数か月前から体調のすぐれない入院中の 盛岡の叔母が重篤な状態になったと 従妹から連絡をもらった
はやくお見舞いに行きたかったのだけど 地震で新幹線が不通になり 行けないでいたが
これはすぐに行かなければと思い 従妹と打ち合わせて 土曜の早朝の新幹線の切符を取った
朝5時に起きて 東京駅7時の新幹線である
いろんな用事を後において 乗ってしまえば もう叔母のこと 久しぶりに会う母のことを思う
北へ向かう車窓の風景は 白く広い曇り空の下に 田植えの済んだ水田が広がり 山の緑がみずみずしく映る
いくつもの街を通り過ぎるたびに 小雨が降ったり 止んだり わたしは本を読んだり 居眠りしたり・・
ふくよかで笑顔の優しい叔母は とてもやつれて痛々しかったけれど 顔色が良く 話す声に力があって 安堵した
治療法が変わるらしいけど これからは ゆっくり体力を養っていけるかもしれないので よかったと思う
午後には 秋田の母の家へ向かう
身長がまた低くなって縮んだような気がするけど 持病らしいもののない母は 変わらず元気でいてくれた
母の近況 わたしの仕事のこと 親戚の人たちの消息 いろんな話ができて のんびり 娘の時間を過ごせた
ふるさとへは なにか 事が起きないと行く機会を作れない
東北の五月の風景は なつかしかった
もっと 四季を訪ねるようにしなくっちゃなぁと ちんまり背を丸めて笑っている母を見て 思った