華やぐ時間

時の豊潤なイメージに惹かれて 。。。。

” 占星術殺人事件 ”   島田 荘司 ( しまだ そうじ )著

2006-02-09 21:31:53 | ★本
長編の推理小説である  物語の中の時間が43年間も流れているので(?)  じっくり読めた
探偵 御手洗 潔(みたらい きよし)と友人 石岡のキャラクターに親しみが持てて 楽しい
いつも思うことだけれど ものを書く人たちは たいてい そうなのだろうけれど 博識だなぁと思う
この物語の作者も 占星術から日本国内の鉱山や 地理の緯度経度を駆使して 物語を膨らませる
事件発生から解決までの43年間という経過のみならず  伏線の手が込んでいるので
先を急ぐことなく  わたしの未知の分野での講義をいろいろ聴かせてもらえた

読み始めて 「明治三十七年生まれの長女 大正二年生まれの娘が・・」 などという記述にびっくり仰天
この本は いつ刊行の小説なのかと 思わず 奥付を眺め  どうして こんなにも古いお話なのかと
首をかしげながら読んでしまった
43年前の迷宮入りの事件を 現代の探偵が解決するのである
強度のうつ病をわずらってるらしい御手洗探偵が愉快で好感が持てるから  楽しく読めた

最初の事件  完全密室での犯人の手口を  すらすらと6通りも推理してしまうのには びっくり
そんなにも早く謎が解けていいのか と読者のわたしは焦ったけれど  これは序の口
不思議な殺人事件は  このあと始まっていく
人間味あふれる御手洗が ぎりぎりまで謎が解けずに悶々とするのも よい
犯行のトリックは そうなのかぁ と思いました   あたりまえだけど
登場人物たちが 市井に居そうな人たちであり  その生の背景にも頷けそうだったので
推理云々を離れて  ゆっくり読めた本です

    
コメント (4)
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