのは国民の気力の違いだと思う。国民一人ひとりが暑さを工夫し、シアスタなしで働かなければ経済危機から抜けられない。今ヨーロッパで騒がれているユーロの危機がほとんど地中海沿岸なのを見ても暑さが危機の根底にあると思う。
ポルトガルは今年の国民休日を一日減らしその財政困難に対処している。一日分の国民全体の労働力がどれほど国の財政に力になるか判らないけれど、ギリシャのように国の財政が破綻寸前時に労働者全体がストをしていたら一体どうなるのだと人事ながら怒っているこの頃。


  


途中の休憩時に道端に瓜の花のようなつる性の雑草が群れていた。この実が熟れてややうす緑がかったのを採ってみようと触っったとたん何10分の1秒くらいの速さで実がはじけ、中の水分が顔にかかった!!!。これが毒だったらどうなるだろう。目に入ったらどうしよう。あまりの速さに只唖然としていた。棒でつついてみたりするが、はじけるところを目に見ることが出来ない。


  

カディス県のコニールのロッシェ・キャンプサイトは、ジブロルタルへの往復にいつも数日泊まってゆっくりするので、サイトのレセプションでも覚えてくれていて、大歓迎してくれた。今回も3泊して掃除洗濯等の家事に専念、近くを散歩に行って農道のあまりの変わり様に驚いた。
右の写真は今年2月にモロッコからの帰りに寄った時の農道で、左の写真の同じ道が11月半ばの大嵐で、上土が全部流されてしまって悲惨な姿になっていた。


  


このヘヴンリー・ブルー(天国の青)と呼ばれる朝顔は南国の雑草で一年中咲いている。ここスペインではあまり大きくならず、地面を這っているのが多い。
イスラ・クリスティーナはポルトガルとの国境の港町で、この街へ行くまでの周囲はビニールハウスの海で、野菜の促成栽培がなされている。


  


たまたま散歩に行ったこの日が日曜日で、お店は全部閉まりほとんど人影もなく活気の無い町、おまけにメインストリートの道端にこのように洗濯物が翻っていると、ジプシーの家族が住んで居るのかといぶかってしまう。スペイン、イタリアの高層住宅の路地には洗濯物が翻っているけど、このように街路樹に干しているのははじめてみた。この町のイメージを著しく損なう。

  

町外れは塩田が広がり大きな塩の山があった。雨にも溶けないのだろうか?翌日この塩田をキャンパーで通り過ぎるとたくさんのコウノトリが塩田中を歩き回ってえさを探していた。




海は穏やかで、犬と散歩している人達やマイクロライツの二人組みが音を立てて飛んでいた。海の向こうにポルトガルが見える。

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